第9話 休日②
休日二日目――
俺はまたしても面倒な偶然に巻き込まれた。
昨日は――清水りんと色々あった。
家にいるのは性に合わんから、今回も散策だ。
商店街とは、別の道を歩いていく。
そうしていると公園に着いた。
「近くに公園なんてあったんだな」
ブランコ、滑り台、砂場。オーソドックスな公園だ。
「あれ!大牙くん!」
――聞き覚えのある声がする。
「おーい!大牙くーん!」
やはり――花園桜だ。
「……よお」
出会ってしまったから、簡単に挨拶をする。
「偶然だね!」
「そうだな」
桜の両隣には、桜と同じ髪色の小柄な子供、二人がいた。
「そいつらは――」
「あー!私の妹と弟、双子なんだ!」
やはり、桜の姉弟だったらしい。
「妹が「モモ」。弟が「ツツジ」だよ!」
「こんにちはー!」
「こ…こんにちは」
妹の方は桜に似て明るく元気よく、弟の方は人見知りってところか。
「こんにちは」
俺はその小柄な双子の前でしゃがみ、挨拶をする。
(……小さいな)
目の前の子供たちは俺を不思議そうに見ている。
「ねえしゃんのカレシ?」
とんでもないこと言いやがった。
「違うよ!」
桜は妹にすぐ否定の言葉を入れる。なぜか赤くはなっているが――
(やっぱりガキはとんでもないこと言うな――)
「ああ…違う」
こいつと俺はそんなんじゃないが――
「…友達だよ」
これくらい言っても問題ないだろう。
そう言うと桜は笑顔を見せる。
(そういや初めていったな)
今まで友人とは断言してなかったことを思い出す。
(そもそも敵だしな)
友人と言っといた方がこの子供も安心するだろう。
「大牙くんは何してたの?」
「散歩だな」
桜に聞かれ、俺は返す。
「ここら辺のことまだ知らなくてな」
「あーそっか!転校してきたばっかだもんね!」
転校生として、潜入してはいるがな。
「昨日は商店街まで行ったな」
「満開商店街?」
「おう」
そんな雑談をしていると、小柄な双子は姉の服の裾をつかむ。
「ねえしゃん……」
「あっ!ごめんね!遊ぼっか!」
どうやら遊びたいらしい。
「大牙くん!ごめんね!妹たちと遊ばなきゃ!」
「構わねえよ」
そう言って、俺は去ろうとすると――
「ん?」
何かにズボンを掴まれた感触、そこには――
「にいひゃんもあそぼ!」
そう言う桜の妹がいた。
俺はこいつらと遊ぶことになった――。
~数十分後~
「わぁー!たかーい!」
俺は、桜の妹に肩車をしていた。
「にいしゃん、ぼくも」
「わかったわかった。」
下にいる桜の弟が肩車をしてほしそうに言ってくる。
「モモはしゃぎ過ぎるなよ」
「はぁーい!」
なぜか、数十分で懐かれてしまった。
「ごめんね!大牙くん!付き合ってもらっちゃって!」
(まぁ、前に励ましてもらったしな)
「別に構わない」
それに子供は嫌いなわけじゃない。
「ほら、交代だ」
「えー!もっとー!」
まだ乗りたそうにする妹の方を下ろし、弟の方に変わる
「…わあ!」
弟の方は、言葉は少ないが、凄く嬉しそうだ。
「ふふ!まるで親子だね!」
(おい、そこは兄弟じゃないのかよ)
「それ言うとお前が母親にならないか?」
「へえ?!」
頬を赤らめ、変な声を出す桜。
「――いや、身長的には娘か?」
少しからかう。
「んーー!」
桜は頬膨らませ、拳を振り上げる。
「冗談だ!冗談!」
さすがにからかい過ぎた。
「ねえしゃんも、にいしゃんもケンカだめ!」
「だ…だめ!」
妹と肩車している弟にまで喧嘩を止められる。
「あー!ごめんね!もうしないよ!」
「悪かったよ。桜」
「ううん!こちらこそごめんね!」
お互いに仲直りした。
「…にいしゃん、ボクつぎあれ」
「滑り台か?」
コク――
頷く弟。俺は滑り台の方に向かう。
「にいしゃん!ワタシもー!」
それに続いて
それからもモモとツツジと色々と遊んだ。
二人が遊び疲れた時には夕方になっていた。
「ありがとね。大牙くん」
モモとツツジはベンチで寝ている。
「いやいいよ」
桜と俺も疲れたので、ベンチで休んでいる。
「子供の体力は凄いな」
俺は今日、それを思い知った。
「そうだね。でも――」
桜とモモとツツジを見る。
「こんな風に寝ている姿を見ると――」
そう笑顔で、二人を見る。
「――可愛くて、疲れを忘れるんだよね」
俺はその姿に――。
「お前は……」
俺は少し言葉を探してから――
「本当に、綺麗な心をしているな」
「……へえ?!」
また、顔が赤くなった。
「ま…また!からかって―!」
顔を赤らめながら言う。
「いや…本心だが?」
「へえ!?!」
さらに赤くなった。
(なんなんだ?)
俺は不思議そうに桜を見る。
「ねえ…それって」
桜が何か聞こうと、こちらを見ている。
「んんっ、ねえしゃん?」
ビクッと驚いたようにモモの方を見る。
「ど!…どうしたのかなー!」
慌てたようにモモの方を見る
「…ちゅかれた」
「そ!…そっかー!じゃあ!帰ろっか!」
「一人で大丈夫か?何なら俺も――」
「いいよ!いいよ!家近いから大丈夫!」
「――そ、そうか」
なぜか慌てたように断られた。
「じゃあ!今日はありがとね!」
そう言って、慌てたように帰っていった。
こうして、俺の二日の休日は終わった。
(……なんだか、妙な休日だった)
~桜サイド~
今日、妹と弟と一緒に公園に遊びに行くと――大牙くんがいた。
モモとツツジも少し遊んだら、大牙くんに懐いた。
大牙くんが子供嫌いじゃなくてよかった!
みんなで遊んで、ちょっとからかわれたけど――
楽しい一日だった。
ただ、最後の一言――
「綺麗な心をしているな」って……。
それって……そういう意味?
……いやいや!違うよね!
でも……。
またからかっただけだよね?
…そうだよね?
そう言いきれず、自分の顔を赤くするのだった。




