第27話 レクス・リザード
~拠点~
三人の美少女と付き合うことになる。
そんなウハウハ状態の俺だと思うか?
(んなわきゃない!!!)
俺、怪人!潜入調査員!!ハーレムの主人公違う!!!
(まずい!このままでは流される!)
このままではハーレム主人公になる!
いや、あの三人と恋人になれたのは――
正直、嬉しいけど――
そんなことを考えていると――
ビービー!!!
緊急事態のアラーム!
俺は急ぎ、奥の部屋に行く。
ブォン――
電源を入れると、いつも通りデスピエロが映る。
「どうした?」
俺は緊急時の訳を聞く。
「すいません。こちらも緊急なので手短に行きます」
どうやらあちらも慌てている状態だ。
「四天王の一人、レクス・リザード様が地上に向かってます」
「――なっ!?」
暴君女王が!狂竜が!――
俺の姉と仲が悪いと有名なあのレクス・リザード様が!?
衝撃の情報に俺は少し混乱する。
「こちらでも、それで対応に追われています」
「――なるほど」
四天王の一人が勝手をしたんだ。
組織も慌てるだろうな。
「彼女の到着は――明日になります」
(マジかよ!)
あの方は狂暴で有名だ。
しかも今回の勝手は――魔法少女が対象だ。
短気でも有名だから、我慢できなかったんだろう。
「そちらにいるのは――」
デスピエロが話を続ける。
「――あなただけです」
(……冗談だろ?)
「どうすればいい?」
対応を聞く。
「できる限りの対応を――最悪…戦闘の覚悟をして下さい」
「許可は?」
「あなたの姉君にもらっています」
そう言われ、俺は覚悟を決める――
「こちらでも応援を送りますが到着は――」
デスピエロがそこで沈黙する。
「到着は?」
俺はデスピエロに聞く。
「二日以降になります。」
「――了解した」
「ご武運を――」
ブォン――
そして、画面の電源が落ちる。
「――さて……明日は忙しいぞ」
(明日は学園休むしかないな)
俺は不意にあの三人のことを思い出す。
(――あいつらにどう連絡するかな)
~学園~
大牙と付き合い始めた桜・りん・めぐみの三人だが――
「大牙くん…急用で学園休んでるね」
「…そうね」
「…そうですね」
三人は大牙が来なくて残念――ではなく。
(((よかった(ですわ)~~~!!!)))
付き合って翌日、まだ三人は緊張している。
桜は昨日のキスと遊園地のキスで、限界に達していた。
(こんな状態で会ったら!うまく話せないよ~!!!)
両手で顔を隠し、赤面の顔を隠す。
りんは、初めての唇のキスの余韻がまだ残っていた。
(……昨日の…キス……っ!!!)
唇を触り、余韻を感じ、赤面になる繰り返しである。
めぐみは――
(嬉しすぎて!自分から…キス!!!)
策略がうまくいき、思わずキスをする自分の大胆さに――。
(大牙さんも!大牙さんです!あんなの!!!)
そして、大牙の仕返しのキスが、まだ効いている。
(……本当にズルい人)
ある意味、今日大牙が休んだことはよかったのである。
ビリッ!!!
「っ――!!!?」
――今まで感じたことのない感覚。
肌がビリビリする。背筋が悪寒が止まらない。
それは三人の魔法少女の探知の反応が異常である。
ウルフマンは追ってくる時、怪人の気配を隠していたが――
今回はそれ以上の反応を示している。
つまり――ウルフマン以上の怪人が来たということである。
「りんちゃん!めぐみちゃん!」
「「ええ!!!」」
彼女たちは変身し、現場へ向かう。
今までの怪人の中で――最強クラスの敵と!!!
~同時刻のある場所~
バゴーーーン!!!
