第29話 新しい魔法少女と――
四天王・レクス・リザード様VS魔法少女トリニティ・ブーケとの闘い。
リザード様は魔法少女たちに攻撃させるが――
その攻撃も意味もなく。防がれる。
気に入ったリザード様は、魔法少女たちに組織への勧誘を申し入れる。
しかし、全員拒絶し、魔法少女たちは殺されるはずだった――
(なんだあれは?!)
ウルフマンは驚愕していた。
とどめ刺そうとしたリザード様が――
突如現れた緑・紫・オレンジの光がリザード様を拘束し――
それを機に魔法少女たちは最後の攻撃を仕掛け――意識を失った。
それを抱える三人の少女――
(――まさか!!……新しい魔法少女!!!)
そう直感した。
あんな力が使えるのは、魔法少女だけだ。
(だが…しかし――)
今のところ確認されていた魔法少女はトリニティ・ブーケだけ――
それ以外は確認どころか、接敵もしていない。
(新しく出来たのか?それとも隠れていたのか?)
どちらにしろ、我々組織にとっては最悪だ。
(どうする?)
リザード様の手助けをするか――
一人でやると言っていたが――さすがにコレは。
そう考えていると――
「お前ら…なんだ?」
魔法少女たちの攻撃を受けたリザード様が口を開く。
「私たちは――」
魔法少女の一人が口を開く。
「宝石の輝きを持つ魔法少女――」
その時――光が現れる。
「自然の輝き!希望の光!――プリズム・エメラルド」
「知恵と真実の輝き!――プリズム・アメジスト」
「情熱の輝き!止められない!――プリズム・アンバー」
個別にそう名乗る。
「輝き集めて、未来を守る!――プリズム・ジュエル!!!」
プリズム・ジュエル――それが奴らの名か。
「――へえー…そうか」
リザード様はそれを聞き――
「で?…次は、お前らがヤるのか?」
そう言って威圧をかけるリザード様――魔法少女たちは
「――そうしてもいいんだけど」
「今回は先輩たちを助けるのが目的――」
「ってことでー!」
魔法少女が言い終えると、閃光のような光が出て、目が眩む。
「「「逃げる!!!」」」
逃走した――
その声が聞こえ、まだ匂いが残っている内に俺は追う。
「待てい!魔法少女!!」
俺はオオカミ、鼻が使えれば追える!
「誰か追ってくるよ!」
魔法少女の一人が気づく。
「うそ!?」
「目を潰したのに――どうして?」
追手が来て慌てる魔法少女――
(鼻が利くうちに目も治れば、奴らを追うのは容易い)
それまでに見失ったら、俺の負けだけどな。
「どうやら、相手は犬?――いえ、オオカミです!」
一人がどうやら気づいたらしい――
「ワンちゃんなの?!」
(誰がワン公だ!!!)
「アンバー!ふざけてる場合じゃないでしょ!」
追われているはずの魔法少女たちはコントの様な事をしている――
(――もう少しで追い付く!)
撤退している魔法少女たちに追いつく距離まで来た。
その時――
ピカ――!!!
「――っ!!?」
ビシャーーーン!!!
雷が落ちる。
俺は間一髪躱し、直撃を防ぐ。
「何だ!?」
――空から気配を感じる。
(――この気配、どこかで?)
俺は匂いではなく――気配に覚えがあった。
(そうだ!この気配!!!)
魔法少女との初戦闘の時に現れた!――
グオオオォォォォォーーーーーー!!!
雄叫びが聞こえる――。
何か巨大な生物の声――。
そして、この気配――。
俺は視力が回復し、ゆっくり目を開く――。
そこにいたのは――。
鰐の様な口。
鹿の角。
ナマズの様なひげ。
蛇のように長い体。
鯉のような鱗――
その鱗は輝く緑と青の光沢がある。
「こいつは――」
そう――目の前にいるのは「龍」
――神獣だ。
親代わりであり、四天王ドン・ハシビロ様に聞いたことがある――
我らが王フールキングは、神獣たちと戦い――敗北した。
神獣は人間たちと力を合わせ――フールキングを封印し、別世界へと追放した。
俺たちの祖先を含めて――
その力を合わせた人間たちが――魔法少女の原点だ。
その力を与えた神獣の一匹が――目の前にいる。
(――さて…どうする?)
予想外の相手に俺は戦慄していた。
魔法少女を追いたいが――
(目の前の相手が許してくれねぇよな――)
神獣はこちらを睨みつけ、行かせまいとしている。
(逃がしてもくれそうもないがな――)
俺は覚悟を決め、臨戦態勢に入る。
「アオーーーーーン!!!」
神獣に対し、精一杯の雄叫びを上げる。
その瞬間――雷が雨のように降る。
俺は躱しつつ、地面を蹴り、地を割る。
それでできた岩や木を投げ、攻撃を仕掛ける。
その攻撃も雷で防がれる。
(やはり、ダメか!)
