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人界魔討伝〜三魔〜  作者: 人工サンマ
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第六十魚 解除

 サンマーグリーン「レッドぉぉおおおおおお!!俺はお前を殺すッ!!」

 サンマーレッド「やめろグリーン!俺はお前と戦うつもりなど…ぐわぁぁ!!」

 サンマーピンク「レッド!!」


 ナレーター「グリーンの強襲を受けたレッド…果たして生きているのか…!?」

 ───続く



 三魔「人界魔討伝〜三魔〜このあとすぐ!チャンネルはそのままだ!」


 超合金!サンマーズ七輪!

 サンマを受け継ぎしサンマーズの力を君の手に…!!

 サンマーズ七輪でサンマを焼け!

 超合金DXサンマーズ七輪!

 〜鮮魚売り場にて〜


 サンマーズベーコン!

 サンマーレッド「俺たちのベーコンが発売だ!美味しい!新鮮!食べれるベーコンだ!!」

 サンマーブラック「必ずカードが1枚着いてくる!」

 サンマーグリーン「ゴールドカードを当て豪華景品と交換だ!」

 〜鮮魚売り場にて〜


 おサンマをキメる時は周囲を明るくし、精神状態を整え、周りの目を気にしながらキメましょう。

『三魔との約束だ!』


「僕の名前は荒筋亜番。ある時、異形のサンマを目にし、世界の真実を知りました。闇の中で秋刀魚を武器に異形のサンマと戦う日魔星達を見て、僕の中で何が変わりました。そんなある日、三魔さんがサンマスコミ名乗るサン魔と対峙し激闘を制しました。しかし、一つの戦いが終わっただけ…これからもサンマとの戦いは続きます…」

「それでは、せーのっ!」


「闇ありし所にサンマあり。

(Saury in the dark)

 死をもたらす災厄の化身。

(Incarnation of the disaster that causes death)

 サンマの前にあるのは絶望による死のみであった。

(Despair and die by saury)

 だが、人は希望の光を手に入れた。

(But people got the light of hope)

 人を守り、人を導く存在。

(Those who protect and guide people)

 人は彼らを称えてこう呼んだ。

(People praised them and called)」


『日魔星』


(原作 人工サンマ)

 貫け!走れ!

(制作 サンマクリエイト)

 刃を振るえ!

 金色の夢を抱いて〜


 常闇の街に

(秋水三魔-大平陽 サン・マリアンヌ -インドー・ヨー)

 狂笑が鳴り響く〜

(達-尼本皆 母秋刀魚-尾法)

 絶望の到来

 終末の鐘が鳴り渡る〜

(音響 女川獲 撮影 気仙沼涼)

 誓いを込めた

(照明 釜石旭)

 刃を胸に

 サンマを裂く刃金

(サンマデザイン 人工サンマ)

 金色の夢を抱く者よ

(撮影協力 神戸サンマリンピアランド )

 飛び立て〜闇黒の空に~

(アクション監督 横須賀鮮魚丸)

 闇を討ち倒すために!

(脚本 きょうちゃん)

 貫け!走れ!

 獅子の如く駆けろ!

 喪おうとも吼えろ!

 魔を裂く刃となれ

 三魔~~~!!

(総監督 人工サンマ)


