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俺の閣下  作者: テディ
本編
23/186

第22話 発揮

 ジョシュアがアイスを持っていくと、ソフィアは寝ていた。

起こしてはいけないと、厨房に戻り、夕食時にまた取りに来ると告げた。


厨房は、滅多に熱を出さないソフィアのために、何種類ものアイス、

ソルベを作っていた。


執務室で軽く、昼食をとり報告を受けた。

その後すぐに、訓練の様子を見て、問題がないか確認し、

書類に戻る。ソフィアでしか確認出来ないもので緊急のものはない。

書類が終了次第、就業するように指示を出した。


ジョシュアは、すぐにソフィアの元に向かう。

その背中を見て、部下の近侍達がホオーっと大きく息を吐いた。


「今日の副閣下は、凄かったな……」

「うん、凄かった……。午後の休憩前には帰れるぞ……」

「いやー、なんと言うか……早い。早いなーー、仕事が……」

「あの副閣下が、尊敬しているのが閣下なんだよな……」

「……どの位のお力を秘めていらっしゃるのか……。

想像もつかないな」


近侍達は、早く帰ることができるのに、喜ぶことも忘れて

驚愕していた。


ジョシュアは、単に下心を発揮して能力を出しただけだった。

仕事が早く片付くほど、ソフィアの側に戻れる。

ただそれだけだった。


午後の休憩前に戻ってきたジョシュアを見て、

オーリーはクックッと笑っていた。


「ジョシュ、お前いくらなんでも仕事が早すぎるだろう?」

「そうか?ソフィが居ないと出来ない仕事を除いたら

こんなものだ。特に早くはないぞ」

「そんな訳あるか。ま、良い。ソフィはしばらく寝て、

昼食をとったところだ。さ、早く。ソフィが待ってるぞ」

「分かった」


いつも通り、静かに声をかけ、部屋に入るジョシュアを見て、

オーリーは思いの外、嬉しかった。

2人とも大切な友人なのだ。彼らに幸せになって欲しかった。

年々、たくましくなるジョシュアに色気まで加わり、

オーリーは、見ていて楽しかった。

さて、こりゃ楽しみだ。

オーリーは、またしてもニヤニヤしながら警護に励むのだ。



 部屋に入ったジョシュアは、侍女長に少し休むようにいった。

熱は夕方から夜に上がることが多い。

今のうちに休むようにと言うと、侍女長は礼を言った。

代わりの侍女をよこす、彼女は、

少し休憩をとることにした。



ソフィアは少し熱も下がり、昼食も全て食べられたようだった。

「ジョシュ、アイスは??」


マイペースなソフィアに、ジョシュアは笑った。

「昼に持ってきたんだがな、寝ていたので晩餐の時に

取りに行くと話してある。お前を心配して、

何種類もあったぞ。しばらくオヤツは、アイスだな」

「なんだ、楽しみにしていたのに……」

ふてくされるソフィアに、ジョシュアは甘かった。

「分かった分かった、この後にとってこよう。

昼は食べられたんだな?」


そう言われたソフィアは、満面の笑みになった。

「昼は食べた。全部食べたぞ。気持ち悪くもない」

「分かった、では約束通り取ってこよう。

侍女長を休ませたから、代わりの侍女がきたら行ってくる」

「やった、分かった」


ニマニマしているソフィアの頬に、手を寄せてジョシュアは

続きを話した。

「まだ熱はあるな……」

そのジョシュアの手が、冷たくて気持ちよく

ソフィアは自然と頬擦りしていた。

「アイス、楽しみだ。何味かな」

「なんでもありそうだぞ。一押しをもらってくる。

ところでソフィア、陛下達に俺たちのことを話してきた。

お前の気持ちに任せるそうだ」

「そうか。母上がそうおっしゃったのだろう?

分かった」

「熱が下がったら、考えてくれ」


ソフィアは、ジョシュアの顔を見た。

最近は笑顔が増えた気がする。それはソフィアにとっても

嬉しいことだった。

「ジョシュ?」

「なんだ?」

「……やっぱり冗談ではないのだな……。

お前、……変わってるな……」


ソフィアはジョシュアの手の冷たさに、心地よくなったようで、

今にも眠りそうだった。

ジョシュアは、優しく笑った。

「そうだ、俺は変わってるんだ。

だから安心して良いぞ。お前は、お前のままで良い。

俺の望みは、そのお前の側に生涯居ることだ」


「……そうか……、やっぱり変わってる……」


そう言って、ソフィアは眠りの中に落ちて行ったのだった。


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