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第13話 任務開始

~任務前日~

 めぐみのせいで散々だった

 確かに、確かに、わからせたけども――

 あれ――俺の正当な怒りだ。コノヤロー!!!

 桜とめぐみの誤解解くのに三日もかかった。

 誠心誠意、誤解解く羽目になったわ!!!

 それで一応納得はしてくれたけど――最後にりんが。


「来週の休み!私たち一人ずつ、どっか連れて行きなさい!!」


 それでチャラにすると――。

 ちなみに、めぐみは終始笑顔のままだったよ!!!


(なんで任務前にこんな目に合わなきゃ、ならんのだ――)


 そう明日は任務当日だ。


「……あー疲れた」


 拠点に着き、俺は休みたい思いを押し殺し、奥の部屋に進む。


ブォン


 見慣れた仮面、デスピエロが映る。


「どうもー!ウルフマンさ…ん?」

「……よう」


 疲れてやつれた顔を見て、デスピエロが言葉に詰まる。


「…お疲れですね」

「ああ…ちょっとな」

「明日、大丈夫ですか?」

「…なんとかする」

「………」


 デスピエロは俺の状態を見て、さすがに少し黙る。


「……まぁ、良いでしょう。明日はお願いします」


 デスピエロは、そこら辺のことは信頼してくれる。


「すまんな――当日の怪人は?」

「カラスマンです」


 ここで組織の紹介をする。

 我らの組織「エル・ノト」はフールキングを頂点に、四天王と呼ばれる最上位幹部。

 上級、中級、下級の幹部、その下に戦闘員がいる。

 ちなみに、俺とデスピエロは上級に位置している。

 今回のカラスマンは下級幹部である。

 

「消しかけるみたいで嫌だな」

「本人は昇進の好機と思っているらしいですよ」


 下級幹部程度では、魔法少女には勝てない。


(だからこそ、今回の作戦なんだが)


「そうか、カラスマンには感謝しよう」

「そうですね」


 そうして、明日始まる。

 ――さて、どうなるか?




~作戦当日~

 ――普段と変わらない日常の風景だ。

 街には何かを楽しむ者、何気ない一日を過ごしたい者、どちらでもない者――

 ――それが今日、俺たちの手で壊れる。


「――ウルフマン様」


 デスピエロが寄越した直属の隠密部隊だ――その数、十人。


「…あいつも心配性だな」

「あなたのことを思えば――」

「わかってる」


 黒いマントに身を包み、フードを被る。

 俺たちの作戦が始まる!


 


 ドカーーーン!!!


 爆発音と共に、黒い羽根が見える。


「カーカッカッカッカッカッカ!」


 計画通り――カラスマンが現れる。


「きゃーーー!!!」

「にげろーーー!!!」


 爆発と人々の混乱で町中はパニックだ。

 そこに三つの光が現れ、包み、別空間を形成する。


(ここまでは報告書通りだ)


 ――そして、現れる。


 ピンクの髪、凛々しい顔つき――

 「花咲く想い!ブロッサム・ハート!」


 青い長髪、氷のように無表情――

 「澄み渡る蒼!アクア・セレナ!」


 黄色の縦ロール、慈愛の表情――

 「優しき光!グレイス・ルミナ!」


 「「「三つの想いを花束に!トリニティ・ブーケ!!!」」」


 トリニティ・ブーケ、我らの要排除対象である。




(とうとお目にかかれたな)


 「ウルフマン様…」

 「ああ…現れたな」


 ――作戦開始だ!!!




戦闘トリニティ・ブーケサイド~

「カーカッカッカッ!!!現れたな、トリニティ・ブーケ!!!」


 トリニティ・ブーケに対し、高笑いをする怪人。


「我が名はカラスマン!!!貴様らを殺す者だ!!!」


 そう言い放ち、攻撃を仕掛ける。


 「あらあらー」


 カラスマンの爪は、近くのグレイスを当てようとした。


 ガキーン


 しかし、それは弾き返されてしまう。


「おイタはいけませんよ?」


 そう言った彼女の前に光の壁が現れる。


「っ…!ヤれ!お前ら!」


 カラスマンは部下たちに攻撃を命令する。


「ラァーーーー!」


 魔法少女たちに勢いよく攻撃を仕掛ける。

 グレイスへの攻撃は壁に弾かれ、アクアへは――

 

 スパァーーン

 戦闘員の身体が、音もなく両斬される

 

「……私の剣の錆になりなさい」

 

 無表情で切り裂く、彼女は狂気的な場面だが、美しくもあった。

 

 ブロッサムは――

 

「ラァーーーー!」


 彼女の杖は槍に変わり――


「は!」


 ビュイーーーン

 その槍の矛先から光線が発射される。


「ラァーーー………!?」


 その光線に倒される敵。近づいた敵には槍で刺す。

 その姿は、天使のようであった。


「お二人とも、あとはわたくしが――」


 グレイスは耐えているだけかと思ったが――

 その手には、光の塊が集まっていた。


「エイ!」


ピシャーーーン

 それを放つと、光の塊が分散し、戦闘員を貫き、消滅する。

 神の裁きというならこのことを言うのだろう。


「カ…カァ」


 その圧倒的な行動にそれしか言えずにいた。


「あとはアナタだけよ」


 ブロッサムがそう言うと、カラスマンは覚悟を決めたのか――


「カアアアアァァァ!!!」


 しかし、彼の攻撃は届かなかった。

 ズサッ――


「……カッ……ァ……」

 ブロッサムの槍に貫かれたのだから――。


「戦闘終了」


 そう言うと空間を解き、トリニティ・ブーケは去っていく。



 

~待機中のウルフマン~

「…カラスマン、見事だったぞ」


 俺は、倒されゆく怪人に賞賛の言葉を送り、任務の遂行をする。


「行くぞ!お前ら!!」

「はっ!!」


 俺の掛け声と同時に建物の上を渡りながら、追う。

 魔法少女に気づかれないように、付かず離れずの距離を保ちながら――。


「ずいぶん遠くに行くな――おい!」

「はっ!この先、廃工場があるのみです」

「――何?」


(わざわざ、人気のない方に?拠点か?しかし――)


 嫌な予感を感じた俺は――


「お前ら!戦闘準備をしておけ!」

「ウルフマン様!」

「罠の可能性がある!」

「っ…!了解!貴様ら!」


 その声に臨戦態勢を取る。

 デスピエロはパフォーマンスと言ったが――


(そうはならないかもな)





~廃工場~

 そう考えている内に魔法少女が止まる。


「どうやらかかったわよ」

「グレイス!」

「かしこまりました」


 グレイスが光の玉を作り上に飛ばす。

 それを中心に廃工場周辺を囲む結界が現れる。


「っ…!?」


(――やはり!)


 どうやら、これは俺たちを閉じ込める檻らしい。


「あなたたちね?最近、私たちを付けていたのは?」


(――最近?)


 アクアの言葉に俺は違和感を覚える。


(――まさか!)


 考えた結果、俺はある結論に至る。


「どうやら偵察部隊は泳がされてたらしいな」

「なっ――!?」


(俺たちは飛んで火にいる夏の虫だな)


 それを一掃するために、ここまでおびき寄せられた訳か。


「アクア!グレイス!」


 ブロッサムの声に二人は戦闘態勢になる。

 そんな危険な状況なのに俺は――


(……面白くなってきた)

 

 不意に笑みが出て来た。


 これが俺にとって初めての――魔法少女との戦闘が始まる。


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