『駆けろ!三魔』


 ────────────────────────

 朧月夜。

 眼下に広がる惨劇に月が憐み涙を浮かべているのだろうか。

 霞んだ月を映し出す川面の直ぐ側に死体が二つ。

 老年に差し掛かる前の白髪が混じりながらもまだ張りのある皮膚を纏った壮年の頃の男が一つ。

 丁度青年に差し掛かった頃、若々しく柔らかな肌にこのころ特有の面皰で荒れた顔をした男が一つ。

 どことなく似た鼻筋と全く同じと言っても差し支えない目元が、二つの死体が父子のものであると伝えている。

 二つの死体に共通していることはどちらも無造作に打ち捨てられていること。

 腹部、胸部、それぞれに孔が穿たれどうしようもない致命傷を負ったであろう父子は僅かな抵抗も許されることもなく水揚げされたさんまの様に息絶えた。

 その場に残された命は三つ。

 愛する夫と子を喪った母と、同様に愛する者を喪った娘、そしてこの惨劇を引き起こしたサンマである。

 娘はまだ少女と呼ぶべき容姿をしており、死体も含めてこの中で最も歳若いことが窺える。

 幼い少女は母の胸に抱かれ、震える(まなこ)をサンマに向けていた。

 サンマは血塗られた鉤爪を月夜に翳していた。幼子が新しく手に入れた玩具に見惚れる様に無邪気に。

 それがどういった意図なものか。残された獲物の恐怖心を煽るものなのか、はたまた滴る血に悦楽を見出しているのか。

 判別などつかず、そもそもどうでもよいことなのだろう。

 身を震わせ恐怖に呑まれ狂乱に落ちていくばかりの母娘にはどうでもよいのだ。

 サンマが己の鉤爪に見惚れている僅かな時間、母娘にとっては残された人生の数刻。

 二人はそれぞれの思いを巡らせた。

 …母は笑った。

 心が耐えきれず、自然な、平静である時のように笑を零したのだ。

 それは一種の狂乱であり、防衛である。

  つい先刻まで己の命が危ぶまれるなど考えもしなかったのだ。

 夫は夏休みの思い出にと、笑っていた。

 愛する我が子のために意気揚々と準備し山腹のキャンプ場へ連れてきてくれた夫は息絶え地べたに体を投げ出されている。

 自分も直ぐにそうなるのだろう。

 傍観。たった一回、笑を零したことが母親の冷静さを幾分か取り戻し、故にこそ傍観。

 嗚呼、冷静さなど要らなかった。そう気づいた時はもう遅し。

 母親は再び恐怖と対面することとなった。

 人の心の弱さは時にして慈しみ、強さは時にして苦しみ。

 歯をカチカチと鳴らせ、身震いする両の腕に力を込め、まだ息あるもう一人の我が子の存在に気づいた。

 錯綜する思考の中、ただ失念していたのだろう。

 守るべき我が子を強く抱き締め、母親の頭の中に一つの考えが浮かんだ。

 それは冷静さを取り戻したが故の狂乱だった。

 …娘は涙を零した。

 柔軟な時の背、母よりも幾分も弱々しく無垢な少女の心はガラス細工のように砕け散ってあるのはただ悲しみのみ。

 記憶が早馬のように過ぎ去っていく。

 いつも仕事で遅くに帰ってくる父との会話は少なく、過敏な時期ながら幾ばくかの寂しさを感じていた。

 それを表に出すことは悔しく、憤りが父だけではなく母や兄とも距離を作った。

 家族を疎ましく思いながらも、心のうちでは家族を求めていた。

 素直な気持ちを包み隠し、突っ撥ねるような態度を取る事に一抹の寂しさが胸に積もる。

 だから、父が此度のキャンプを計画し誘ってくれたことは嬉しかった。

 口や態度では真逆を示しながらも心は躍り、友達との会話には父が計画した夏休みの楽しみが織り交ぜられ、ネットサーフィンの履歴にはキャンプの楽しみ方などがいくつか。

 週末になる度に兄と父が出かけ様々な道具を買ってくる。興味はないと答えながらも、意気揚々と製品について語る父に必ず耳を傾けていた。

 ありたいていに言ってしまえば幸福。

 少女は待ち望み、ひた心を踊らせていた。

 幸福な記憶、家族の特別な一幕。

 それが、どんな慰めになるだろうか?

