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人界魔討伝〜三魔〜  作者: 人工サンマ
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第六十二魚 逆心

 サンマーズ「超合体!!瞬・斬魔砲」

 チュードーーーーンンンン

 サンマーライオンデラックスカイザーデットリミックスビヨンド「ギョエエエエエエエエエエエエエエエ」

 サンマーズレッド「一件落着だ!」


 ナレーター「遂に宿敵、サンマーライオンデラックスカイザーデットリミックスビヨンドを倒したサンマーズ!!やったぞ!サンマーズ!!」

 ───続く


 三魔「人界魔討伝〜三魔〜このあとすぐ!チャンネルはそのままだ!」


 超合金!サンマーズ七輪!

 サンマを受け継ぎしサンマーズの力を君の手に…!!

 サンマーズ七輪でサンマを焼け!

 超合金DXサンマーズ七輪!

 〜鮮魚売り場にて〜


 サンマーズベーコン!

 サンマーレッド「俺たちのベーコンが発売だ!美味しい!新鮮!食べれるベーコンだ!!」

 サンマーブラック「必ずカードが1枚着いてくる!」

 サンマーグリーン「ゴールドカードを当て豪華景品と交換だ!」

 〜鮮魚売り場にて〜


 おサンマをキメる時は周囲を明るくし、精神状態を整え、周りの目を気にしながらキメましょう。

『三魔との約束だ!』


「僕の名前は荒筋亜番。ある時、異形のサンマを目にし、世界の真実を知りました。闇の中で秋刀魚を武器に異形のサンマと戦う日魔星達を見て、僕の中で何が変わりました。そんなある日、サッカーを題材に書いたら経験者から鋭いツッコミを受けました。今度は野球にします!!」

「それでは、せーのっ!」


「闇ありし所にサンマあり。

(Saury in the dark)

 死をもたらす災厄の化身。

(Incarnation of the disaster that causes death)

 サンマの前にあるのは絶望による死のみであった。

(Despair and die by saury)

 だが、人は希望の光を手に入れた。

(But people got the light of hope)

 人を守り、人を導く存在。

(Those who protect and guide people)

 人は彼らを称えてこう呼んだ。

(People praised them and called)」


『日魔星』


(原作 人工サンマ)

 貫け!走れ!

(制作 サンマクリエイト)

 刃を振るえ!

 金色の夢を抱いて〜


 常闇の街に

(秋水三魔-大平陽 サン・マリアンヌ -インドー・ヨー)

 狂笑が鳴り響く〜

(達-尼本皆 母秋刀魚-尾法)

 絶望の到来

 終末の鐘が鳴り渡る〜

(音響 女川獲 撮影 気仙沼涼)

 誓いを込めた

(照明 釜石旭)

 刃を胸に

 サンマを裂く刃金

(サンマデザイン 人工サンマ)

 金色の夢を抱く者よ

(撮影協力 神戸サンマリンピアランド )

 飛び立て〜闇黒の空に~

(アクション監督 横須賀鮮魚丸)

 闇を討ち倒すために!

(脚本 きょうちゃん)

 貫け!走れ!

 獅子の如く駆けろ!

 喪おうとも吼えろ!

 魔を裂く刃となれ

 三魔~~~!!

(総監督 人工サンマ)


『駆けろ!三魔』


 ────────────────────────

「万浄さんは怖くないの?」

 隣を歩いていた幼子がそう問いかけてきた。

 幼子に合わせるようにゆっくりと伸ばしていた足を止め、サンマの姿を思い浮かべる。

 優に八尺を超える白銀の巨躯、猛虎を思わせる鋭利な爪に、千里を駆ける悍馬の様に逞しき足をもつ魔のモノ。

 ガラス細工を叩き割るように人の頭蓋を砕く膂力と野兎を追い立てる狼のように俊敏な脚力。

 人を遥かに超えたサンマをどうして恐れずにいられようか?

