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第16話 デート前1

 任務が終わり、俺は再び‘‘潜入怪人‘‘としての日常へ戻った。


 学園に向かいながらも魔法少女と戦ったことを思い出す。

 

(あいつら――誰かに似てんだよなー)


 そんな明確ではない疑問が生まれる。

 

(誰だろう?)


「た…大牙くん!」


 不意に桜の声が聞こえ、その方向に向く。


「おはよう。桜」


 どういう訳か。桜の顔を見て、笑みが出た。

 

「っ――!!!」


 俺が挨拶をしたと同時に桜の顔は赤くなる。

 

「どうした?桜?――」

「じゃあ!いくねーー!!!」


 声をかけようとしたら、走り去ってしまった。


「何だよ――」


 桜の様子がおかしい、あとでりんか、めぐみに聞いてみるか。

 

「お……おはよう!大牙!」

「ん?――おう、おはよう。りん」

「っ――!!!」


 りんも桜と同じように顔が赤くなる。


「どうした?お前まで赤くなって?」

「きっ――気のせいよ!」

「いや、でも――」


 俺はりんに近づき、前髪を触れようとした。


「っ――!!!」


 りんは、さらに赤くなる。


「~~~!先に行くわよ!」


 どういう訳か、学園に向かう。


(え?どういうこと?怒った?)


 あり得ないことに一瞬思考停止してしまう。


「二人ともヘタレですねー」

「うお!」


 いつの間にか、隣にめぐみがいる。


「――いつからそこに?」


 めぐみは、ニヤニヤしながら俺を見る。


「さっきですよー。スケコマシさん?」

「そうか。気づかなかった――って、今何て言った? 」


 誰がスケコマシだ。


「美少女三人侍らせてる時点で、スケコマシですよー」

「いつ、お前らを侍らせた?」

「あらー?いつわたくしたちだとー?」


(――しまった)


 自分が彼女たちを美少女と認めていると吐露してしまう。

 

「――ずるいぞ」


 自分の心の奥にある真実を話し、恥ずかしくなる。


(美少女は否定せず――ですか)


 自分のからかいが成功したのと、自分たちを美少女と言うことに――

 彼女は嬉しそうに笑みを浮かべる。


「では、御機嫌よう」

「ちょっと待て!」


 俺は桜とりんについて聞くために、めぐみを引き止める。


「なんですかー?」

「桜とりん、何かおかしくないか?」

「おかしいとはー?」

「なんか…いつもと違う?」


 自分でも漠然としているが、具体的には説明できない。


「よくわかりませんけどー」

(あっ!そうだ!)

「よろしければ四人でお昼に屋上にどうです?」


 思わぬ、提案に俺は驚く。


「いいのか?」

「ええ、構いません」

(桜さん、りんさん、いい加減デートプラン決めてください)


 俺は自分の疑問が残るが、めぐみの提案に乗る。

 そして、俺は図らずも魔法少女の強化に手を貸すことになる。

 







~屋上~

「さ~てみなさん?」


 めぐみは言った通り、屋上に呼んでくれた。

 めぐみは笑顔ではあるが、桜とりんは俺を見てないんだけど?


「桜?りん?」


 ビクッ―――

「――何?」

「――何よ?」

(え、何でこうなった?何でこんなに赤くなってんの?)

「あーめぐみ?」

「何ですかー?」


 めぐみを呼び、小声でしゃべる。


「こいつら、何でこうなってんの?」


 頭を傾げるめぐみ。

 

「あの~もしかして忘れてます?」

「――え?」

(忘れてる?何を?)

「桜さんとりんさんとのデートですよ」

「………」

(魔法少女の戦闘が濃すぎて忘れてたー!)