 なりはしない、なるわけがないのだ。

 既に狂乱へと堕ちた少女には瑣末な過去の幸福など何ら救いにはならない。

 娘はそれ以上、何も思わなかった。

 もはや零れ落ちる涙に意味などない。

 …サンマは嗤った。

 鉤爪を眺めるのに飽いたのだろう。

 一歩、二歩、と歩を進め母娘へと向かう。

 非常にゆったりとした所作。抵抗などないと分かりきっていたサンマはわざと緩慢な動作で歩みを進める。

 月明かりがいっそう曇り、辺り一帯が陰る。

 光が霧散した闇の中ではあらゆるものがぼやけ、確かな実態を持たぬ幻燈のようである。

 その中でも、確かに。

 我が子を抱き抱えた母の腕の中に。

 愛、と呼ばれるものはあった。

 たった一つの所作で何よりも確かにそれは現れていた。

 我が子を守ろうと、サンマに背を向け肉壁となるように、隠すように抱き抱える母親。

 美しく無為なものが息づいていた。

 無論、鉄をも裂くサンマの鍵の前では人一人覆いかぶさった所で意味などない。

 それを知ってか知らずか。いいや、そんなこと関係なく我が子を守ろうと抱きしめる。

 母親とはそういった者なのだろう。

 サンマがまた一歩、歩みを進める。母娘との距離は二、三歩程度。

 終幕がいよいよ目前へと。

 そこで、母が立ち上がった。

 そして、サンマへ背を向けたまま駆け出した。

 母親が選んだのは、我が子をサンマから守るために無意味に抗うのではなく、我が子を置いて逃げることであった。

 悪気がある訳では無い。それも結局は狂乱なのだから。

 母親とて命は惜しい。

 一度冷静さを取り戻した故の狂乱。

 母親は己の我欲のためにひた駆ける。

 娘のことなど頭の片隅にすらない。

 縺れる足を前へ前へと運び、宙を掻くように手をばたつかせる。

 必死に己のが命を掴み取ろうと我武者羅に駆ける。

 ……結局は、愛も不確かであったということなのだろう。

 一人残された娘はわけも分からずサンマに潰された。

 母に見捨てられたことも分からず、途端に開けた視界に写ったサンマに無情にも潰された。

 悲鳴を上げることなく絶えていった娘を背後に無様にも手足を投げたしている母親。

 木々は開けていき広がる視界で他の家族のテントを捉えた。

 夏休みということもあり、様々な家族がキャンプに訪れているのだろう。

 僅かな安堵。他の者達も合流すれば魔の手から逃れることが出来る。

 浅はかにもそう考え、悲鳴を上げながらテントへと向かう。

「…愚図が」

 ふと、背後より人の声。

 発せられた内容の意味を考えることなく母親は振り返った。

 誰でもいい、助けて欲しいと。

 首を回し、振り返り、妙に高い視界を自覚すると同時に息絶えた。

 とん、とんっ。

 手毬が地を叩く音のような子気味良い音を立て頭が一つ転がる。

 頭部を失った体が一直線に倒れ動かなくなった。

 朧月が地を照らす。

 人絶えた山腹。

 残されたのはサンマと人を斬る三魔人。

 途絶え途絶えに広がる血溜まりを照らし、月はやはり泣いていた。

 ────────────────────────

 ラッキーセット!

 ラッキーセットに三魔達が登場だ

 三魔「俺が日魔星だ!」

 子供「喋ったァァァァァァァ!!」

 達「We are SANMASTER!!」

 子供「喋ったァァァァァァァァァァァァァ!!」

 I like so bad.


 三魔

 DX村正刀魚

 サン魔力を使って必殺技を放て!

 三魔「零刀・散魔」

 チュドーン

 村正刀魚でサンマを討て!!

