第22話 大牙と桜
りんとの関係は進んだ。
……はずだった。
その本人が逃げるという異常事態に陥る。
しかし、俺にはりんにかける時間がない――
今週の休みには――
桜とのデートがある。
りんと違って、安心してデートできる相手だ。
(まあ…それでも手を抜いていいわけじゃないが――)
桜とのデートは、問題ないと思いたいが、りんの件もある。
(予想外が起きなきゃいいが――)
世の中……そう、うまくいかないってのが、定石だ。
「……とりあえず、デートの確認するか」
まず、桜と駅にて現地集合――
そこから、遊園地まで行って、遊ぶ。順番は、着いた時に決める。
正午には、桜が用意した弁当を食べる。
桜の弁当は――
(――うまそうだったな)
今回のデートの密かな楽しみである。
その後は、遊んでから解散することになっている。
「こんなものかな…」
遊園地のことは調べたが、なかなか楽しそうだ。
殺伐とした人生だった俺には、まぶしいな。
――もちろん、任務のことは忘れていない。
デートは、相手のことを知るには良い。
りんのことも大分知れた。
可愛いところは、知れたのは良い誤算なのか、悪い誤算なのか――
それは、まだわからないが……後悔はしたくないな。
――桜についてもそうだ。
あいつには借りがあるから、余計にな…。
任務を遂行しつつ、あいつとは良い思い出として残そう。
そう、桜のデートに挑む大牙である。
~桜サイド~
「もうすぐ、大牙くんとデート……」
桜は、大牙のデートがもうすぐとわかると――
「――どうしよう…」
楽しみより――
「どうしよう!!」
緊張が勝っていた。
人生初のデート――
この前は妹や弟がいて、お世話しながらだったから意識せず済んだけど――
今回は正真正銘の二人きりのデートだ!!
「う~~~」
男の子に意識するなんて、今までなかった。
でも、大牙くんは転校してきてから、気になってる。
もちろん、最初は親切からだったし、意識するほどじゃなかった。
不良っぽい恰好してるけど、お花を見る目は優しいし、私を助けてくれた。
(……大牙くんと、もっと仲良くなりたい)
その時、そう思った。
ちょっと意地悪なところもあるけど、妹や弟にも優しくしてくれた。
りんちゃんも最初は、警戒してたけど、良い人だってわかってくれた。
めぐみちゃんは、なんか……楽しそうだった。
公園の時から意識し始めて、めぐみちゃんの冗談でさらに――。
フェニさんに強くなる条件を言われてから、余計に意識しちゃってるよ。
今回のデートは、私たちの「相手」としての確認らしいけど――。
私の気持ちは――
「……よし!」
決めた!
「考えるの…やめよう!!」
いじいじ考えてもわからないし――
デートで、彼と一日過ごして決めよう!
桜は、決めた。
彼への気持ちが、確かなものかを――。
あの目つきの悪い、意地悪で、優しい――
彼のことをデートで確かめると――
「がんばるぞー!」
そう意気込んだ。
「あ、でも――!」
「――明日の服、どうしよう!?」
両者とも不安が残るが、確固たる意志をもってデートに挑む!!




