表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
41/55

第41話 食事

 りんの家で、いちゃついていたら、父親登場。

 うん、色々終わった――。


「あ…あの、初めまして、王守大牙です」


 突然現れた父親に驚いたが、とりあえず挨拶をする。


「娘から聞いているよ。初めまして――」


 りんの父親からも挨拶を受け、手を差し出される。


 俺はその手を握る。そして――


「――りんの父、清水しみず 泰三たいぞうだ」


 ニコやな表情とは別に、異様な威圧感が出ていた。


「!?」


 手を握ってわかった。骨太で強い、鍛えられた手。

 りんの爺さんと同じか、それ以上の鍛え方をしてやがる。


「……ふむ」


 何かを試すかのように手を握るりんの父親「泰三」。


「…娘が恋人に選んだだけはあるようだね」

「…どうも」


 泰三の言葉に俺は固まる。人間状態の俺が敵うか、どうかだ。

 それくらいヤバい。


「君も中々鍛えているようだね?」

「……」


 試されているのが、丸わかりだ。


「…あなたに比べたら、全然ですけどね」


 そう返すしかなかった。


(人間にもこんな奴がいるんだな)


 魔法少女より厄介そうな人間を見たのは、爺さん以外で初めてだ。


「はは、すまないね。つい試したくなってね」


(おうふ……)


 少し俺はビビっている。怪人の俺がだ。


(…この人だけは、敵に回さないでおこう)


「それでお父さんは何のよう?」


 りんは父親に要件を聞く。


「そろそろお昼だから呼びに来たんだよ」


 そう言えば、りんが気絶して介抱してから気付かなかった。

 もう、そんな時間か。


「大牙くんも一緒にどうだい?」


 食事にお呼ばれされる。

 もともと一日りんと一緒にいるつもりだったから――


「では、お言葉に甘えて…」

「わかった」


 俺は、りん一家と食事をすることになる。




「雪、連れて来たよ」

「ありがとう。あなた」


りんのお母さんと婆さんが、食事の準備をしてくれていた。


「おお!来たか!」


 そこには爺さんもいた。


「どうだ二人きりになれて楽しめたか?小僧?」


 ニヤニヤしながらそう言う。クソ爺。


(今はやめて欲しい)


「ふふ…お熱かったわよー。キスしようとしていました」


(本当にやめて、婆さん!!)


「~~~」


 わー!?りんがまた赤くなってる!!


「あらあら…!」


 なんか婆さんと楽しそうに見てる雪さん。


「……」


(はっ!!?)


 後ろから異様な気配!!


「……」


「………」


「…………」


「…あのー…何か言って頂けませんか……泰三…さん?」


 黙ってこっち見るだけだから怖い!!


「……お義父さんでもいいよ…?」


(何!?認められてんの?!!)


「ただし、娘はタダではやれないがね…」


(どっち!!?)


「――さて…そろそろ飯にしようかの?」


(ジジイ!!!)


 元はと言えば、あんたのせいだろーが!!

 そんな異様な空気になりながらも――食事の席に着く。


「「「「「「いただきます」」」」」」


 りん一家と食事の挨拶をし、共にする。


 和食の焼き魚や卵焼き、洋食のハンバーグなど、何品かの総菜――

 前来た時も思ったが、相変わらず、美味しそうだ。


「大牙ちゃん、美味しい?」


 婆さんがそう聞いてきた。俺の答えは決まっている。


「はい、相変わらずおいしいです」

「ふふ、ありがとう」


 嬉しそうにそう口を開く婆さん。


「この日のために少し張り切り過ぎちゃった」

「ありがとうございます」

「晩御飯も食べるでしょ?」

「ああー…」


(どうするかな…)


 明日、待ち合わせ場所に行かなければいけないんだが――。


「――…いいんじゃない…」

「え?」

「遠慮しなくていいわよ!食べていきなさい!そして、泊っていきなさい!」

「え、あ、あの…」


 いつの間にか、泊ることになってる。


「それじゃあ、雪さん作っときましょう!」

「はい」


(……マジかよ)


 ――押し切られてしまった。

 俺は、不意に泰三さんの方を見る。


「…構わないよ」


 ――そう笑顔で言われる。


「――じゃあ…お願いします」


 ココからでも間に合うしな。


「大牙くん」

「あ、はい」


 そう決まった時に泰三さんに声をかけられる。


「…食事の後、運動でもどうかな?」


(……詰められるかな?)


 食事を終え、道場にいる。

 目の前には、胴着を着ている泰三さん…それと俺も。

 それをニヤニヤと笑うジジイ。


「軽い運動の様なものだ。緊張しなくていい」

「……はい」

「かましてやれー小僧!」


(他人事だと思って…このジジイ!)


 木刀持ってる泰三さんと俺。


 泰三さんは、笑っているが――


 目が全然笑ってない。


 これから稽古?いや――


 稽古って言うか、決闘だな。


 娘を貰うために男は父親と戦うというが…。


(今が、まさにそれだな……)


「……」


 覚悟は決めよう…。

 というか、今決めた…。


「…よろしくお願いします」

「ああ…」


 お互い構える。

 空気が重い、爺さんの時とは全く違う。

 あの時は、ただの‘‘遊び‘‘だった。


 今回は――


「…行くよ」

「はい…」


 バッ――


 お互いの声が開始の合図だった。


 ガッ――


 ――「戦争」の。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