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コスプレイオブパルクール  作者: 桜崎あかり
第3話『日本のコンテンツ流通を変えていく』

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12/18

アバン前

 ここでも、例によって第3話放送前の朝のニュースを見てみよう。


 この世界の想像を上回るような現実を、見ることができるかもしれないから。



「おはようございます」


 テレビには、二人のニュースキャスターの姿。左が男性、右が女性キャスターだろう。


 例によって、あのテレビ局のニュースである。転売ヤーのニュースは、ここ数日で見れば他局も取り上げている……と言うのもあるが。


 時間帯は午前7時であり……あのテレビ局は子供向けバラエティー番組を放送している。


 転売ヤーのニュースがあろうと、あのテレビ局が番組を変えないので問題はないだろう。


 むしろ、SNS上での炎上の話題を民放が提供している……動画サイトへ投稿するための話題作り、などとも揶揄やゆされているので……そういう事かもしれない。



「ここで、中継です」


 いくつかのニュースを報じた後、中継に入ることとなった。ここは女性キャスターの方が喋っている。


「今回は画期的な送電技術を広げることになった電波送電の原型、それが運用されている埼玉県草加市から……」


 男性キャスターの一言、まさかのワードには驚きを隠せないだろう。


 電波送電である。送電と言っても、電線経由が比較的に多いであろう中、電波で送電とはどういうことか?



「ここは、埼玉県草加市にある道路からの中継です」


 映し出されたのは、普通に車が通行し、歩行者の姿もあるような道路だ。もちろん、今回の中継に関しても草加市から許可を得たうえでのものである。


 いわゆる迷惑配信者問題などもあって、草加市では原則として中継を行う場合は許可必須と言う事になり、違反すると数百万単位の即日罰金もあるとか。


 映像では、いくつかの電柱があるのだが、そこに電線はない。地中に電線を……と言うタイプでもなく、本当に電柱だけだ。


 その電柱にあるもの、太陽光発電システムと小型の機械があるように見える。


 サイズ的には正方形に見えるが……高さ70センチもないだろう。実際、橋の向こうは足立区なのだが、そちらは電線のある電柱が散見されていた。


 それを見れば、草加市側にある電柱が向こうと異なるのは明らかだ。


 しかし、逆に言えば柱の太さの方が歩道の広さを確保するとはいえ、それでも太く見えるのが気になる所ではあるが……。


「電線の盗難事件、先ほどもニュースで触れられていましたが、転売ヤーによる盗難行為が問題化し、日本中の電柱を全て電波送電にしようと動き、それをわずか半年で実現させた人物に、来ていただきました」


 中継で姿を見せている男性キャスターのこの一言、その後に姿を見せた人物は予想外の人物だったのである。


 即時に電波送電へ切り替えられたわけではなく、中継でもあったようにまだ電線による送電が行われているエリアは、まだ存在することは補足をしたい。


「紹介しましょう。大手ゲームメーカーでARゲームの開発を行っている……」


 何と、その人物とは様々なARゲームで特殊電力システムを開発していた男性スタッフだったのである。


 ゲームで使われるような技術が、まさかの日本における電力問題を解消するような展開になろうとは、誰が思っただろうか?