神獣に攻撃が防がれ、俺は直接攻撃しかないと考える。
ものを投げつつ、機を伺う。
何度目かわからない攻撃をする。
もちろん、雷で防がれるが――
(想定通りだ!)
その防がれたものに隠れ、竜に近づく――
「オッラーーーーーー!!!」
渾身の攻撃を神獣にお見舞いした。
しかし――
「っ!!?――」
(キズ一つなしかよ?!)
渾身の一撃でさえ、神獣の鱗にはヒビ一つ入らなかった――
その瞬間――
ドゴーーーン!!!
俺の身体に強力な衝撃と電流が走る。
(――やべえ……!)
その攻撃に意識を持っていかれそうになる。
地面に落ちても――まだ意識はあった。
(――早く立たなければ!!)
立ち上がろうとするが、体が痙攣し、うまく動かない。
その瞬間――
ドゴーーーン!!!
また雷が落ちる――
(――や…ば……い!!!)
このままでは死ぬ。
そう思う俺はどうにかしようと頭を巡らす。
ドゴーーーーン!!!
だが、容赦なく雷が降り、意識は刈り取られる一方だった。
(――わ…るい…みん…な)
俺は死を覚悟し、世話になった全ての者たちに感謝し――
(……姉ちゃん…ドン……デスピエロ………そして――)
最後に屋上で待つ三人の笑顔を思い出す――
(めぐみ……りん……桜………悪い…)
俺は意識が薄れる中――見たものは
三人の泣き顔だった。
その瞬間――
「アオオオオオオォォォォォォーーーーーーーン!!!」
神獣「龍」は見た。
まさに絶命寸前の怪人が雄叫びを上げた。
その怪人の姿を――
まるで月のような――
白金のような毛並になった姿を――
体躯は変わらないはずなのに――
まるで――エネルギーの塊だ。
(――なんだこいつは?)
龍は驚愕していた――
自分の攻撃を受け、立ってきた怪人など――数えるほどしかいない。
こんな変身を遂げた怪人は、初めて見る!
その瞬間――
バゴーーーーン!!!
「――ガッ!!!」
眼を放していないはずだった怪人に――
一瞬に間合いに近づかれ、顔面を攻撃された。
その衝撃は先ほどの一撃とは――桁が違った!!!
バゴゴゴゴゴゴゴ――ゴッッッ!!!
「――グガ…!!!」
そのまま連続で攻撃され、顔面から血が出る。
(何が起きたかはわからないが――)
「オオォォォーーーン!!!」
(この敵は倒さねばならぬ!!!)
グオオオォォォォォーーーーーー!!!
龍は雄叫びを上げ、近づく敵をひるませ――
ガシッ――
それを掴み、地面に投げつける!
ブン――
バゴーーーーン!!!
そのまま、尾を振り下ろし、何度も叩きつける。
その怪人の命が尽きるまで――
「――ハァ…ハァ…ハァ…」
尾を振り続け、その衝撃で地形が変形する。
「――やったか?」
そう口を開く――。
ビュン!!!――
穴から何か出てくる!
「アオーーーーン!!!」
「――まだ来るか!」
バゴーーーーン!!!
まだ近づく怪人に雷を落とす。
それでも――
「アオーーーーン!!!」
狂ったかのように攻撃を仕掛け続ける――。
龍は、その度に雷や尾、さらには牙で応戦する
応戦する度に怪人の攻撃も入るようになり――
龍の傷は増えっていった。
何度目か、わからぬ応戦の繰り返しでその怪人は動かなくなる――。
「――ハァ…ハァ…ハァ…やっと倒れたか!」
終わった時には、龍の傷は数百にもなっていた。
(なんだったんだ…コイツは?)
この怪人の正体に興味があったが――
(いや…今はコイツを!)
この敵を倒さなければ、後々まずいことになると――龍は感じていた。
ゴオォォォォォーーーー!!!
龍の口に何か集まっていく。
それは大きな玉になっていく。
「――これで終わりだ!!!」
ビガッ!!!
光、放出される。
ドゴオォォォォォーーーーーーン!!!
龍の光は、大きな穴を開ける。
その光で怪人は終わるはずだった――
「おいおい!」
「――ッ!!!」
龍は、声が聞こえる方に目を向ける。
「――貴様は!?」
そこに現れたには――
「――私か?」
紅い鱗に、好戦的な笑み、狂竜と恐れられる、最高幹部――
「四天王の一人!レクス・リザードだ!!」
龍と竜の戦闘が始まる――!!!