異次元の門は、どこに行くかは決まってない。
彼女が人の少ない場所に来たのは――幸いだった。
「――ふー…やっと着いたか」
四天王の一人レクス・リザード――地上に到着。
彼女の言った通り、あの厳しい場所を二日で踏破したのだ。
数多の魔獣を蹴散らし、変形する道を乗り越え、踏破した。
「ん?」
彼女の見た方向から何かが来る――
雑魚ではない、強者であるのはわかる。
魔法少女かと考えたが気配が違う――これは。
(…この気配、どこか覚えが)
覚えがある怪人の気配だ。
それは着いた瞬間、跪く。
「――お初にお目にかかります。レディ・レクス・リザード様」
「……へえ?」
暴君女王はゆっくり笑う。
そのオオカミの姿を見て、確信した。
「――お前がブラッドの弟か?」
自分の宿敵と認めている者の弟――ウルフマンであると。
「はい。ウルフマンと申します」
名乗りを上げ、ウルフマンを見る。
(弱くはないが……あいつほどではないな)
興味のあった一つが来て、値踏みをする。
自分が認めた宿敵の弟、敬愛するドン・ハシビロが褒める怪人。
(ドンのオジキが言うように優秀そうには見えるが…)
正直、ガッカリという感じだ。
確かに強いのだろうが、それは上位の怪人の中ではの話である。
自分たち四天王とウルフマンの強さ比較しても――全く届いてない。
(…こいつに苦戦する魔法少女もたかが知れてるな)
同時に、ウルフマンに苦戦する魔法少女にもガッカリする。
(これならつまみ食いする必要もねえな)
「…他の怪人は?」
値踏みが終了し、戦う必要がないとわかると現状を確認する。
「現在、地上にいる怪人は、私のみです」
「…へえー」
(……追手はなしか)
リザードは追手が来てないことを確認する。
(――転送陣、一応壊しといてよかったな)
追手が来れないように転送陣を壊してきたのだ。
デスピエロが言っていた組織からの援軍が二日も遅れる理由だ。
(これで心置きなくヤれるな!)
そう思い、顔がニヤける。
「――今回のご来訪の理由は?」
「あっ?」
ウルフマンのことを忘れていた。
「――決まってんだろ?」
「やはりですか」
ウルフマンはその言葉で理解する。
「魔法少女の戦闘は……お一人で?」
「当たり前だろ?」
当然のように一人、それが彼女の戦闘スタイル。
相手が多数だろうと自分は一人で向かう。
「――うっとうしいかとは思いますが、私に見守る許可を下さい」
「……」
彼女はウルフマンを見る。
(――まあ、別にいいだろう)
「いいぞ」
「ありがとうございます」
邪魔をする気配はないから、その場にいる許可を許す。
「――ん?」
別の方向から三つの気配がこちらに向かってくる。
「どうやらヤツらですね」
ウルフマンはこの気配が何か知っているらしい。
つまり――魔法少女だ
「……へえー」
暴君女王はニヤリと笑みを見せ、どうやって遊ぶかを考える――
~ウルフマン視点~
すぐに動けるように気配察知を限界まで広げる。
ビリッ――!!!
毛穴の全てが広がるような緊張感!
(――来たか!)
ウルフマンが、彼女が現れるその近くにいたのは幸いだっただろう。
(こっちか!!!)
猛ダッシュでその場所まで移動する。
その姿を捉えて戦慄する。
「お初にお目にかかります。レディ・レクス・リザード様」
跪き、形式的な挨拶をする。
「……へえー」
ウルフマンが、レクス・リザードに直接会うのは初めてである。
「――お前がブラッドの弟か?」
そんな彼でも、彼女の強さに戦慄する。
「はい、ウルフマンと申します」
(まさか――これほどとは!!!)
目の前にいる自分ほどの体格がない女性から――
巨大な手を置かれたような強い威圧。
(これが四天王!!!)
最高幹部と言われるだけはある。
そんな底知れない実力が――彼女にはある。
こちらを見て、値踏みしていると感じる。
自分も強さには自信がある方だと思っていたが――
彼女に比べたら今の自分など気にも留めないだろう。
「…他の怪人は?」
「現在、地上にいる怪人は、私のみです」
「…へえー」
「――今回のご来訪の理由は?」
「あっ?」
リザード様は怪訝そうな顔をする。
「――決まってんだろ?」
(やはり――)
魔法少女が目的らしい――
「やはりですか」
「魔法少女の戦闘は……お一人で?」
「当たり前だろ?」
リザード様の戦い方は一対一の噂は本当らしい。
「――うっとうしいかとは思いますが、私に見守る許可を下さい」
さすがに四天王を一人だけにするわけにはいかない。
「……」
少しの沈黙の後――
「いいぞ」
「ありがとうございます」
「――ん?」
ウルフマンも気づき、三つの気配が魔法少女だとわかる。
「どうやらヤツらですね」
「――へえー」
好戦的な笑みが浮き出る。
魔法少女と四天王レクス・リザード様の戦いが始まる――。