 特殊電力システムとは、いわゆる発火問題などがニュースにもなったリチウムイオン電池に変わる充電用バッテリー、それをARガジェットに導入するために開発されたものだ。


 電池の材料はレアアースを使っているわけではなく、まさかのファンタジー的なものが使われているという噂はSNS上にあった。


 その昔に『賢者の石』を電力源にして、原子力も未使用な電力発電方法が題材となったWEB小説がミリオンセラーになったことも……あったらしい。


 それが平成中期から後期の頃だという。その頃から、日本は原子力とは全く違う電力を確保し、100%クリーンなエネルギーを使っている、と言う話題もあった。


 その最終進化系こそ、電波による電力確保と言うSFのような世界の技術だったのである。


 太陽光などで電力を生み出し、電波で各所に電力を提供する……ある意味でも銅製ケーブルの盗難及び不正転売を防ぐという意味では画期的だ。



 その後もいくつかのニュースはあったものの、ここでは省略する。


 重要なのは、この世界の日本は脱炭素だけでなく脱原子力も実現させ、クリーンな発電方法で電力を確保することに成功した、と言う事。


 それを生み出すきっかけになったのはARゲームに使用される技術だった、と言う個所を覚えておけばよいだろうか。



 もう一つ、重要な箇所がある。


 それを、これからとある考察サイトの一文を抜粋するような形で言及していこうと思う。



【赤字国債を無くすため、ある総合エンターテイメント企業の取った奇策とは?】


 考察のタイトルには、このような見出しがある。


 日本の赤字国債は異常なレベルで膨れ上がっており、それを減らすことが課題となっていた。


 輸出などで何とかしようにも、海外の増えていく関税の問題がある。


 海外情勢も様々な要素を踏まえ、不安定化していくために日本が取るべき策は国内でお金を巡らせていくことだった。


 それを妨害していた存在が、今や日本で犯罪と言えば一番最初に出てくるワードにもなった『転売ヤー』である。


 ここから先は、一連の考察を抜粋し、場合によっては補足をする形で見ていこうと思う。


 ただし、これが本当に生成AIによる炎上を狙ったフェイクニュースなのか、それともまとめサイトによる陰謀なのかという証拠はない。


 それを踏まえたうえで見ていただきたい、と思う。



 赤字国債を一掃するための方法として考えられたのが、いわゆるコンテンツ流通。


 それを政府主導でやったとしても、一部の特定コンテンツのみが優遇され、それはユーザー目線でよい物かと言うと、そうではない。


 それこそ、海外で売れているコンテンツと日本で売れているコンテンツでは、どうしても色々な意味でも壁が存在するのだろう。


 更に言えば、日本には転売ヤーが存在し、それが更に流通を妨害しているともいわれていた。


 今や通り魔的な無差別傷害事件のようなもの、特殊詐欺、SNSの炎上……そうしたものはほとんど目撃されなくなっている。


 そのレベルで、転売ヤーが日本で起こる犯罪のトップに数年連続で上位にランクインされるような……そんな事になっていた。


 特殊詐欺なども転売ヤーが特定のコンテンツを炎上させるために起こしている、という事が拡散するレベルなのだ。



 その状況下で、挙手をあげた企業があったのである。


 埼玉県草加市にオケアノスと言うコンテンツ関係を取り扱う施設を生み出した、あの会社だ。


 企業名は出せないものの、かなりの大物企業であるのは事実であり、規模としては他作品に名前を残すキサラギなどよりも上らしい。


 その彼らが提案したもの、それはクリエイターの一次創作作品で聖地巡礼やコラボなどを容易に行えるようにする、と言う事だった。

 

 大手の製作した作品であれば自治体コラボなどはあるし、聖地巡礼も活性化している……と言う話はある。


 それを動画サイトや小説サイトで掲載されている一次創作作品にまで広めよう、と言うのだ。


 小説サイトのWEB小説であれば、書籍化や漫画化のようなケースで市場に流通することはあるだろう。


 しかし、それ以外のランキングに入らないような作品……そうした作品にまで聖地巡礼やコラボのハードルを下げて、コラボを行いやすくする、というものだった。


 さすがに舞台が異世界なものは聖地巡礼が不可能に近いので、日本を舞台にした作品を限定、と言うルールはあるようだが。



 もしかすると、対電忍に関して言えば……このメディアミックス方式を利用し、あそこまで拾った事例なのではないか、と思い始めていた。


 インディーゲーム市場から思わぬ大ブレイクをしたという事例は日本でもいくつか存在するため、ある意味でも対電忍は小説におけるインディー市場ブレイク事例になったのでは、と……。

 

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