第46話 問題発生
ファンクラブに追われ、疲れ切っている俺に――
ブラック・リザードが、転校初日で問題発生の追い打ち。
「……何があったんだ?」
報告してくれてるのは、デスピエロ。
「予想外なこと……と言っていいのか」
本当に何があったんだ?
「彼が悪いのも一つ、周りが悪いのも一つ……ですかね」
「?」
(どういうことだ?)
デスピエロの言葉に、俺は頭を傾げる。
「……つまり――」
話をまとめると――
ブラックが入った『金剛学園』は、‘‘不良‘‘がいたらしい。
それに調査中にイジメているところを見てしまい――
――絡まれてしまう。
その不良に対して、地雷を踏んでしまい。
殴られるが――
ブラックには効かず――
その返しで、戦闘不能にする。
相手も無傷のままなのは良かったが――
またも地雷を踏み、回復した不良が仲間を呼び、報復しようとする。
しかし――
また、全員戦闘不能にした。
もちろん、相手全員無傷で――
お互い怪我もなく、終わったので学校側はお咎めなしとなったらしい――
ただし、そのせいで学校のやつらから恐れられた――と…。
「………」
どこから突っ込んだものかと悩む俺。
「まあ……気持ちはわかります」
そう口を開くデスピエロ。
「こちらも学園の情報は、彼に伝えていたんですが…」
あっちから絡んでくるとは、予想外だった。
「教育者が『やられたらやり返す』と学ばせたのと…」
その教育者は、確実にあの人だよなー。
俺とデスピエロは、一人の狂戦士が思い浮かぶ。
「彼の天然とも言うべき、地雷を踏みぬく言葉のせいで…こうなったと言うべきですかね…」
「そう……だな」
ブラックのことを知らなかったこともあるが――
環境のせいでもあるらしい……。
「――それでどうする?」
今回の件は、生徒たちにもそうだが――
魔法少女たちに警戒されているかもしれない。
俺たち二人は、事の進退をどうするか相談する。
少しの沈黙の中――
「……もう少し様子を見てもいいかと思います」
デスピエロは、そう口を開く。
「なぜだ?」
デスピエロは慎重なやつだ。
だからこそ、撤退を考えるべきだと言うと思っていた。
「確かに警戒はされましたが、それは魔法少女たちの方から彼のもとに来てくれるとも取れます」
「!」
確かに、あいつの強さは人間レベルじゃあり得ないところにある。
そこを怪しんだ魔法少女たちが、あいつを人気のないところに呼び、囲んで尋問するか、倒そうとするかもしれない。
「――…危険すぎるんじゃないか?」
一歩間違えれば、ブラックがやられてしまう。
そんな危険を孕んでいる。
「ええ、その通りです……しかし――」
デスピエロは、何かを言うのを途中でやめてしまう。
「どうした?」
「……はっきりとはわかっていませんが…」
「ブラック君は…下級怪人の頃に……」
「上級怪人、複数人を相手にして殺しかけたそうです」
「!?」
(なんだと!?)
ウルフマンは戦慄していた。
下級怪人と上級怪人、この階級差は実力で決まる。
コレは、訓練すれば変わるし、試験を受ければ上がることは可能だ。
しかし、四天王の血を引いてると言っても、階級は正確に決められている。
階級を上げると言っても早くて1年くらいかかる。
俺でもそれくらいかかった。
だから、当時下級怪人のブラックは相手にはならない…はずだ。
それも複数人の上級怪人を…だ。
「――…本当なのか?」
そのあり得ない情報に俺は、デスピエロに聞き返す。
「…この情報は、レクス・リザード様が言っていたそうです」
その情報が確かなら…今のブラックの実力は――
計り知れないものだ。
「…ただ」
「ん?」
「レクス・リザード様が酔っ払っている状態で…です」
俺は、その場でズッコケた。
酔っぱらいの言葉…四天王だとしても……。
「…信憑性は……低いかもな」
そう言うしかない
「――…じゃあ、撤退するか?」
信憑性が低い状態で、魔法少女たちを相手するのは危険すぎる。
(あいつはこれから強くなる可能性を秘めている)
だからこそあいつを失うのは痛い。
「ええ、そうした方が賢明なのはわかっています…」
デスピエロもその意見に賛成している。
「しかし…」
だが…デスピエロは――
「レクス・リザード様がこんなことも言っていたそうです」
その言葉とは――
『あいつは私より強くなるぞ!』
そう言っていたらしい――
「あの方は、戦闘に嘘はつかない…」
デスピエロのその言葉に俺は――
「――…わかった。やってみよう」
その言葉を言い放っていた。