「恐れていては戦えないだろう」

 道理を飲み下し答える。

「なんで戦わなくちゃいけないの?」

 立ち止まった幼子は万浄の瞳を潤んだ眼で見つめた。

「日魔道士だからだ」

 日魔道士はサンマと戦う。

 ()()()()()()()

 万浄が相対する幼子の頃より繰り返し耳にし、口にしてきた絶対の定め。

 唯一無二の解答。

 けれど幼子の眼はまだ万浄を見つめたまま、問いかけ続ける。

「ぼくはサンマが怖い。戦うなんていやだ」

「……それでもだ」

 ──恐れてはいけない、戦わなければならない。

 繰り返す。唯一無二(空虚)な解を。

 戦うことの意味を知らず少年はただ戦えと答え続けた。


 月の涙は零れ落ちることなく、哀傷の一幕は続く。

 月下に広がるのは一つ、また一つと灯火が吹き消される市井の人々。

 悪鬼羅刹、魑魅魍魎。

 人界の理に背く幽鬼(サンマ)共。

 我が子を抱いて走る母親も、必死に縋る我が子の手を振りほどいて走る父親も、皆等しく死屍に成り果てて眠る。

 抵抗などという言葉はなく一方的に繰り広げられる惨劇。

 逃げ惑い、逃げ惑い、死に果てる。

 サンマの嬌笑を人の悲鳴が染める。

 涙を浮かべた月はそれでも隠れることは無い。

 確かにそこにあり、惨劇をひた照らす。

 サンマに肺を貫かれ地面に崩れ落ちた少女は薄雲に浮かぶ月を眺め涙を零した。

 肺は既に血の海で意識は白く霞む。

 それでも少女は強く思う。

 ──死にたくない。

 生きたいと願い、もはや許されぬと理解していながらも少女は思う。

 呼吸をしようと藻掻く。が、吸い込んだ酸素は肺を抜け、留めなく溢れる己の血液で溺れ落ちていく。

 苦しい、死にたくないと思う度に涙は流れ頬を伝う感触が生を伝える。

 ……やがて温もりと苦痛が遠のき、意識が霧散していく。

 純粋無垢、親や友を愛し清廉に生きてきた少女の命は茎を折られた野花のように儚く尽きていった。

 命が一つ潰え血臭はより濃く、静寂へと落ちていく街路は蕭々と。

 されど、まだ幕は落ちぬ。

 暗澹たる街路に足拍子。

 ふっ。と鋼が風を裂く音。

 とんっ。と絶たれたサンマの首が転げる音。

 月光を反射させ鋭利に光る秋刀魚を掲げ武共が集う。

 日魔星、そして日魔道士。そう字名される彼らはサンマを狩り人を守る一条の光。

 秋刀魚とサンマがぶつかり合い鋼の音が響く。

 日魔星が二、日魔道士が一。両の数を合わせて三、対するサンマの数はゆうに十を超えまさしく百鬼夜行。

 多勢に無勢、けれど秋刀魚を掲げて前進。

 彼らの胸中に宿る勇とは如何程のものか、血路を進みサンマの肉を削ぎ骨を断つ。

 無勢など如何するものか吼え立て牙を振るう。趨勢は依然サンマに傾き、日魔星共が一体のサンマを討つ間に三人は人が死ぬ。

 日魔星共が全てのサンマを討ち滅ぼす頃には幾つの命が残るものか。

「魚オオオオオオオオオオオオ!!」

 日魔星共の咆哮。

 愚直な彼らは幾らの人を救えるかなど目せず闘う。

 無論、一の人より十の人を救えればより良し。だが彼らの根底は一を救う為に己を投げ出すという義心。

 救えるものがいるならば喜んで身を投げうつ日魔星共の矜恃である。

 諦めなどという言からは程遠く猛進。

 故に齎された僥倖。否、必然。

 残るサンマの数は片手で数えられる程である。

 趨勢はとうに日魔星共へ傾いていた。

 人を貪っていたサンマ共はその凶刃を日魔星共へ向け対敵する。

 遂に悲劇の幕は降ろされようとしていた。

 …が。

 喜劇に際限はあれど悲劇に際限などない。

 残り少なくなったサンマ共へを討ち滅ぼそうと刃を構える日魔星共。しかし、その足取りは重く、指先は定まらない。

 彼らは果敢で確かな勇士であり、そして所詮は人であった。

「……ぬっぐ!!」

 三人の中で最も老齢、されど最も猛き日魔星が膝を着く。

 今宵は若輩共に負けじと息巻き十を超えるサンマを討ち滅ぼした。これ程サンマが表れることなど経験したことも無く、永き闘争の日々の中でも十を超えるサンマと矛を交えたのは初である。

