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俺の閣下  作者: テディ
本編
41/186

第40話 訪れ

 ソフィアは、昼寝にしては、ずいぶん深く寝た。


いつものように、ゆらゆらとジョシュアに起こされたのは、

暖かくて良い気持ちだった。

ジョシュアの腕の中で、むにゃむにゃとしているのは

とても気に入っている。守られている感じがして、心地よいのだ。


耳元で声が聞こえる。


「……ソフィ……ソフィ、そろそろ起きろ。

おやつは食べないんだな……?残念だ。

……ソフィ、俺とオーリーで食べてしまうぞ……?」


ソフィアはガバッと顔をあげた。

「だめだ!!私も食べる!!」


オーリーが大笑いしていた。

「ジョシュ、まだまだ先は長いな」

「いいさ、楽しみが増えていく一方だからな」

「ふんっ、まあ我慢しすぎで爆発しないように

気を付けろよ」

オーリーはニヤニヤしながら顎をさすっていた。


ソフィアは、そんな2人の会話を目を擦りながら聞いていた。

……いったい何のことだ……?


昼食を取った後の睡眠で、ソフィアは少し頭がスッキリした。

いつになく色々感じ取り、考えなければならなかったので

疲れていたのだろう。


「ジョシュ、林を歩く」


片付けをしているジョシュアに言うと、

ジョシュアは笑った。

「分かった」


片付けを終えた3人は、いつものように歩き始めた。


林の入り口に入ると、ソフィアは朝のように先頭で

歩みを進める。林の中は変わらず、木漏れ日も

小鳥のさえずりも聞こえてくる。


今度は今朝よりも、林の奥まで歩くことができた。

グリフォンには、まだ会えない。


ジョシュアから見るソフィアは、リラックスしている。

植物を見つけては、喜んで立ち止まり、

何の植物だろうと、持ってきた図鑑を広げていた。


オーリーも、思わず微笑んだ。

グリフォンに会えるか心配しながら進むより、ずっと良い。

このソフィアの他意のない所が、グリフォンに伝わるのだろう。

会えなければそれで良い。簡単なようで難しい気がする。


それを出来るソフィが、やはり凄いのだな。


ジョシュアもオーリーも同じことを考えていた。


ソフィアは図鑑を広げて、座り込んでいた。

ジョシュアがさすがに立たせようと、

手を差し伸べた時、それは突然背後にいた。


オーリーも身動き1つできなかった。


ジョシュアとオーリーは、息を潜めた。

するとソフィアが、フワッと立ち上がり

自分達の奥を見ている。


大丈夫、ソフィアは微笑んでいる。

2人が、そう確認すると、背後の気配は

消えてしまった。


ジョシュアは、思わずソフィアを抱きしめた。

オーリーは、渋い顔で額に手を当て

首を横に振って、ため息を1つもらしたていた。



「ジョシュ、大丈夫だ。あれは知らせに来たのだ」

「グリフォンだな……?」

「ああ、昨日の親子とは違うヤツだ。たぶんオスだな」



オーリーは、やっと不意打ちから立ち直った。

「今回はソフィだけと言う事か」


ジョシュアは、やっとソフィアを離した。

「ジョシュ、気難しいヤツが伝えに来たのだ。

グリフォンにも色々な性格の者がいるのだ。

心配するな」


ソフィアは、いつもジョシュアがしてくれるように

ジョシュアの頬を撫でた。

どうやら、落ち着かせようとしているらしい。


「ジョシュ、大丈夫だ。オーリーも心配しすぎるな」



オーリーは笑った。

「分かった。が、次は背後は取られたくないな。

で?グリフォンは何だと?」


ソフィアは、こともなげに言った。


「今日は、もう帰れと。さ、だから帰るぞ」


2人は、何故グリフォンが帰れと言ったのか

気になった。


それは背後に感じた気配が冷たいものだったからだ。



確かに……もう、背後は取られたくないな……。

ジョシュアは、ソフィアを守る事を考え

そう思っていた。



林の向こうでは陽が沈もうとしている。

美しい、ただの林に見えるのに……。


そう思いながら、ソフィアの後ろを歩くのだった。

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