第17話 デート前2
~昼休み~
昨日、デートの約束をした。
――何でこうなった?
美少女三人と仲良くて、それでデートする。
――調査任務関係なくね?
(ただ、何でだろう?)
俺は謎の直観?が働いていた。
(何か…近づいてるような気がする)
そう、俺は少しずつだが、魔法少女に近づいていたのだ。
「すいません!王守くん!!」
そう考えていると、どこからか男どもが俺の周りに来ていた。
「…え?何?」
俺は驚き、たじろいてしまう
「僕たち!」「俺たち!」「我ら!」
「花園桜ファンクラブ(非公式)です!!!」
「清水りんファンクラブ(非公式)だ!!!」
「邑楽めぐみ様ファンクラブ(非公式)なり!!!」
一気に言われたが――聞き取れた。
「…ああ、はい」
(今――非公式って聞こえたような)
今はいいや――
こいつらの迫力に押されて、そう言ってしまう。
「それで何か?」
何の用で来たか、わからないが聞いてやるか。
(予想はつくが――)
「それで何か?ではないのです!!!」
「そうだ!!!」
「学園のアイドル三人を独占とはどういうことだ!?」
(いや、独占って)
つーか、あいつらファンクラブなんていたのか。
(非公式って出てたけど――)
「おい、それは誤解だ」
俺は誤解を解こうとする。
「何が誤解なものですか!!!」
「貴様、彼女たちと食事をしたではないか!!!」
「証拠は出ているぞ!!!」
(証拠?)
「君が計2回、三人と食事をしたことは調べがついてる!!!」
「まあ。確かに、それは」
(事実なんだよなー)
「そ…そして――うっ!」
(え!泣いてる!?)
そいつらが悔しそうな恨めしそうな目に涙を流している。
「き…貴様が!!!――」
堰を切る想いで――
「彼女たちとデートの約束をしたことはわかってる!!!」
そう言った。
(痛々しいな)
俺は正直にそう思った。
「いや…うん…」
(元はめぐみのせいなんだよなー)
これ見たら、確実に笑ってるな。
そう思い浮かべたが、それを言ったとして――
「ちくしょーーー!!!」
「うおぉぉぉぉぉぉーーー!!!」
「うううううっっっ!!!」
号泣しているこいつらに通用はしない。
「どうやった――?!」
「どうやって彼女たちに!!!」
「取り入ったんだ―――!!!」
(いや、どうやってと言われも)
あいつらが勝手に来たからな。
桜がきっかけで、りんと、めぐみに出会ったわけだからな。
そう、席の隣が桜で――
(桜から始まってんだよなー)
そう感慨深く考えていると――
「おい!!!無視すんなーーー!!!」
そうだ。こいつらの事、忘れてた。
(めんどくせえ――)
「言っとくが――」
俺は事実だけ言うことにした。
「俺から取り入ったことは――」
「一度としてない!!!」
断言してやった。
その言葉に圧倒されたのか。
一時的にファンクラブは黙った。
「では!どうやって!くうぅ…!」
ファンクラブは、また涙を流す。
「あの誰にでも優しく!笑顔が美しい!――」
(桜かな?)
俺は冷静になっており、そいつらの言葉を予想する。
「桜さんをたぶらかしたーー!!!」
(あっ…当たった)
「そうだ!凛として!大和撫子の体現者!――」
(こっちは、りんかな?)
「りんさんとどうやって仲良くなった!!!」
(この感じだと最後は――)
「最後だが!あのおおらかで!表裏がない!――」
(……誰だよ)
「めぐみ様とどうやってお近づきになった!!!」
最後の誰だよ。
めぐみに表裏がない?あの腹黒お嬢が?
(お前ら……めぐみの事、本当に知っているのか?)
「すいません。みなさん」
そんな時、声が聞こえる。
「めぐみ様!!!」
そう、めぐみだった。それだけでなく――
桜とりんまでいた。
「私たち、大牙さんに用があるのでお引き取りを」
「「「は…はい~~~!!!」」」
ファンクラブはどこかへ行ってしまった。
「よう、どうした?」
三人に質問する。
「いえ、助けが必要かなと――」
(こいつ見てたな)
めぐみは状況を見ていたらしく程よいところで、桜とりんを連れて来たらしい。
「相変わらず、準備がいいな」
「それほどでも~」
コレで、どこが表裏がないんだよ?
「あと~」
どうやらまだあるらしい――
「お二人があなたに御用が御有りということで――」
桜とりんが、俺に用があるらしい。
「大牙くん…」
まずは桜から――
「土宮部長がまた手伝ってほしいんだって、あと――」
園芸部の手伝いと――
「デート楽しみにしてる」
その破壊力に俺の顔が赤くなる。
「大牙」
「…なんだ?りん?」
りんの用事は――
「コレ、お祖母様から――」
渡された袋の中には、大量のミカンが入っていた。
「いいのか?」
「いいわよ、このくらい家にいっぱいあるから、それと――」
「私も楽しみにしてる」
照れた顔で言うりん、桜より破壊力は上だった。
俺はさらに赤くなる。
「「それじゃ!」」
二人は、そう言って去っていく。
(これは頑張らないとナー)
「これは頑張らなとですね~あと~――」
めぐみも何か用があるらしい――
「二人が終わったら、私もお願いしますね♪」
そう言われ――容量突破になり、机に伏した。
(……本当に、なんでこうなった)
遠くで血の涙を流している――ファンクラブを忘れて……。