 DX村正刀魚好評発売中

 ────────────────────────

「任せたぞ達」

「お前こそな」

 短い会話を交わし三魔と分かれる。

 朧月夜、まばら月光の中、各地でサンマの出現を察知し日魔星達が夜闇に駆り出されていく。

 俺も例外ではなく、二本の秋刀魚を携え駆ける。

 向かう先はサンマウンテンの山腹にあるキャンプ場。

 闇に飲まれ一種異様な雰囲気を醸し出す木々の間を抜け、登り続ける。

 二十分ほど登っただろうか、真夏の夜、じっとりとした残暑に汗を浮かばせながら足を前へ前へと進める。

 不意に視界は開け、幾分か明るい広場に出る。

 いくつかのテントが張られており、明かりのついたテントより人の気配を感じられた。

「誰かいるか?」

 秋刀魚に手をかけ、一応の用心をしながらテントに近づく。と、感じたのは血の匂い。

 生存者はいるかと問いかけたのだが、その望みが薄いことを脳裏で感じる。

「………」

 沈黙のまま開きっぱなしのパネルに手をかけ捲る。

 果たして目にしたのは…やはり、と言って良いのだろうか。血なまぐささで答えていたように人の死体。

 背後から心臓目掛けて一直線に突き込まれた傷、血の匂いを無視して近くで確認すると刀傷であった。

「まさか…」

 一瞬、警告にも似たような胸のざわめきが走る。

 サンマは鋭い鉤爪を使って人を襲う。なれば、刀傷など出来るはずもなし。

 この惨劇を引き起こしたのはサンマであらず、超常の力を振るうサン魔であると考えるのが自然である。

 幾度なくサン魔と対峙してきたが、楽な戦いなどなく幾多屠ってきたからこそ、その恐ろしさを知っている。

 目を一度閉じ、深く深呼吸。

 心を鎮め、辺りを見渡す。

 対敵がサン魔であるならば冷静さを欠くことは死に等しい。

 先ずは手がかりを探すと、それは直ぐに見つかった。

 男の体から、山頂の方へ向かって血の跡が点々と。

「罠だろうな」

 口に零し、血の跡を追いながら歩き始める。

 血払いを済ませ納刀すればこうも分かりやすく跡が残るまい。

 敢えて残したと考えるのが妥当だろう、と見切りをつけ次第次第に大きく間隔をあけていく跡を見逃さず山頂の方へ。

 開けた視界が再び木々で遮られ、数十メートルで再び開く。

 そこにあるのは川を跨ぎ山頂へと続く石ばしであった。

 秋刀魚に手をかけ構える。

 血の跡が向かう先、石橋の中点に一体の影。

 月光に照らされ露わになる姿。

 刀のように曲線を描く銀の胴体に、逞しき足と鋭き鉤爪。

 紛れもないサンマの姿である。

 サンマは俺に背を向け両の腕に何かを抱えていた。

 好機。サン魔ではないとはいえ、サンマは脅威である。例え不意いちであろうと労せずに討ち倒せるのであれば越したことは無い。

 秋刀魚を抜刀し、闇に紛れて迫る。

 俺に背を向けたまま気づく素振りのないサンマ。

 果たして労せずに間合いを詰め、双刀の秋刀魚を走らせる。

 左右二つの方向より走る刃、空を斬りサンマへ。

 と、空を斬る音で気づいたのだろうか。サンマがこちらへ振り返った。

 だがもう既に時遅し。逃れることが不可能なまでも迫った刃がサンマの首へと食い込み、肉を切り裂いていく。

 …そこで、俺は気づいた。

 サンマが抱えていたものを。若々しく、白くか細い少女のものと見られる腕を。

「……っ!!」

 目にした一瞬の後に秋刀魚へ怒りが伝わり、強引なまでな力でサンマの首を斬り落とす。

 左右から交差するように二刀に斬りつけられたサンマの首が行き場を無くしたように銅から離れ地に転がる。

 数瞬遅れて主を失った体が地に倒れ、サンマは呆気なく事切れた。

 サンマの死体を見下ろし、その脇に投げ出された少女の腕を捉える。

 腕一本、それだけでその持ち主が事切れていることが窺える。

 至極単純なことである。

 この腕の持ち主、いいや、先程の死体…俺は…

「随分と遅かったな」

 言葉の先を、橋の先、闇の中から響く声に奪われる。

「お前か…」

 二刀の秋刀魚を円相に構え対敵を見据える。

「…あの時の日魔星か」

 石橋に足音を響かせながら一人の男が姿を現す。

 万浄。

 人でありながらサンマに与する者である。

 秋刀魚を向け吶喊する。

 一足にて間合いまで詰め一閃。

 カンっと刃鳴る音。

「お前はなぜと問わぬのか?」

 俺の刃を受け、万浄が問いかけてくる。

「言葉を交わす必要などない。お前と交わすのは刃で十分だ」

 言い放つが否や、押し切る為に合わせた刃に体重をかける。

「ふっ、道理だな」

 俺が刃を押し込めると、万浄は右半身を引き体を滑らせるように背後へ退いた。