 勇士の血潮はサンマを屠るごとに血湧き次のサンマを討ち滅ぼせと躍った。

 従うままに秋刀魚を振るい、そして限界が訪れた。

 老齢の日魔星は後ろへ目をやる。

 己の不甲斐なさを痛感し、背中を任せてきた若輩共に希望を託そうとしたのだ。

 だが、続く二人も同様であった。

 老齢の日魔星勇猛苛烈に戦いながら卓越した業で消耗を抑えて戦ってきた。しかし、そのような業が若輩たる二人にあるはずもなく。

 諦めることなどなく勇猛に戦ったが故の必然。

 サンマに抗うなど人の身には過ぎたことであったのだろう。

「逃げろ…」

 老い先短し日魔星はせめての矜恃として背後の二人に声を飛ばし、震える足で立ち上がった。

 サン魔力は尽き、体力も底をついている。

 自分はもう助かりまいと覚悟を決めたのだ。

「こやつらは俺が指し違いででも足止めをする…よいか、他の者を連れてくるのだ」

 決死の覚悟で踏み出す老齢の男。

 その覚悟を受け、歳和書き二人は気力を振り絞って立ち上がり、戦士に背を向け駆け出した。

「来るがいい…この命、貴様らにくれてやる。……だが心せよ。例え四肢をもがれようと残った牙で貴様らの喉笛を掻っ切てくれるわっ!!」

 死地心中と吼え立て戦士が残された力をかけてサンマへと吶喊する。

「魚オオオオオオオオオオオオ!!」

 僅かな余力なれど気迫は鬼人のそれ。サンマですら呆気にとられる程のものである。

 振り下ろされる秋刀魚。

 老齢の日魔星と共に半世紀も近く在った凶刃は弧を描きサンマへ吸い込まれていく。

 ……だが。肉を、いいや、薄皮一枚すら裂くことはない。

 放たれた刃はあまりにも弱々しかった。

 鬼人の様相すら浮かんだ日魔星の吶喊。されど、所詮は蟻が象に挑むが如き無為。

 サンマを呆気取る程の気迫なぞも無為でしか無かったのだ。

「ぐっ………ふっ……」

 気の抜けた声に続き、口元から鮮血が滴る。

 日魔星の一太刀を受けたサンマが無造作に爪を突き刺したのだ。

「ぬっ……ぐぉ………」

 サンマを睨めつけながら日魔星が口を開く。この命尽きる前に怨敵に言を残そうと藻掻く。けれど、舌は回らず力なく血を零すのみである。

 サンマが爪を引き抜き、日魔星の体が地に落ちる。日魔星の体はその先指先一つ動かすことなく事切れた。

 蓋を開けてみればあまりにも呆気ない結末。されど、時間を稼ぐことは出来た。

 老齢の日魔星を背に駆け出した若輩の二人はサンマから遠ざかり魔の手から逃れようとしていた。

 彼らの胸中に在るのは無力感。

 命を投げ打って戦う覚悟があれど人を救えず、共に戦った者を置き去りにして逃亡しているのだから。

「くそっ……くそっ……くそっ……!!」

 自身への憤りを吐き出しながら日魔星は走る。

 その二歩ほど前方を日魔道士。

 両者共に鮮血の唾を吐き出せるほど歯噛みしひた走る。

 そして、その先に影が三つ。

 内二つはサンマ、一つは人間のものである。

 走る二人は影を認め、前を走っていた日魔道士は足を止める。

 連られて足を止める日魔星。

 一瞬の静寂。

「どうして……どうしてそこにいるんですか万浄さん!!」

 静寂の後、日魔道士が声を上げる。

 ここからは喜劇。旧友の邂逅である。

 ────────────────────────

 子「僕がこんなに笑顔なのは(●︎´▽︎`●︎)」

 子「このチョコが美味しいから…だけではなく!!」

 子「七輪の形をしているからです!!!」

 子「( ´ิω´ิ )」

 〜七輪チョコ発売中〜


 サンマの源

「サン魔力☆全開ッ!!」

「~~~~~~♪」

「(サンマの塩焼きを食べる音)」

「~~~~~~♪」

「サンマの塩焼きの元~発売中~」

 ────────────────────────

「どうして……どうしてそこにいるんですか万浄さん!!」

 万浄と呼ばれた男、サンマの傍らに立つ男はその叫びを黙して応える。

 代わりにサンマが彼らの元へ歩み寄る。

