第11話 めぐみの質疑応答②
放課後――
俺は、完全に拉致られた。
俺は今――邑楽めぐみの家にいる。
放課後帰ろうとしたら、十人くらいの黒スーツたちに捕まった。
連れていかれた場所で待っていたのが――めぐみだった。
そこで今はお茶をしている。
「うまいな」
(うまい紅茶だ)
「うふふ。お気に召して頂いて、よかったですー」
高級なソファーでお茶をしている。
(なんとも優雅だなー)
「じゃっ!ねぇーーーだろーーー!!!」
机を叩き、現状問題をめぐみに叩き突きつける。
「誘拐同然に連れて来られて!なんでお茶してんだ!」
現実逃避していたけど、これは聞かなきゃダメだろ!!
俺の言葉にも動じず、めぐみは落ち着いてる。
「すいませんね。私大牙さんに聞きたいことがありましてー」
「あ?聞きたいことだ?」
(なんだよ。俺、問題なんて起こしてねぇぞ!)
お茶をゆっくり飲み、落ち着いた雰囲気をしている。
「実は、桜さんとりんさんに休日に起こったことを話してもらいました」
「は?」
(俺、その時も何もしてないぞ)
強いて言うなら、人助けしかしてない。
「安心して下さい。大牙さんがなにもしてないことは存じています」
「じゃあ、なんだよ」
笑みを見て、俺は何故か背筋に寒気がした。
「りんさんに下の名前で呼び合い――」
(なんだそんな事か)
呼んでいいって言ったのはりんの方だしな。
「桜さんに告白(※まがい)もした…と」
俺は本当にフリーズした。
「……は?」
精一杯出した一言目がそれだった。
「ちょっと待て……」
(俺、告白なんてしたか?)
思い返したが、思い当たる節がない。
俺はめぐみの方を見る。
「どうしました?」
相変わらず、笑みを崩さない。
(え?俺マジでいったの?記憶とんでる?)
頭の中が、お祭り騒ぎのパニック状態だ。
腕を組み、考え込むが、本当に思い当たらない!!!
(俺、確かあいつの姉弟と遊んで、少し雑談した程度だけど?)
記憶を振り絞ってるが、出てこない。
――それを見て、笑いを堪えているめぐみ。
~めぐみサイド~
彼女は悶々と悩んでいる男を見て、笑いを堪えている。
(連れて来た甲斐がありましたわー!!!)
目の前にいる男は、友人たちがよく話す。
(そして、私も観察していた)
確かに、ただならぬ雰囲気を纏っているが、今のところ問題は起こしてない。
(面白味はない人だと思ってけど――)
友人たちが、日に日に彼の好感度が上がっていることに――
(何かできると思っていたけど、まさかこんなすぐできるとは――)
「大丈夫ですか?」
笑いを堪えながら、悶えてる男に声をかける。
「………」
微動だにしない。
「……………」
屈強そうな男が頭を抱え、悶ええる姿。
「……………………」
彼女は限界寸前――そして、その時が来る!!!
「あああああああ!!!」
頭をブンブン振る男の姿に――彼女は……。
……限界にだった。
「ぷっ――」
我慢していたものが爆発する!
「――あはははははははは!!!」
お嬢様とは思えない爆笑をしている。
「あ…え?」
お嬢様が爆笑している状態に脳の処理が追い付かなかった。
~大牙サイド~
「……あの~~」
爆笑しているお嬢様に――俺は今回のいきさつ全部聞いた。
「そんなに怒らないでくだしまし~」
俺は盛大にからかわれ、遊ばれたのだ!!!
(そりゃ怒り心頭にもなるわ!!!)
ただし――
(やり過ぎるなよ、俺)
「悪戯が過ぎたことは謝りますから~~」
今、俺は彼女を壁に追い詰め、両手で逃げられないようにしている。
「黙ってないで何か言ってくださいまし~~」
涙目になって謝罪している、めぐみ。
(――さすがにこれくらいやればいいだろう)
俺は怒りが冷め、許してやることにした。
「……ふうーー」
深呼吸をして、息を整える。
「…もうするなよ」
「え?」
俺がまだ怒っていると思ったのか――子ウサギのように震えている。
「お…怒ってません?」
「もう、怒ってねぇよ」
さすがに、これ以上は…な
(威圧し過ぎて、今後に支障が出ても困る)
「ほら、もう何もしねぇよ」
めぐみを安心させるため、両手を上げ、掌を出す。
「ふにゅ~~~」
そこにペタンと足を地につけた。
「おい?立てるか?」
「こ…腰がぬけました~~」
腰が抜けているようだ。
「…しゃあないなー」
「きゃっ!」
腰が抜けているめぐみを、俺は両手で持ち上げる。
「あ…あの~?」
お姫様抱っこ状態だ。
(恥ずかしいようだが、気にしてられん)
「とりあえず、どこまで運べばいい?」
「そ…それではあの扉の奥の部屋に~~」
扉を開け、奥の部屋のベットまで運ぶ。
「あ…ありがとうございます~~」
「これに懲りたら、もう二度とするなよ?」
「はい~~」
(もう十分反省しているよだな――)
その泣き姿を見て、俺はめぐみの頭を撫でる。
「あ…あの~?」
めぐみは、恥ずかしそうな、照れている顔でこちらを見てる
「ふっ…代金としてはその可愛い顔は悪くないな」
「かっ…可愛いって!?」
「事実なんだから仕方ないだろ?――」
俺は悪戯が成功した子供の様な笑みをする。
「――お嬢様?」
「っ……!!!」
顔を赤くした姿は一段と可愛く見える。
「それじゃあなー」
俺はその場を去ろうとする。
「あ――」
(――ここどこだ?)
結局、めぐみの車で送ってもらった。
(かっこつかねぇなー)
それにしても――
(あいつ、本当に厄介だな)
まさかここまでするとは――
――こうして悪戯お嬢様の質疑応答は終わった。
~めぐみサイド~
今回のことは、さすがに反省しました。
楽しみのために、殿方を困らせてはいけないこと――
――嫌というほどわかりましたわ。
大牙さんの怒り用は、まさに鬼気迫る勢いでした。
大牙さんが寛容な方でなければ、どうなっていたことか。
怒りをすぐに収めてくれたから、助かりました。
その代わり、腰が抜けて立てませんでした。
この部屋まで運んでくれました。
お姫様抱っこは、恥ずかしかったですけど――
そのあとの!!!
私の事――可愛いって!!!
あの笑顔はズルいですわ!!!
大牙さんの笑顔が忘れられませんわ――。
桜さんや、りんさんが好きになっていくのがわかった気がします。
これじゃ、どっちが釣られたのか、わかりませんわ。
明日、どう会えばいいの?
そんなことを考え、お嬢様はベットの中で頭を抱えるのであった。




