第72話 行きつくべき未来へ――
オカルト部で楓が話していた頃、ブラックは――
「――…あなたもですか」
拠点にて、デスピエロに呆れられていたのであった。
デスピエロとウルフマン、ブラックの三人で近況報告をしていた。
「ウルフマンもですけど、あなたもモテますね?」
ウルフマンとブラックに皮肉っぽく言うデスピエロ。
「言っときますけど、僕は脅されてそうなっただけです」
「…それ言うと俺もだな」
自分たちには非がないと言うウルフマンとブラック…。
「イチャイチャしてデートしたり、キスしたりしているあなたたち言われても説得力ないですよ」
「いや、あれは…」
「……」
デスピエロの言葉に二人は黙ってしまう。
しかも事実だから余計に言い返せない。
「まぁ、それはいいです」
呆れているが、話を進めるデスピエロ。
「ブラック君は、今回忙しかったみたいですね。お兄さんたちと色々あったみたいじゃないですか?」
デスピエロは組織経由でブラックがやっていたことを知っていた。
「まぁ…もともと姉(四天王)が起こした不祥事ですし…」
姉の起こした不祥事を解決しただけと言うが…そこまでの苦労はウルフマンもデスピエロもわかっている。
「本当にお疲れ様です」
「うん。本当に」
二人は同情を込めて、ブラックにその言葉を送った。
「ははは…」
ブラックは、苦い笑いをするしかなかった。
「しかし、あなたの兄たちが動くとは驚きました」
「どういうことだ?」
ブラックを含めその兄弟たちは、一番上の姉――レクス・リザード様の直属である。
「いくら姉の不始末をするためとはいえ、あの兄弟たちが動くとは…」
「何かあると?」
「どうなんでしょう…ブラック君?」
ブラックに兄弟たちが来た訳を聞く。
その答えは――
「どうなんでしょう…僕らが、姉の不始末を片付けたのは…十や二十……いや、百じゃ利きませんからね…」
――多すぎて、今回のことはそんなに珍しくないらしい…。
「……本当にお疲れ様です」
「ああ…本当に…」
もう同情の言葉しか出てこない二人であった。
「――とはいえ…立て続けに兄弟に会うのが多いのは気になるところですけどね…」
ブラックにとって…姉弟とは大切な家族ではあるが、仕事であまり会えない存在である。
「…これから何か起こると?」
「わかりません。周りが動いていることは事実です」
ブラックは、姉弟たちの動きが気になる。それくらい動きが活発である。
だから、これから何か起こるのではないかと…この時直感していた。
「もし何かあったら連絡をくれ、こちらとしても協力は惜しまない」
「ありがとうございます。隊長」
ウルフマンも何か直感したのか、ブラックと協力関係を築く。
「しかし、彼女はできるのに…魔法少女が見つからないとは…」
「「うっ!?」」
デスピエロに事実を言われ、苦虫を噛むような顔をする二人――
「同じ女性ではあるんですけどね」
「ぐうの音もでねえ…」
「同じく…」
言われっ放しだが、事実なので言い返さない二人。
「しかし、あなた達の彼女…個性的な人が多いですよね」
貶していた時とは打って変わって、なぜか彼女が褒められる。
「ウルフマンは、ピンク髪は姉君に認められたり、青髪の祖父と父親のスペックに驚かされ、黄色はドンに認められる人材……何ですかコレ…」
ウルフマンの彼女たちのスペックに驚かされる。
「ブラック君の方は、紫髪が能力と肝が凄すぎで、緑髪は忍者の末裔、オレンジは生物の知識と好奇心が異常に高い…中々濃いですね。胃もたれしそうです」
ブラックの彼女は、設定が濃すぎて胃もたれしそうになる。
二人の彼女たちが、他の同年代と比較しても頭一つ飛び出していることが資料で見てもわかる。
「この人たちが魔法少女と言われてもおかしくないですね」
「「……」」
そのデスピエロの言葉に――黙ってしまう二人。
「…そう考えたくはないですか?」
黙っている二人にデスピエロは言葉をかける。
「……できればな」
「同じく…」
二人は苦い顔をする。
家族や仲間以外でできた親しい者――
「やはり早めに見つけねばいけませんね」
「あなた達が裏切る前に…」
デスピエロにそう言われ――
「そうだな…」
「ええ…」
二人は静かに答える。
(…冗談で言ったつもりだったんですけどね)
まだ恋人になって間もないブラックでもこの様子――
――最悪の事態も想定しなければいけないと考えるデスピエロ。
「――お二人とも今後もよろしくお願いしますよ」
「ああ…」
「了解しました」
期待している…それ以上、デスピエロは踏み込まなかった。
「あと、デート頑張って下さい…ブラック君」
「…はい」
そうして今回の報告は終わり、映像の電源は切れる――
不確定な未来に向かって――
怪人も…魔法少女も…来るべき未来に進んでいる。




