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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
1章 学校ダンジョン
39/129

#39 オークション

 新宿駅から歩いて新宿ダンジョンがある百人町に向かっている。


「おっきいビルがいっぱいある所からそんなに離れてないんだね~」

「そだねー」

「向こうとは近いけど雰囲気は全然違いますね。向こうはスーツ姿のビジネスマンだらけで、こっちはラフな格好の探索者だらけですからね」


 そんな話をしながらダンジョン協会新宿支部兼ダンジョン協会日本本部の大きな建物に入って行く。


「可憐?可憐じゃない!」

「奈緒!久し振り!元気そうね」

「ええ、それが私の取り柄だもん」

「何言ってるのよ。新宿支部の人気受付嬢が」

「あなたに言われてもお世辞にしか聞こえないわよ。それにしても、凄い美少女を3人も連れてどうしたの?富士森公園支部の新人受付嬢にしては、若過ぎるわよね?」

「ええ、彼女達と彼は、私が担当しているCランクパーティーのメンバーよ」

「えっ!?Cランク!?まだ若そうに見えるんだけど?」

「ええ、若いわよ。みんな、彼女は武田たけだ 奈緒なお。新宿支部の受付嬢を纏めるフロアマネージャーよ。あと、私の昔のパーティーメンバーで高校の同級生なの」

「はじめまして、クローバーのリーダーの黒木 春斗です」

「同じくクローバーの青山 ほのかです」

「同じくクローバーの桃井 雛で〜す」

「同じくクローバーの白坂 唯佳です」

「はじめまして、武田 奈緒です。クローバーって今日のオークションに出品しているあのクローバーですか?」

「そうよ。そのクローバーよ」

「こんなに若いパーティーだったのね」

「ふふっ驚いた?じゃあ、そろそろ時間だし行くわね?」

「ええ、また連絡してね?」

「分かったわ」


 武田さんと別れ、3階にある大きなホールで席に着いた。


「みんなが出品したゴーレムコアⅤは、今日の目玉商品だから1番最後に出てくるわ」

「そんなに遅くてみんなお金残ってるかな~」

「オークションは、その日に出品される物が事前に分かる仕組みになっているので、欲しいと思ってる人はお金を残している物なんですよ?」

「へーそうなんだねー」

「今日はみんなのコアⅤとオリハルコンのインゴット10kgが注目を集めているわ」

「オリハルコン!?手が出せる範囲なら狙ってみようかな」

「最低落札価格2000万円からよ?」

「うぇっ!?」

「春斗っち頑張れ〜アハハ」

「頑張れません...」

「春くん、ヨシヨシ」

「またの機会に期待しましょうね?」


 雛にからかわれ、唯佳とほのかに慰められていると、オークションが始まった。


 今日の出品数は32点。どれも40階層より深い階層で出たレアドロップばかりだけど、特に欲しい物はなく、オークションは残り2点を残すのみとなっていた。


 先に出て来たのは予定通りオリハルコンのインゴット10kg。2000万円からスタートした競りはあっという間に5000万を超え、6700万円で落札された。


 そしていよいよ俺達が出品したゴーレムコアⅤの番となった。


「次のアイテムが本日最後の出品となります。出品者はCランクパーティークローバー、本日Gランクから一気にCランクへとランクアップした、新進気鋭の若き4人組のパーティーで、活動開始が今年の7月2日という異例のスピードでランクを駆け上がって来た、今後大注目のパーティーからの出品です。本物のゴーレムコアⅤである事はダンジョン協会が責任をもって保証致します。世界的に見ても8年振り2個目の確認されたゴーレムコアⅤです。では、最低落札価格2億円からのスタートです」

「3億」

「4億」

「4億5000万」

「5億」


 信じられないスピードで、あっという間に値段が上がって行くのを呆気に取られて眺める俺と唯佳と雛の3人と当たり前の様に眺めるほのかと可憐さんの2人。


 その間にもどんどん値は釣り上がり、最終的に25億円で落札された。


 8年振りの出品だった事、世界で2個しか見つかっていない希少性、前回の落札者製の人造ゴーレムが規格外の性能だった事などが相まって、凄い額になった様だ。


 全てのオークションが終わり、専用カウンターで支払いが行われた。と言っても口座振込なので、現金は見ていない。そのせいか全く大金を手に入れた実感がない。


 ふわふわした足取りでその場を離れると、1人の男性に声を掛けられた。


「よう!お前らがクローバーか?」

「えっ?はい。そうですけど」

「やっぱりそうか、今回はいいもんを手に入れさせてくれてありがとな!何か困った事があれば言って来い。力になってやる。それにしてもホントに若えな。どうやって手に入れたのか気になるが、まあそれはいいや。いいな?困った事があれば言って来いよ?じゃあ、またな!」


 パッコーン!!


