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コスプレイオブパルクール  作者: 桜崎あかり
第3話『日本のコンテンツ流通を変えていく』

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13/16

アバン

【テレビを見る時は部屋を明るくして離れてご覧ください】


 例によって、テロップに関しては【テレビを見る時は~】以外は表示されていない。


 何か地震速報やニュース速報でも入った場合には変化すると思うが、このままである。



「馬鹿な? 何故、お前が……これを知っていたんだ!?」


 冒頭は、ある意味でも『これまでのあらすじ』みたいなものなので、第2話ラストの男性転売ヤーとブレイズヴェルグのやり取りから始まった。


 転売ヤーの方は逃げようと考えていた……のだが、ある意味でも近くに掲示されていたデジタルサイネージの方へ視線を向ける。


 その時に目撃した内容は、特撮ヒーロー出身男性俳優が映し出された『特殊詐欺にご注意ください』という内容の掲示。


 しかし、このデジタルサイネージは一定時間の経過とともに別の掲示へと切り替わる方式が採用されている。


 つまり、あの時の光景は……そういう事になるだろう。



「うちの事務所に盗聴器を仕掛けて、コラボ内容を傍受して転売していた人が、良く言うよね?」


 ブレイズヴェルグがビームソードを引っ込め、その後にバットの素振りをするかのように振る。


 もちろん、この素振りをしている際には例のSEも流れていた。当然の事だが、このSEは特撮作品で実際に使われたものなので、許諾を得たうえでの使用である。


 詳細はエンディングのクレジットを参照……と言っても、この場合は第3話のエンディングクレジットだが。


「盗聴? 貴様、もしかして……」


 次の瞬間、転売ヤーの一言に対し、他のメンバーに聞かれることを恐れた彼女の取った行動は……まさかのものだった。


「同人誌即売会でも転売で1兆円規模の……不正転売していた人が、知らないわけはないよね?」


 この一言の後に、転売ヤーの見ていた映像は、ブレイズヴェルグの不正転売防止キャンペーンの映像へと切り替わる。


【不正転売行為は犯罪です。転売罪は、あなたの人生を確実に終了させます】


【やめよう、不正転売】


 まさか、自分たちがトラップに見事引っ掛かるとは予想もしなかっただろう。



 次の瞬間にはよく知るビームソードのテーマ曲が流れてきた。


 当然だがこの曲も使用楽曲にクレジットされている。ボーカルは入っていないので、挿入曲と言うべきか?