「すまん、休日忙しくて忘れてた!」


 俺は誠意を見せ、桜とりんに対し土下座をする。

 

「仕方ないよ!私もそう言うことあるから」

「だから、頭を上げなさい!」

 

 桜は優しく励ます感じで許し、

 りんは仕方ないと呆れた感じで許してくれた。

 

「で?デートってどこに行くんだ?」

「「え?」」


 さっきのとは雲泥の差だな。


「重ね重ねすまんが、俺、恋愛どころかデートしたことない」

「――私たちも無いわよ」

(それはそうだ)


「俺に関してはこの顔だからな」


「「「――ああ」」」


(――そこは納得するのかよ)


「う~ん、大牙さん?どこか子供の頃行って楽しかったところは?」


 そう言われてしまうが、俺の子供時代――

 サバイバルと、戦闘訓練ばっかりだった。

 

「――すまん、家庭の事情でそう言うのはないな」

「そうなんですね。すいません」


 めぐみに謝罪されたが、怪人だしな。

 

「気にすんな」


 そう言ったが、周りの空気が重くなる。

 

「んー今なら水族館か遊園地だな」


(我ながら子供っぽい……)


「あーいいね!」

「いいんじゃない?」

 

 励ましも含めてか良い感じになる。


「それでどっちにします?」


 どう決めればいいんだ?


「大牙さん?どちらと、どこに行きたいですか~?」


 めぐみは意地悪な質問をしてきた


「………」


 桜とならどこでも楽しく行けそうだが――

 りんが難しいかもな。


「あはは。すいません。では、コレで決めましょう」

 

 めぐみが出したのは――紙。

 

「あみだくじで決めましょう」



 結果は――

 一日目 りん・水族館

 二日目 桜・遊園地

 こういう結果になった。


「遊園地!楽しみ!」

「水族館…」


 りんは水族館に不満そうだ。


「りんちゃん?水族館嫌いだっけ?」


 桜はりんの不満そうな顔に疑問を持ち、質問する。


「嫌いじゃないけど――」

「じゃないけど?」

「この年でどう楽しめばいいか、わからないのよ」


 そう言われ、桜は考える。


「私のと交換しようか?」

「――いいわよ。水族館が嫌いな訳じゃないって言ったでしょ?」


「それに……静かな場所の方が落ち着くのよ」


 りんがそう言う。少なくとも嘘はついていないだろう。


「では、みなさん。ご武運をお祈りしております」


 めぐみはそう言うと、楽しいという笑みで去っていきやがった。


(どこが「ご武運を」だよ)


 快楽主義は治っていないらしい。


「その…二人とも」


「「――っ!!!」」


「当日はよろしく頼む」

「「こ…こちらこそ」」


 二人の顔を見て思い出す。


(そうだ――こいつら魔法少女に似てるんだ)


 そう思ったが、こいつら自身が魔法少女の可能性は低いと考えた。

 魔法少女の顔と彼女たちの顔を比べたが――


(――考えすぎか……)


(それに魔法は基本何でもありだしな――)

「大牙くん?」

「大牙?」


 ずっと黙っていたのを二人に心配された。


「すまん!お前たちとデートと言っても実感わかなくてな!」


 そんな言い訳をする。


「え~」

「なによそれ!」


 そう不満を言う彼女たちのことを見ていると――

 魔法少女の性格にも程遠いと考えた。

 

 そして、俺は正解から遠のくのであった。




~桜サイド~

(あ~もう!恥ずかしい!)


 彼女は顔を隠し、自分が大牙にやったことを思い出す。


(絶対変だと思われた!)


 私が大牙くんを意識しだしてから、彼の事ばかり!

 今日、笑顔で挨拶された時――心臓が爆発しそうだった!

 でも、まだ確定じゃない――

 彼と共に過ごして、気持ちに触れて、答えを出したい!


「――当日、何着ていこう?」


 覚悟決めた少女は――

 乙女らしいことを考えて、当日まで彼女は準備する。




~りんサイド~

(何なのよ!もう!)


 彼女もまた大牙について意識し始めた女性。


(――絶対変だと思われたわ…)


 桜と同じ悩みを出している。

 髪に触れられそうだった。

 いつもの私ならその手を弾くのに――

 でも、今回は――触れて欲しかった。

 大牙に触れられたら、どれだけ嬉しいか。


「――めぐみにチョロいって言われても文句言えないわ」


 私ってこんなにチョロかったかしら?

 顔を赤くして、恥ずかしいと思うと同時に――

 楽しみの心が増えていく。




~めぐみサイド~

(あの三人うまくいくといいですけど~)


 心配している快楽少女は、三人の不器用さに不安を覚え――

 同時に楽しんでいた。


(早く当日にならないかしら?)


 そんな楽しんでいる彼女でも――不満が一つ。


わたくしが譲ったのに!うまくいかなかったら許さない!)


 そんな可愛い嫉妬のような不満だ。


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