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第28話 レクス・リザード2

 三つの光が迫る。

 


 ――魔法少女たちだ。



(魔法少女!!!)


「――レクス・リザード様!」


 俺は彼女に声をかける。


「…ああ、わかってるよ」


 その好戦的にニヤつく顔と目は、魔法少女に向けていた。


「では私は――」

「ああ、わかった」


 そう言われ、俺はどこで見ることにする。

 彼女の邪魔にならないように――


 三つの光が重なり、光が広がり、空間が変わる。


 魔法少女三人の口上が始まる。


「花咲く想いブロッサム・ハート!!!」

「澄み渡る蒼アクア・セレナ!!!」

「優しき光グレイス・ルミナ!!!」


 久しぶりに見たその光は――前より強くなっていた。


「三つの想いを花束に!!!トリニティ・ブーケ!!!」


 魔法少女が現れた――


 レクス・リザードは――


「――ふ~ん」


 彼女の目に写る魔法少女は――



「…コレがねえ」



 それを初めて見た感想は――


 戦いになるか――



「……はあ~~」



 深いため息。


「っ!?」


 いや遊びになるかわからない――退屈する相手だったらしい。


「あなたは誰!?」


 ブロッサムが口を開き、誰かと問う。



「――まぁ…名乗ってやるくらいはいいか」



 ギラつく目で彼女は、魔法少女を見る。



「エル・ノト最高幹部四天王の一人――」



 退屈な声では名乗るが――威圧は本物だった。



「暴君女王――レクス・リザードだ」



 魔法少女たちの緊張感が上がる!


「四天王!?」


 目の前にいる怪人に――

 三人はこれまでの怪人とは違うとわかる!


 しかし、彼女たちは――


「いくよ!二人とも!」


 その威圧に飲み込まれそうになるが、ブロッサムの一言で――


「ええ!行きましょう!」

「そうですね!」


 アクアとグレイスは戦意を取り戻す。 

 彼女たちはリザードに向かっていく。


「――あーちょっと待て……」


 リザードは、戦おうとする魔法少女たちに声をかける。


「――1分……1分やる」


「「「……?」」」


「それまでに好きに攻撃してこい」


「!!?」


 そう言われた魔法少女たちは驚愕と困惑の顔を見せる。


「…どういうこと?」


 アクアはリザードに問う。


「――別に大した意味はない」


 そう言う彼女の顔は退屈そのものであり――


「…ただお前らにチャンスをやるって言ってるんだ」


「チャンス?」


 そして、その言葉には――


「――お前らが人生最後に出す攻撃を1分間当たってやるってことだ」

「「「っ!!?」」」


 その言葉に嘘偽りはなく。


「だから――」


 それは――確固たる自信から来てるものだった。


「――さっさと来い」


 手招きをするリザードに――嘘はない


 そう確信するほどの威圧と自信があった。


 三人はお互いを見る――


「……後悔しないでよね!」


 そう言って、ブロッサムが先陣を切る。

 ブロッサムの槍の穂先の形状が細くなる。

 その周りに三つのリングが出現する。


「トライリング・スピア!!!」


 ブロッサムがそう叫び、リザードに触れた瞬間――


 ドゴーーーン!!!


 凄まじい衝撃波と共に、リザードは吹き飛ぶ。

 つかさずアクアが――剣を振り下ろす。

 しかし、その剣の形状は――まるで小さな渦が形を成したような姿。


「タイダルカッター!!!」


 触れた瞬間――


 ギギギギギギ!!!――


 斬るというより――削るような音だった。


「――っ!?」


 リザードの顔は少し驚いているようだ。


 ――斬られはしなかったが地面に叩きつけられる。


「お二人とも!離れて!」


 それと同時に――上空からグレイスの声がする。

 そこには、彼女の攻撃が始まろうとしている。

 盾に使っている結界をレンズ代わりにして、太陽の光を集めている。

 巨大ではないが一点に集中し、玉となって集まっている。


「ジャッジメントレイ!!!」


 それを――リザードに向け、解き放つ!


 ジュゥゥゥーーー!!!


 まるで焼けるような音がし、焦げたにおいもした。


 次の瞬間――


 ドカーーーン!!!


 爆発する。




「みなさん!!!」


 放った後――二人に声をかける。


「うん!!!」

「ええ!!!」


 三人は集まり、ブロッサムの槍が杖に形状変化し、力を集中する

 その三つの力が集まり、形は花束のブーケのようになる。

 それを掲げ、まるで願うように――三人は言う。



「「「三つの想いを一つに――」」」



 ブロッサムは、それをリザードの方へ向ける。



 「「「――フラワー・オブ・トリニティ!!!」」」



 花束から光が出る。



 それはまるで――天からさす浄化の光のような光景だった。



 ドカーーーン!!!

