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第14話 初戦闘

 魔法少女――俺はこいつらを見つけるために。

 ――それが目の前にいる。あいつらの罠にかかって。

 

「怪人!顔を見せなさい!」


 臨戦態勢状態の魔法少女、戦うしかない。


「はぁーー」


 俺はため息を出す。

 疲れてる時に、さらに疲れること――面倒くさい。

 

「――怪人化」

 

 俺は人間状態と怪人状態がある。

 学園では人間状態、そして今は――。


 メキメキ――。


 怪人化すると体格と姿が変わる。

 俺の名前はウルフマン――つまり、オオカミだ。

 鋭い牙と爪、人間状態の倍の体格。

 パワーなどは、人間状態の比較にならない。


「アオーーーーーーーーン!!!」


 雄叫びと共に周りに衝撃波が響き渡る。

 魔法少女と部下たちも飛びかける。

 廃工場は、その衝撃波で一部崩れる。

 魔法少女は、雄叫びでただの怪人ではないとわかったらしい。


「久しぶりだからな。この姿――」

(――さて五分もつかな?)


「加減はできんぞ!!魔法少女―――!!!」


 制限時間付きの戦闘が始まる。


「グゥオオオォォォォーー!!!」


 威嚇の咆哮、それと同時に攻撃を加える。


「ほう?防いだか――」


 グレイスの結界で防がれたが、そこにはヒビが入っていた。


「――わたくしも驚きましたわ。ここまで強い攻撃は」


 グレイスは余裕を見せたが、ギリギリらしい。


「じゃあ!褒められついでに!もう一発!」


 言葉通り、もう一発加えようとする――。

 しかし――アクアの斬撃が飛んでくる。


「――好き勝手させると思わないで」

「じゃあ、こっちも仲間を頼らせてもらおうか?」


 バババババッ――!!!


 連れて来た部下たちの銃が、アクアに向かって乱射される。


 「――っ!!!」


 その凶弾がアクアを蜂の巣にされた――思ったが。


 ブンブンブンブンブン――


 何かの回転音――ブロッサムの槍を回転させ、弾を防いでいた。


(中級クラスじゃ、傷一つもつかないか)


 俺は、拳をブロッサムに放つ。


 ガキイィーーーーン!!!


 アクアの剣で拳が防がれる。


「ほう?良い剣だな?」

「っ……!!!」


 拳が斬れないことに驚いている。


「お二人とも!!!」


 グレイスが、カラスマンの時より大きな光を塊のまま、俺に放つ。


「アオーーーーーーーーン!!!」


 ドガーーーーン!!!

 その光は、俺の咆哮で相殺される。


「そんな!!!」

「こんなもんか!?魔法少女ーーー!!!」


 魔法少女は、俺に攻撃が通用しないことに驚いている。

 このまま、いけると思うだろ?

 しかし、そうじゃない――


 ――魔法少女は昔、組織の最高幹部「四天王」を倒したのだ。


(――こいつらは、まだ何かを隠している)


 そう確信するものがあるから、俺は、組織は、潜入を決行したのだ。


「――さて、あと何分だ?」

「あと二分です」


(長引けば、まずいかもな…)


「わかった」


 あと二分――あいつは来るかな?


「それじゃあ、少し本気を出すか」


 ビュッ――


「っ――!!!」


 バキーーーン!!!


「――っが!?」


 ビュッ――

 ドカーーーン!!!


 先ほどより早い攻撃をする俺に対し、グレイスが防ごうとするが――

 結界は砕かれ、グレイス本人が攻撃を喰らい、工場に吹き飛ぶ。

 

「グレイス!!!」

「――よそ見している場合か?」

「っ……!!!」


 バゴーーーーン!!!


 よそ見をしていたアクアに拳を喰らわし、吹き飛ばす。


「アクア!グレイス!」


 ブロッサムも叫び、そこに拳を向ける。


「っ……!?」


 ガキーーーン!!!


「――ほう?」


 どうやらあの至近距離から攻撃を反らした。


「お前は骨がありそうだ」


 そう言う俺に、ブロッサムは槍を向ける。


「来なさい!!!」


 そう言い放ち、戦意はなくしていない。


(まだ、戦意はなくさないか)


 俺はブロッサムに拳を振るったが――光の壁に防がれた。


「何だコレは?」


 グレイスじゃない、アクアでもない。


(一体、誰が?)


 ビュビュビュビュ――!!!


 上から光線が降ってくる。

 部下の何人かはやられる。


「アレは…なんだ?」


 そこにいたのは鳥?いや鳥のように見えるが――アレは。


「まいったな」

(どうやら、まずい状況だ)


「――ウルフマン様!!!」


 そんなことを考えていると、後ろから部下の声が聞こえる。


「時間です!!!」


 どうやら時間らしい――。


「それじゃあ、お暇するか」

「はっ!!!」


 この戦場を退散する準備を始める。


 ビュ――!!!


 そこにブロッサムの槍がかする。


「逃がすと思って?」


 他の二人も戻ってきたらしい。


「勝手に逃げるさ」


 ビュ――!!!


 俺は、俺たちを閉じ込める結界の壁を――


 バゴーーーーン!!!


 壁をぶん殴り――

 結界が、砕け散る。

 もちろん、一人で壊すのは難しい。


 だが――上級幹部二人なら。


 バキーーーン


 この結界に穴をあけることができる。


 デスピエロ、俺はコイツが来るのを待っていた。


「遅かったですかね?」

「いや、時間通りだ」


 そんな軽い挨拶を済ませ、俺たちは壊した穴から出る。


「あばよー!魔法少女ーー!」

「っ…!待て!」


 追いかけようとする魔法少女たち――しかし。


 ボフン――。


 デスピエロの煙玉で逃げおおせる。





~エル・ノトの拠点にて~

「ふう、大変でしたね」

「ああ、疲れた」


 逃げおおせた俺は、デスピエロと部下たちと共にここに来た。


「アレ、何ですか?」


 デスピエロはあの鳥について聞いてくる。


「アレはおそらく「神鳥しんちょう」だろうな――」

「ですよねー」


 魔法少女たちに力を授けた存在――神獣の一種だ。


「…あんなもんが出るとはな」

「しかし、四天王を倒せた理由はわかりましたね」

「そうだな」

 

 そう、神獣は本来、天界にいる。

 下界には関わらないのが、普通だ。


(だが、関わってきた)


「――何か起きているのか?」

「そう考えるのが、妥当ですね」


 デスピエロの同意を得て、俺たちは立つ。


「ノルマは果たせたか?」

「十分すぎるほどですよ」

「――そうか」


 とりあえず、これを組織に報告しよう。

 あとは、俺次第だ。


「とりあえず、あなたは当分潜入に専念してください。」

「わかった」


 そうして、俺の任務、初戦闘は終わった。

 疲れる一日だった。


(だが……まだ終わっていない)


 ――俺自身の任務は、続くのだ。

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