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第15話 魔法少女たちの会議

~魔法少女の拠点~

 あの戦い――

 ウルフマンとの戦闘で、私たちは完敗した。

 

 怪我は魔法で治した――ただ、心は。


 意思は負けていなかった――ただ力が足りなかった。



 花園桜は、己の不甲斐ない力不足に歯噛みするしかなかった。

 魔法少女になってから彼女は仲間たちと共に、強敵たちを倒してきた。

 しかし、今回の敵は格が違った。

 神鳥が来なければ、どうなっていたか――。


(――欲しい!)


 彼女は望んだ。力を。みんなを守る力を!!!


(今度こそ、あいつに勝つために!)


 それを手に入れるために自分に何ができるかを考える。



 清水りんは、自分の剣が相手に通じなかった。

 今まで自分の剣が通じなかったことは一度もなかった。

 しかも、武器ではなく、拳で受け止められたのだ。


(……悔しい)


(私の剣が!清水流が負けるなんて!)


 幼い頃から学んでいた剣術が破れ、彼女は自分の剣に限界を感じていた。


(必ず!私は手に入れる!絶対に折れない剣を!)


 彼女もまた望む。守るための剣を!!!



 邑楽めぐみは、己の結界に自信があった。

 みんなを守るための盾だった――それが簡単に壊された。


(あれはさすがにショックですわー)


 ヒビが入り、剰え、破壊されるなど、今までなかった。

 そして、自分の最大火力さえ、防がれる始末。


(みなさんを守るためにも――)


 彼女もまた力を望んだ。

 絶対に守り切る力を――!!!




 ウルフマンに負けた三人の魔法少女は――

 その目には絶望はなく、ただ――前を見据えているのだ!

 彼女たちの強さは――この「心の強さ」である。

 

「――魔法少女よ」


 部屋に光が入り、声が響く。


「「「この声は!!!」」」


 彼女たちはこの声を知っている――彼女たちを救った「神鳥」である。

 名を「フェニックス」。


「フェニさん!」

「フェニックス!」

「フェニ様!」


 彼女たちは、神獣を各々の呼び方をする。


「今回は危なかったな」


 彼女たちを救ったフェニックス――彼は基本下界には関わらない。

 フェニックスが今回助けたこと自体、異例のことである。


「あいつ…ウルフマンは何者なの?」


 りんは、フェニックスにウルフマンのことを問う。


「あの怪人はおそらく――」


 彼女たちは聞いた。幹部の階級。

 自分たちが今まで戦ってきたのは、下級から中級の怪人ということに。

 その上がいることに――。


「上級怪人、四天王――」

「まだ、そんなお強い方々いるなんて」

「――あいつが上級だからフェニさんは助けてくれたの?」


 その桜の問いに対して、フェニックスは――


「――違う」


 否定した。


「私が来たのは「良い知らせ」と「悪い知らせ」を君たちに伝えに来たからだ」


 それを伝えるために来た。フェニックスはそう言った。


「その結果、君たちを救う結果になった」


 運がよかった――ただ、それだけだった。


「その「良い知らせ」と「悪い知らせ」とは?」


 めぐみは、伝えに来たことを聞く


「まず「良い知らせ」は君たちの力の進化の兆しを教えるため」


 その言葉に、三人は固唾を飲んだ。

 

――自分たちが望んだ「力」が来たのだから。


「――その方法って?」

「それには――まず君たちに聞くことがある」

「何?」


 三人はその「力」を手に入れるための覚悟を決めた。


「君たち――好きな人はいるか?」

「「「?」」」


 言っている意味が分からず、三人は思考停止状態になる。


 「あのー。フェニ様、ふざけているならやめてください」

 「ふざけてはいない」

 「なお、タチが悪いです」


 いきなり、重要な話が世間話に変わったのだ。当然である。


 「まあ、聞き給え――」

 

 進化には条件がある。

 1,好きな人、つまり恋愛対象がいる。

 2,その好きな人と恋人になる。

 3,彼との親密度を上げる

 


「以上である」

「以上って…」


 三人は呆れて何も言えなかった。


「――なんか恋愛ゲームみたい」


 桜の言う通りまさにそうである。




 部屋の空気が妙に静まる。


「それでいるのかね?」

「えーと…」

「いないわよ!」

「うーん?」


 桜は言い切れず黙る。大牙は自分のことを友人と呼んでくれた。

 でも――自分は大牙を好きなのか。わからないままだ。

 この前の告白まがいが本当だったら、どう答えていた?

 好意は持っている。

 でも恋愛対象と言われると――

 めぐみちゃんが好きと言った時も――

 自分の心がまだ決まり切ってない。


(だから、私は――)

 

 りんは、大牙が頭に思い浮かんだが、あり得ないと否定する。

 確かに今は信頼している。

 好きかと言われるとわからない。

 でも――

 桜が告白されたと聞いた時、

 胸が少しモヤっとした。

 めぐみの時もそうだ。


(そう、だから私は――)


 めぐみは考え込む。


わたくしの好きな人は決まっている――あとは)


 そこまで考え、フェニックスに聞く。


「……あのーフェニ様?」

「どうした?めぐみ?」

「同じ人を好きになってしまった場合、どうなるのですか?」

「めぐみ!」

「めぐみちゃん!」


 そう――三人は同じ人物に好意を抱いているのだ。

 ただ、二人ははっきり認識できてないのである。


「その場合は好きな人、本人がよければ大丈夫だ」

「そうですか。ありがとうございます」

「「………」」


 二人は顔を赤くして黙る。

 これで三人の方針は決まったと、めぐみは思った。


「もしかして――」

「はい、もしかしてです」


 そう笑顔に答えるめぐみに、あちゃーと羽で顔を抑える。


「全員?」

「はい」

「マジで?」

「マジです」


 神鳥の言葉が変わってしまうほどの衝撃だった。


「うーーん」


 考え込む神鳥。


「大丈夫?」

「言いくるめる方法はもうすでに」


 また、考え込み、そして――


「とりあえず、その彼に魔法少女とばれないでね」

「はい」


 魔法少女たちの方針は決まった。


「ん、ん、では「悪い知らせ」だが――」


 もう一つの悪い知らせは――


「これからの未来に「ある怪人」が君たちと関わってくると出ている」

「ある怪人とは?」

「すまない。それはわからない」


 未来に怪人が関わってくる。しかし、それがどんな怪人かはわからない。


「どう関わってくるのですか?」

「詳しくはわからない。だが――」


 神鳥は怪人がどう関わっていることもわからない。

 しかし――


「君たちに深く関わる。それは確かだ」


 そうフェニックスは言うが、わからないのでは打つ手がない。


「わかりました。フェニ様、ありがとうございます」


 フェニックスは少しの不安はあったが――


「私は君たちを――信じている」


 そう言い残し消えていった。


(……頼むぞ、本当に)


 彼女たちに「希望」と「心」を信じて――。



 フェニックスが去ったあと、三人は話し合う


「さて、お二人とも――」


 めぐみにそう言われ、ビクッとした。


「来週の休み、がんばってくださいね?」


 笑顔ではあるが、二言を言わさない威圧で二人は頷くしかなかった。

 そして――自分たちの想いを確かめるために。

 二人は大牙とのデートに挑む!



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