 既に戦う力など尽きた二人。だが、そのまま無抵抗で貪られるはずもなく僅かな余力で構える。

「答えてください!!万浄さん!!」

 拳を構えながらも若き日魔道士は万浄へ問いかける。

「あなたが裏切ったって……みんなそう言うけど僕はあなたを信じているんです!!」

 日魔道士の切なる叫び。

「だって、あなたが僕にサンマと戦うことを教えてくれたからっ!!だから僕は戦える!!恐れずサンマと戦えるっ!!」

 幼き日を回顧し、万浄へ叫ぶ。

 だが、万浄は眉ひとつ動かすことなく、代わりサンマが迫る。

「おい……もう諦めろ……」

 日魔道士の叫びを聞きながら日魔星が告げる。

「ともかく目の前のサンマを倒す以外俺たちに道はっ……」

 日魔道士を宥める声は途中で止む。

 秋刀魚を構えてサンマを迎え討とうとしていた日魔星。だが、幾ら気力を振り絞っても所詮は瀕死。サンマが一足にて間合いを詰め凶刃を震えば方が着く。

「あっ……あっ……」

 日魔道士は悲鳴にならない嗚咽を零す。つい先程まで背中を預け死線を掻い潜って来た日魔星が呆気なくも事切れたのだから。

 視界が揺らぎ、足の力が抜け、地べたに臀を着く。

 分かったのだ。

 次は自分の番なのだと。

「万浄さんなんで…」

 震える舌を無理やり従わせ繰り返し問いかける。

 両の腕を後方へと延ばし背後へと後ずさる。

 サンマを恐れてならぬと万浄から教わった。それを胸に戦い続けてきた。

 けれど、畢竟人の身。

 突きつけられた死の前に無様に震え上がる。

 かつて親交があった少年を見下ろし、万浄は不動。

 その姿をサンマが覆い、少年の視界が埋まる。

「なんでっ…見てるんでずがぁ!!」

 腹部に爪が深々と突き刺さり、内蔵を掻き回され明滅する痛みの中、日魔道士は万浄への問いかけを辞めない。

「ほんどうにっ…ほんどうにっうらぎっだっんですが!!」

 やはり返答はなく、臓腑を裂かれる痛みの中、日魔道士は息絶えていった。

 旧友との邂逅、離別。

 一瞬の交差で喜劇は幕を閉じた。

 残された演目は……

「遅かったな日魔星」

 それまで黙していた万浄が漸く口を開く。

 声が落ちる先には一際強く月光を弾く秋刀魚を掲げた男。

「今度こそ決着をつけようか」

 村正刀魚を構え三魔と呼ばれる日魔星が舞台に上がる。

 残される演目は決闘。

 白銀の武者と漆黒の武者の交わりである。

 ────────────────────────

 夕陽に縛られて

(秋水三魔-大平陽 サン・マリアンヌ-インドー・ヨー)

 広がるあなたの影

(達-尼本皆 母秋刀魚-尾法 )

 その影に縋りたくて

(駆けろ!三魔 歌-秋水三魔 作詞作曲-人工サンマ)

 あなたの傍を歩きたくて

(進め!日魔星! 歌-マリアンヌ 作詞作曲-人工サンマ)

 振り返らず

(撮影-気仙沼涼 音響-女川獲 照明-釜石旭)

「さよなら」は言わないで

(サンマデザイン-人工サンマ)

 夕闇に溶けた

(企画-旭川海 制作進行-田老丸)

 思い抱えて走るよ

(編集-七志権兵衛)

 いざ進め!私よ進め!

(シリーズ構成-トウキョウ・ワァン)

 恐れを振り払って

(音楽-オオサカ・ワァン)

 涙は要らない

(美術監督-瀬戸内獬 アクション監督-横須賀鮮魚丸)

 いざ進め!私よ進め!

(原作-人工サンマ)

 きっと いつの日か

(脚本-人工サンマ)

 たどり着くと

(総監督-人工サンマ)

 信じて───


『進め!日魔星』


 ナレーター「次回の三魔は!?」

 次回予告。

 それは自失と妄執。

 偏狂に囚われた心は如何するか。

 ナレーター「次回、未定。ポニーテールはいいぞ!三魔!!」


 この番組はご覧のスポンサーの提供でお送りしました。


 宗教法人三魔の会

 SANDAI

 三間建設

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