 


「はぁ…はぁ…」


 魔法少女が合体技を放ち――


「…はぁ…どう?…はぁ」

「……やりました?」


 三人は全身全霊の力を込めた。


 土煙だけが、その場に広がる。


 リザードは――


「――ああーー痛っっってー」


「なっ…!!?」

「……そんな」

「あらあら……」


 そう言って出てきたリザードに魔法少女たちは絶句する。


「はは…お前ら…」


 リザードは無傷ではないが――大したダメージはなかった。


「なかなかよかったよ」


 ジャリンジャリン――


 何かの音が聞こえる――


 鱗が音を再生しているのだ。


 リザードの身体はどんどん再生している――



「私じゃなけりゃ、上級でもやばかったな」


 

~ウルフマン~

 魔法少女たちは弱くなかった――いや。


(俺と戦った時より強くなってた)


 そう――強くなっていた。


(俺が相手でも――やばかったろうな)


 ウルフマン自身がそう思うほど、強くなった魔法少女――


 だが――


 不幸なことに相手は、四天王――

 

 レクス・リザード様だ。


(1分やると言った時はどうなるかと思ったが――)


 リザード様の戦いは初めて見るから、不安だったが――


(杞憂だったな――)



 

~戦いの場~

 魔法少女たちは戦慄していた。

 ウルフマンに敗北し、特訓を重ねて得た技を――


「いやーーさすがに痛かったぞ」


 「痛い」で済ます――


「攻撃の威力も連携も悪くなかったし――」


 四天王の強さに戦慄していた。


「――本当に悪くなかったぞ?」


 三人がつけたはずの傷は、治っていき――


「私の回復能力とフィジカルがなけりゃ、マズかったけどな!」


 笑ってそう言う四天王に――


「――しかし、鱗までやられるとはなー……」


 驚愕している。


「――さて…」

「「「っ…!?」」」


 リザードの纏う空気が変わる。


「次はあたしの番だ――」


 次の瞬間――リザードは消える。


 残像しか残らない異次元の速さに驚く暇はない。


「――はっ!」


 それと同時にグレイスが結界を張る。


 しかし――


 パリーーーン!!!


 結界が破壊され――


 バゴ―――ン!!!


 ――グレイスが吹き飛ばされる。


「――っ!!!」

「――はぁ!!!」


 それと同時にブロッサムとアクアは攻撃する。


「…ん?」


 リザードは動こうとするが――


「――へぇ?」


 グレイスが吹き飛ばされる一瞬――結界で身動きを封じていたのだ。

 槍と剣が、リザードの左右同時にくる!


「…いいねぇ」


 リザードは笑みを見せ――


 ガキーーーン!!!


 その両腕で受け、防ぐ!


「お前ら――本当に悪くないな」


 バキン!!!


 身動き封じていた結界を砕く――そして。


 ブゥン!!!


 リザードは尾を振り、ブロッサムとアクアに攻撃する。


「「っ!!!」」


 ドゴーーーン!!!


 辛うじて槍と剣で防いだが――その凄まじい尾の攻撃に吹き飛ばされる。


「ははは!!!本当に悪くないな!!!お前ら!!!」


 狂気染みた笑いで、魔法少女たちに賞賛を送る。


「このまま殺すには――惜しいな」


 魔法少女たちが満身創痍の中、リザードの前に現れる。

 まだ、魔法少女たちに声をかける。


「――お前ら」


 リザードは一つの考えが浮かぶ。 


 その考えとは――


「お前ら…ウチに入らないか?」



「「「っ…!!!」」」



「……どういうつもり?」


 アクアがリザードの真意を探る。


「――別に大した意味はない」


 そう口を開き、話す。


「お前らが気に入ったから勧誘してんだ」


 リザードの勧誘は気に入った相手にしかしない。

 それ以上でもそれ以下でもない。 


「つまらない問答はいい」


 そう言い放つリザード。


「組織に入るか、今死ぬかの――どちらかだ」



 その二択を迫られ――



 彼女たちの出した答えは――




 「断る」「お断りよ」「お断りですわ」




 三人そろっての拒絶であった。


 それを聞いたリザードは――


「…そうか――」


 目から笑みが消え――


「――なら…死ね!」


 リザードが魔法少女たちに攻撃しようとする。

 それが魔法少女たちを殺すはず――だった。




 ガチーーーン!!!




「……あ?」


 緑・紫・オレンジの輝きを放つ謎の力に止められる。


「――今です!!!」


 その言葉にあとを押されるように――


「「「はああぁぁぁーーー!!!」」」


 最後の全身全霊の攻撃を放つ!!!


 ガキン!!!ザシュ!!!シュドーーン!!!


 最後の攻撃を加え――魔法少女たちは限界を突破し、意識を失う。


 その彼女たちを――


 「お疲れ様です。先輩たち!」


 そう言って支える少女たち――。


 観戦していたウルフマンはその姿を捉える。


 (――あれは!!!)

 


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