 転売ヤーにとっては、この楽曲はいわゆる負けフラグ確定楽曲と言わざるを得ない。


 いわゆる負けフラグBGMの筆頭……それが使われるとは、予想もしていなかったのだろう


 この後、転売ヤーはビームソードで真っ二つに……はさすがにならない。


 本当に真っ二つになったら、コスプレイオブパルクールは日曜朝などの枠で放送不可能だからだ。


 転売ヤーは真っ二つになったように見えたのは、いわゆる演出である。



 今回のバビロンフォースが行った転売ヤーハンターの件は、瞬く間にガーディアンなどにも広まった。


 当然だが、ガーディアンはVtuberの事務所による今回の件を懸念事項と考えている。


 それを言ってしまうと、過去に対電忍で起きたフェアリアルの件なども……となってしまうが。


 その広まりに関して言うと、事件の起きた翌日には事件現場に民放のテレビ局が駆けつけるレベルだ。



「これはさすがに、ライン越え……ってやつじゃないのかな?」


 シグルドリーヴァの開発室……と言うには、明らかに一般的なゲーム会社の開発室などとは違い、少数精鋭なので部屋の広さはそこまでない。


 事務所の1スペースを借りているだけ、と言うにもサーバールームなどもあるので、それはそうだろう。


 書類スペースには様々なフィギュアがブリスターケースに入った状態、もしくは未開封で並んでいる光景は別の意味でもイレギュラーだ。


 実際、シグルドリーヴァのデータ各種は特殊な合金などを使用した小型SSDに記録されており、紙の書類と言うのはほぼ存在しない。


 その為に書類スペースにフィギュアが飾られているという光景、なのかもしれないだろう。


 シグルドリーヴァの開発室がある場所、それは草加市内にあるエンターテイメント施設と言っても過言ではないオケアノスのビル5階だ。


 そこに姿を見せていたのは男性二人、その内の片方は服装を踏まえると秋月穂村あきづきほむらなのだが、今のは彼の一言ではない。


 穂村の座っていたデスクの前にいるのは、身長168位の野球帽を被り、ブルーライト対策のサングラスをした人物。彼の一言だった。


「確かに『転売ヤーは犯罪行為である』と言う事を広めるための計画だったとはいえ、こうも第3勢力が勝手に動くとは……」


 次の発言も野球帽の彼によるもの。喋り方は冷静を装っているが、所々で微妙に感情が出ているようにも思われる。


「あれは第3勢力に含めてはいない。完全な第3勢力は、いわゆる承認欲求に駆られた人間やいわゆる『バズり』狙いの炎上勢力だ。彼らはノーカウントだよ」


 秋月の方は、今回の状況を見てもかなりの冷静さを持っており、ある意味で比較ができているような光景かもしれない。


 バビロンフォースはあくまでもお客の一人、という認識なのだろう。


「だけど、自分が計画したに等しいプロジェクトを1企業が我が物顔で独占していいような物じゃない。それこそ、権利の横取りみたいなもの……」


「落ち着きたまえ。我々もこうなるというのは想定済みだ。あの時と同じように炎上なしで解決できるとは思っていない」


 彼の一言を聞き、落ち着くように言ったのは穂村の方である。


 やはり、彼の方はある意味でも今回の件は致命的と考えているようでもあった。


「言いたいことは分かるが、まずは状況を整理すべきではないのか? マイア」


 穂村の一言を受け、彼……春川はるかわマイアは返す言葉が即座に浮かばなかったのである。


 春川としても色々と考えていることはあるのだが、それを感情的に言ったとしても秋月が許可を出すだろうか?


 それ位は春川も理解している。彼は炎上などのリスクのある危険性のあることには手を付けない。


 特に政治とか海外情勢などは完全スルーを決めている。


 ちなみに、本作もその辺りは転売ヤーの強調と言う意味合いで触れる程度で、メインでそうした勢力が関係することは一切ないので安心してほしい。



 それと類似する時間帯、ガーディアンのメンバーが例の転売ヤーが目撃されたエリアを見て回るが、犯人の痕跡は見当たらない。


 もしかすると、バビロンフォースが証拠隠滅の意味も込めて持ち去った、と言う可能性は否定できないものの、そう決めつけて炎上させるのも何か違う。


 ガーディアンとしては転売ヤーが共通の敵なのは火を見るよりも明らかだ。


 今や1ドルが1円ではないが、100円にも満たない円高傾向は続いている。あの時は、さすがにイレギュラーも過ぎたのだが……気になる場合はあらすじを見よう。


 日本国内は自国で日本のコンテンツを消費することで、ある意味でも経済を盛り上げていたといっても過言ではない。


 それがあったからこそ、シグルドリーヴァがあのパルクールを生み出したのだから。


「痕跡なども全て消えているようです。監視カメラ映像も確認しましたが、何も……」


 幹部と思わしき男性に向かって、メンバーの一人が報告を行う。


 しかし、周囲の店舗から提供を受けた監視カメラ映像にも、転売ヤーは映し出されているのだが……肝心のハンターは映像がない。


 いわゆるステルス迷彩のようなものがあれば、カメラから姿を欺くことは可能だろう。しかし、そういった技術が存在するのだろうか?


「分かった。ここまでくると、完全にお手上げムードだな。他の転売ヤーに関して言えば、情報があるというのに」


 幹部の男性も、周囲を見回すのだが……転売ヤーハンターの痕跡が一切ない、と言う部分は気になっている。


 今回の転売ヤーが、ガーディアンの追っていた転売ヤーと目的の物が同じだけに、そこだけは気にしているようだ。



【エクストリームパルクール、特別トライアルレースを実施。場所は草加市ゲームセンター近辺。距離は2000メートル】


【今回のレースに勝利した上位2名には、サバイバー記念への優先出走権が与えられます】


 ガーディアンの幹部が視点を変えた先に見えたのは、デジタルサイネージ広告だった。


 丁度、あの時も広告が切り替わっていた記憶があるのだが、このエクストリームパルクールの告知は、いわゆる広告として出ているものではない。


 この告知に関して言えば、いわゆるゲリラ配信されているものだった。


 エクストリームパルクール、エントリー自体はインターネット上で完結するものである一方で、誰が主催しているのかは知らないものが多い。


「エクストリームパルクール……一体、誰が主催し、何の目的で開催されているんだ?」


 彼は疑問に思う。


 平日の土日以外で実施される、賞金が出る、更に言えば一定のファンも付いている……それが謎の競技、と言う扱いでSNS上で拡散し、その正体を探ろうとすれば消されるのだ。


 探ろうとして消されるのは、いわゆるまとめサイト勢力や転売ヤーなどと言った部類であり、警察などは一切スルーした。


 警察が関与しない理由は「エクストリームパルクールにARゲームのシステムが組み込まれている以上、手出しは出来ない」とのこと。


 これは過去に同様のARゲーム関係の事件が起きた際の対応と同じだ。


 負傷者は出るものの、最悪の結果にはなっていない。逆に警察が関与して最悪のケースになれば、向こうが協力を拒否することだって否定できない。


 

 そして、オープニングテーマが流れ始めた。

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