「所詮我らが同じ道を行くはずも無い。違えるだけなのであれば交えるは刃のみでこと足りる」

 互いに一足一刀の間合い。互いの刃が打突にて対敵に届く。

 生身を晒す肉は秋刀魚の鋭き刃にて容易く切り裂かれる。

 故にこそ互いに必殺の間合いである。

 小高い山の一陣の風が頬を撫で互いに膠着。

 細胞の一つ一つを読み手に回し、僅かな呼吸の動きすら見逃さぬ。

 対敵の動きを見誤れば死。

 単純な論理な元、硬直し対敵を見据える。

 万浄が構えるは上段、対する俺はやはり円相。

 狙うは後の先、万浄の手を受けて返す刃でその喉元を突き破る。

 二刀流の受け手としては利き手に構えた本座で対敵の刃を受け、作った隙で逆の腕に構えた脇差で討つという手がある。

 万浄の一撃を右の打刀で受け、左手の小太刀で突く。言葉にすれば単純である。

 だが、やはり実践はそう易くない。

 万浄は天を衝くように大きく上段に構えてる。その威力は計り知れず、右手一本の受けでは受けきれず押し切られてしまう恐れもある。

 ならば取れる手は、万浄の一手を誘い、振るわれると同時に右半身を引き、返す刃、本座での刺突である。

 手を選び、万浄を見据えて硬直。

 万浄の一瞬の起こりを見逃さずに打ち返さねばならない。

 半眼にて捉え、吹き付ける風が肌を撫で回す感触に痛みを感じるほど鋭敏に感覚を研ぎ澄ます。

 万浄は動かず。

 万浄は揺れず。

 万浄は震えず。

 …そして、風が止んだ。

 空気が幾ばくが軽くなったような感覚。

 それが、契機であった。

 万浄の一刀が空気を裂き、震わせる。

 迫る刃、合わせて右半身を揺らし一歩引く。

 目論見が当たり、万浄の刃は鼻先を掠め通り過ぎてゆく。

「終わりだ」

 呟くよりも早くであっただろう。

 右手に構えた本座を万浄へ刺突し……

「なっ……?」

 刺突が万浄へ届くよりも早く、俺の体に熱が走った。

 胴体を下部より一直線に、先程の斬撃をなぞるような剣閃が走り斬り裂かれる。

 俺の眼前を、俺の血液が舞う。

 受けた一撃で視界が揺らぎ、握っていた秋刀魚が手を離れ落ちる。

秋刀魚返し(つばめがえし)…お前らの技だろう?」

 目の前から発せられただろう万浄の言葉が酷く遠くから聞こえる。

 大量の出血と痛みで、意識が白く染まり、制御の効かない足が縺れ後ずさる。

 石橋の手すりに体を預け、万浄を見すえる。

 掠れる視界の中で万浄は刃を俺に向け止めを刺そうと構えていた。

 このまま殺られる訳にはいかない。

 重たい腕を持ち上げ、徒手空拳ではあるが構える。

 と、瞬間。

 溢れ出る出血のせいか意識が一瞬途絶え、平衡感覚を失った俺は背後へ倒れかかり、宙へと投げ出された。

 重量に引かれ落下していく。

 石橋の上からは万浄が覗いており、落下し続ける俺に言葉を発する。

「さらばだ、日魔星」

 幻聴か否か、その判別もつかぬうちに俺は川面に叩きつけられ意識を失った。

 ────────────────────────

 ────────────────────────

 夕陽に縛られて

(秋水三魔-大平陽 サン・マリアンヌ-インドー・ヨー)

 広がるあなたの影

(達-尼本皆 母秋刀魚-尾法 )

 その影に縋りたくて

(駆けろ!三魔 歌-秋水三魔 作詞作曲-人工サンマ)

 あなたの傍を歩きたくて

(進め!日魔星! 歌-マリアンヌ 作詞作曲-人工サンマ)

 振り返らず

(撮影-気仙沼涼 音響-女川獲 照明-釜石旭)

「さよなら」は言わないで

(サンマデザイン-人工サンマ)

 夕闇に溶けた

(企画-旭川海 制作進行-田老丸)

 思い抱えて走るよ

(編集-七志権兵衛)

 いざ進め!私よ進め!

(シリーズ構成-トウキョウ・ワァン)

 恐れを振り払って

(音楽-オオサカ・ワァン)

 涙は要らない

(美術監督-瀬戸内獬 アクション監督-横須賀鮮魚丸)

 いざ進め!私よ進め!

(原作-人工サンマ)

 きっと いつの日か

(脚本-きょうちゃん)

 たどり着くと

(総監督-人工サンマ)

 信じて───


『進め!日魔星』


 ナレーター「次回の三魔は!?」

 次回予告。

 それは音と旋律。

 奏で続けられる残響。

 ナレーター「次回、未定。ポニーテールはいいぞ!三魔!!」


 この番組はご覧のスポンサーの提供でお送りしました。


 宗教法人三魔の会

 SANDAI

 三間建設

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