第42話 決闘!!
ガッ―――!!
ぶつかる木刀――
パワーの違いがわかる!
爺さんの時もそうだけど――
人間状態だけど…怪人なのに――
ココの家の人間――
「……!」
(普通じゃねえーーーー!!!)
バッ――
お互い、一度引く。
そして――
ガガガガガガガガガガガガ――!!!
お互い、力の限り打ち込む!
一撃一撃が重い!
こっちは目が良いおかげか、ついてこれてる。
ガガガガガガガガガガガガガガガ――!!!
だが、相手はこっちの急所を狙いながら打ってきやがる!
一度でも外したら――
――ヤられる!!
ガガガガガガガガガガガガガガガガガ――!!!
――何時間?
いや、実際は‘‘分‘‘しか経ってない。
「ッ…!!」
それくらい――
そう、それくらいに続けている。
(…体力が段違いだ)
体力は人間時でも余裕でオリンピックに出場できる。
だけど、泰三さんも体力はあるが……
それより体力の使い方が上手すぎる!
無駄な動きが全くないせいで、消耗を抑えている!
俺の方は――
「…ハァ……ハァ……」
戦闘の素人ではないはずなんだが――
(…くそ!)
相手が巧み過ぎて、消耗が半端ない!
(このままじゃ……)
そう、このままじゃ負ける。
バッ―――
俺はいったん退く。
しかし、泰三は追ってくる。
(――餌に…)
(…かかった!!)
「!?」
俺の目で、罠だとわかった泰三。
俺は急停止し、勢いよく向かってくる泰三に剣先を出す!!
ガッ――
しかし、それは――
ギリギリで弾かれてしまう。
剣を飛ばされる俺――。
(――ここだ!!)
――俺は拳を握りしめる!!
(爺さん…あんたが言ってたんだぜ?)
この勝負は――
(剣道のルールじゃねえ!!)
バッ―――!!
泰三の顔面向けて、拳を刺す!!
結果は――
「――…見事だ…大牙くん」
顔を掠めた程度だった。
俺の顔の横には、泰三の剣がある。
(くそっ…剣を捨てても届かなかった……)
「ははは!面白かったぞ小僧!!」
――見物していたジジイは、満足そうだ。
「父さん…あまりからかうものじゃないよ」
「何を言う!お主もほぼ本気じゃったろう?」
「……」
爺さんの言葉に黙ってしまう泰三さん。
(――ほぼ本気出してくれた……か)
満足はできねえなと思う。
しかし、どうしてか……悪くはない。
人間状態で全力を出したからかな?
「もう、十分じゃろ?」
「まあ…はい」
(……十分?)
「おい!小僧!」
「?」
「お主を今日から……」
「…りんの婿として認めてやる!」
「――…はっ?」
ちょっと待て、何って言った?
「ジジイ…ついにボケたか?」
「ボケとらんわ!」
「……俺、まだ中学生なんだが?」
「早いほうが良いじゃろ?」
そういう問題か?
「りんは?」
「あの子はお前にべた惚れじゃ!」
確かにそうだけども…さすがに抵抗があるわ。
「何か、不満でもあるのか?」
爺さんのその言葉を放つと――
「大牙くん?」
こちらを見ている泰三さんの目、威圧感があって怖い。
「違います!違います!!」
俺は全力で否定する。
「俺は……りんが好きですよ!でも…」
……俺は怪人だ。
魔法少女を見つけることが任務だ。
それは――
りんがまだ敵かもしれないと思っていると言うことだ。
組織には、世話になった人もいれば、俺の姉さんもいる。
そして、それは裏切れないものだ。
これからどっちに転ぶかわからない。
そうなったら…りんは――
(あいつの泣き顔だけは……見たくない)
「でも?」
「……これから…どうなるかわからないんです」
だから、今は何も決められない。
「…訳アリのようじゃな」
「すまないな…爺さん」
俺の表情から爺さんは汲み取ってくれた。
「じゃが、‘‘候補‘‘くらいにはなってもらうぞ?」
諦めてはなかったが…。
「大牙くん」
「!」
泰三さんが、俺の方へ口を開く。
「……娘を頼むよ」
その言葉を約束することはできない。
だが、俺がここにいる間は、りんを…あいつらを…守る。
「……はい」
それくらい、あいつも…あいつらが大事になっちまった。
「……大牙」
俺は家に泊まるといことで、個室をもらった。
りんの家は、広いから個室がいくつもあるのだ。
そうなると…めぐみの次に金持ちかもな…りん。
「――…大牙、今いい?」
「!」
(この声は……)
俺は扉を開け、そこにいた声の主は――
「りん…どうしたこんな夜中に?」
――りんだ。
「…入っていい?」
そう言うりんは、何か悩んでいる顔をしている。
俺は、りんを部屋に入れ、座る。
「…それで、どうした?」
「あんた…」
「…私と結婚したくないの」
「!?」
こいつ、あの話聞いてたのか。
「…お前も爺さんも気が早いな」
「誤魔化さないで…」
――これは、どう言ったものか。
「これから…俺とお前がどうなるかわからない」
とりあえず、素直な言葉とそれなりの理由を混ぜて話すことにしよう。
「急に…お前が俺を嫌いになって――」
「――ならない!」
「!!」
「あなたを嫌いになんてならない!!」
真っ直ぐそう言われ、俺は少し黙ってしまう。
「……わからないだろ…そんなこと」
「絶対ならない!」
そう言い切るりん。
俺は、こいつが嫌いになる理由がある。
「――俺が……」
そう…俺は――。
「…怪物だったとしてもか?」
俺は、かいじ……
「ならない!絶対に!」
「!!?」
即答された。
「あなたがどんな姿で、どんな化け物でもあなたが、あなたであることは変わらない!だから――」
りんは俺の顔を掴み――
「私と結婚しなさい!!」
――そう言った。
「……ぷっ――」
「あっはははははははははは――!!」
「ちょっと、こっちは真面目に…!」
ガッ――
「ん…!?」
――俺は嬉しい。
りんが、そう答えてくれたことに――。
俺が怪人とは知らずとも受け入れてくれると言ってくれたことに――
俺は、その嬉しさを表現するために彼女の唇を埋めるのであった。
「――…っぷは…」
――数十分くらいしてただろうか。
「あの時の続きだ!」
「~~~」
りんの顔が赤くなる。
「今はコレで許してくれ!」
俺ができるめいいっぱいの笑顔をした。
「~~~…ずるいわよ」
「へへへ…すまん!」
りんを抱きしめ――。
(まいったな。俺が手放せなくなるぞ…コレは)
嬉しさと笑顔が止まらなくなる。
「…そろそろ、戻りたいんだけど?」
そう言ったりんに対して、俺は――
「ダメだ」
そう言う。
「何でよ?」
「お前はここで、俺と一緒に寝ろ」
「!?」
今日は、りんを離せそうにない。
「ダメに決まってるでしょ!お爺ちゃんやお父さんにバレたら…」
ココから離れようとするりんに対して――
「婿になるんだから良いんじゃねえか?」
俺が、そう言うとりんは――
「~~~!!!」
真っ赤になり、大人しくなる。
俺とりんは、一晩同じ部屋で寝ることになった。