 帰ろうとする男性の頭を、一緒にいた女性が思いっきり引っ叩いた。


「竜次!名乗りもしてないのにこの子達にどうしろって言うのよ!?」

「あっ!」

「まったく!ごめんなさいね。突然話し掛けられてびっくりしたでしょ?この馬鹿は下山しもやま 竜次りゅうじ、私は妻の下山しもやま 響子きょうこSランクパーティー宵闇のメンバーよ」

「「「Sランク!?」」」

「ふふっうちのパーティーメンバーはこんな反応ですが、当然存じ上げさせて頂いております。クローバーの青山 ほのかと申します。困った事があれば連絡させて頂きますね?つきましては、連絡先を交換して頂けると幸いです」

「ええ、勿論よ。それにしても見た目通りのお嬢様って感じね」

「お嬢様かどうかはさておき、マナーなどは両親から教わっておりますので、機会があれば、青山クリエイトを宜しくお願い致します」

「なるほど、青山クリエイトさんのお嬢さんだったのね。既にいつもお世話になっているわ」

「ありがとうございます」


 向こうでそんなやり取りが行われている時、俺も下山さんと連絡先の交換をしていた。


「俺の事は竜次と呼んでくれ。春斗、折角だし模擬戦でもやって行くか?」

「いやいやいや、今の俺が竜次さんと模擬戦をしても、何が何だか分からない内に終わっちゃいますよ」

「ハハッ手加減くらいしてやるぞ?苦手だけどな」

「ダメじゃないですか...」

「誰かに教わった事はあるのか?」

「ええ、一応。父が元Aランクの探索者なので、1度模擬戦をしてもらったのと偶にアドバイスをもらったりしています」

「親父さんが元Aランク探索者なのか!じゃあ、しっかり色々と教わっておけよ?ん?お前、黒木って言ったよな?」

「はい」

「親父さんの名前は春輔か?」

「ええ、そうですけど、父を知ってるんですか?」

「知ってるも何も、おい響子。こいつ春さんの息子だってよ!」

「えっ!?ホントに!?そういえば同じ名字ね。えっ?じゃあ、ホントに春さんの息子さんなの!?」

「ええ、まあ」

「俺達がCランクの頃から世話になってる大恩人なんだよ。お前の親父さんは」

「ええ、あなたのお父さんがいなければ、私達は全滅していてもおかしくなかったわ。返しても返しても返しきれない程の恩があるの。困ってなくてもいいわ。女の子達もいつでも連絡して来なさい。何でも話を聞くわよ!」


 その後、唯佳と雛も響子さんと連絡先を交換して解散となった。


「思わぬ縁が得られたわね。しかも黒木部長のお陰でかなり強固な縁が」

「そうですね。父さんに感謝ですね」

「取り敢えず、困った事があれば相談出来る、頼りになる方が増えたのはよかったですね」

「色々聞いてみよー」

「それじゃあ、帰りましょうか」

「「「は~い」」」


 こうしてオークションで予想以上に稼ぎ、予想外の良縁を得られ、色々と実りの多い1日となった。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 この日、クローバーというパーティーの事が一気に知られた。


 あまりにも攻略スピードが早い為、不正を疑われランクアップが一旦保留にされ調査されたが、結局不正はなく実力で攻略していると証明された為、ランクアップされる事に決まったが、その直後に40階層のボスまで倒してしまっていた為に、一気にGランクからCランクにランクアップしてしまった事。


 入手方法は公表されていないが、世界で2個目のゴーレムコアⅤをオークションに出品した事。


 絶世の美少女が3人も所属している事。


 それらが夜のテレビのニュースやネットニュースで報道され、世間の話題となっていった。


 写真は全て美少女3人と美人なお姉さんの4人だけが写ったものだったが...

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