第51話 デート準備と危機!!
昨日の報告で、デスピエロの為にも頑張らねばと決心したが――
今の状況を変える決定打が見つからないままである。
「……」
空を見ながら、そう考える。
「大牙さん?」
その隣でめぐみがいる。
デートの相談をしている最中だ。
「…悪い。考え事をしていた」
「私とのデートより重要なことで?」
「いやいやいや!?」
めぐみは、俺との初デートということもあり、少し敏感になっている。
「うふふ、冗談ですよ~」
(本当か?)
今の目は、そうは見えなかったが――
「なにか?」
「いや…別に…」
りんと同じくらい勘が鋭いから下手なことは考えられない。
「それでどこに行きます?」
そう…俺たちは、今どこに行くかを相談している。
「う~ん…」
りんとは水族館、桜とは遊園地に行った。
めぐみとは、どこに行けばいいだろうか?
「めぐみは行きたいところないのか?」
「そうですね~」
めぐみは、金持ちのお嬢様だから大抵のところには行けてしまう。
だから、どこに行くか困ってしまっている。
「――…特にはないですね~」
「そうか」
どうするかな…。
「大牙さんは行きたいところは?」
そう聞かれ、俺は――
「正直…最近、お前たちと行ければ、どこでもいいと思ってる」
あの時は、苦し紛れで水族館や遊園地と言ったが、今はそう思う。
「…それはずるいですよ…大牙さん」
プウっと顔を膨らませている。
こんな可愛いところを知ってしまった。
そのせいで、潜入任務が滞っているんだがな。
「……それじゃあ――」
俺は少し考え…。
「――…ピクニックに行くか?」
そう答えた。
「ピクニックですか?」
潜入してからの俺は、休みの日は散策や散歩になっていた。
だから、めぐみと一緒にそうするのも悪くないと思った。
「…ダメか?」
「…いいえ、行きましょう」
優しい笑みを浮かべ、めぐみは嬉しそうにしている。
「あなたとのんびりするのも悪くないですし」
「…ありがとう」
俺は感謝の言葉を言い、彼女とデート場所を決める。
「お食事はこちらにお任せください」
「わかった」
(そういえば、めぐみの弁当は食ったことなかったな)
高級そうで食い辛らかったからな。
(まぁ、そんなのは二の次だけどな…)
めぐみとのデートを楽しむ。
それが今回の目的だ。
「ああ、あと…」
「?」
「大牙さんの家に迎えに行きますから~」
俺はその言葉に少し戦慄した。
「…なんで知ってるんだ?」
教えた覚えないんだが…。
「秘密で~す」
「……」
――本当に…
三人の中で、めぐみが一番厄介かもな。
そう確信せざるを得なかった。
「……めぐみ」
「なんですか?」
「…お前が俺の彼女でよかったよ」
「なんですか?急に?」
本心を言っただけなんだが――
「ただの本心だよ」
「ふ~ん…」
なぜか変な目で見られている。
「信用できないか?」
「いいえ」
めぐみは俺の傍まで来て――
優しく抱きしめる。
「さすが私の――思い人です」
「……」
俺もまた彼女を抱きしめ、幸せを嚙み締めた。
「あのー…」
「大牙くん?めぐみちゃん?」
近くから声が聞こえる。
「私たちをのけ者にして…」
「イチャつかないでくれる?」
抱きしめあってる俺たちに桜とりんがそう言う。
「あらら~…」
「すまん…」
そうして、俺とめぐみのデート計画は終わる。
~めぐみサイド~
「――お帰りなさいませ。お嬢様」
執事姿の女性が屋敷の扉の前で立ち、めぐみを迎える。
「ただいま~、萩原」
彼女の名前は「萩原」。
邑楽家に使える執事である。
「今日はご機嫌ですね?」
「あら~わかる~?」
白々しく、笑みで答えるめぐみ。
「ええ、お嬢様のお顔が良い笑顔をしていますので…」
「うふふ~そうなんです~」
今日は、大河と初デートの計画を立て、しかも――
『お前が彼女でよかった』と言われ、嬉しさがルンルンなのである。
「萩原、彼とピクニックに行くことになりましたから用意していて下さいね~」
「かしこまりました」
「ああ、でも――」
萩原にデートの準備をしてもらおうとしたが――
「お弁当は私が作りますから~」
「……………え?」
その言葉に萩原は、素っ頓狂な声を出してしまう。
「あの…お嬢様…」
「なんですか~?」
「…ご冗談ですよね?」
彼女は、目の前にいるニコニコと笑みを浮かべる主人に問う。
「いえ~本気ですよ~」
「やめてください」
真剣な顔でそう言った。
「え~なんでですか~?」
「死人を出さないためです」
主人に対して大変失礼な発言だが、彼女はその発言を許されており――
――彼女の料理を食べた経験者だからである。
「あの時より上手になってますよ~!」
そう主人は言っているが――
「あなたの料理は、数年でどうにかなるレベルではありません」
冷静に淡々とそう言う萩原。
しかし、内心は凄く焦っている。
「大丈夫ですよ~大牙さんなら食べてくれます~」
「一口食べて、あの世行きになりますよ?」
どれだけ恐ろしいのか、よく知っているから――。
「大丈夫です~それに~――」
ニコニコしながら――
「これくらい食べてもらわないと~」
されど真剣な表情で――
「私の‘‘婿‘‘になんてなれませんから」
「っ…――!!」
萩原は、その表情にめぐみの…主人の本気がわかる。
――わかってしまった。
「……わかりました」
彼女の本気に自分が手出しできないと感じ、彼女のやることを認めた。
(大牙様……どうかご無事で…)
大牙の身を案じながら――。




