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人界魔討伝〜三魔〜  作者: 人工サンマ
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第三十五魚 小物

 おサンマをキメる時は周囲を明るくして、精神状態を整えてからキメましょう。

『三魔との約束だ!』


 闇ありし所にサンマあり。

 死をもたらす災厄の化身。

 サンマの前にあるのは絶望による死のみであった。

 だが、人は希望の光を手に入れた。

 人を守り、人を導く存在。

 人は彼らを称えてこう呼んだ。

『日魔星』


 Saury in the dark!! Saury in the dark!!

 闇の中へ〜

 Saury in the dark!! Saury in the dark!!

 刃を掲げ〜

 Hope is a sword!!

(前奏)

 血に飢えしサンマ〜

 大罪の炎がその身を灼く

 夜を駆け

 奴らを狩れ

 正義の刃

 悪を切り裂け〜

 Saury in the dark!! Saury in the dark!!

 闇の中へ

 Saury in the dark!!Saury in the dark!!

 刀は掲げ〜

 サンマを断て!!

 正義の刃を執り

 運命を討ち破れ!

 Hope is a sword!!


『斬り裂け!サンマ』


 高らかなサンマッチャーの嘲笑。

 サンマウスの主砲と副砲が命を刈り取るため鉄の雨を降らせようと、サンマーベリックに向かう。

 あわや絶対絶命。

 つい数瞬後には火が噴き、サンマーベリックの命は容易く潰えるであろう。

「幕切れにはちょっと早いんじゃないのかな?」

 サンマーベリックの背後より声が響き、二つの影が躍り出た。

 一刀にて全てを断つ者と、二刀にて全てを穿つ者である。

 同じく秋刀魚を携え、真逆に位置する二人。

 しかして、断つべきものは等しく同じ。

「俺が終わらせてやる」

 秋水三魔が村正刀魚を構える。

「いいや…俺たちがだろ?」

 達が並び、二刀を構える。

「…今宵この時だけだ」

 サンマーベリックが刀を構える。

 それぞれの刃がサンマを断つ為に重なり合う。


「三人になった所で何もかわらん!!」

 サンマッチャーが叫び、サンマウスの銃口が向けられる。

「行くぞ」

 村正刀魚を下段に構え、二人に投げかけるとサンマウスに向かって駆け出す。

 主砲による砲撃は脅威だが、取り回しの問題上、近づければその脅威も薄れる。

 そも、近接武器のみしか持たぬ以上、間合いに入らない限り勝機はない。

 サンマウスは一直線に向かう俺達を近づけさせまいと副砲を掃射するが、狙いが三分割された以上、弾幕は薄い。

 飛び交う弾丸(さんま)を叩き落としながら進む。

 足元にさんまが打ち付けられ続ける中、距離を詰め目前まで達する。

 弾幕のない懐まで潜り込み、村正刀魚を打ち付ける。

 同時に達とサンマーベリックも刃を打ち付け、秋刀魚と鋼がぶつかり合う高い音が響く。

 が、打ち響くのみ。

「効かぬわ!!」

 サンマッチャーの叫びどおり、サンマウスの装甲に傷はつけど浅い。

「離れろ小虫ども!!」

 サンマッチャーが体を乗り出し、携えた秋刀魚大銃をぶっぱなす。

 狙いのない乱射であるが、足元を撃たれ飛び退く。

 俺たちが飛び退いたに合わせてサンマウスが後退を始め再び距離を取られる。

 すぐに距離を詰めようと、村正刀魚を構え駆けようとするがすかさず副砲により弾幕を張られ、物陰に隠れる。

 物陰から身を乗り出し辺りを見回すが、達とサンマーベリック共に倒壊した第二工場の陰に身を隠したようだ。

「丸見えだ馬鹿どもめ!!」

 サンマウスの主砲が回転し、二人が隠れている第二工場の方へ向けられ、火を噴く。

 轟音と共にさんまが飛来するが、すんでのの所で二人が転がりでて、直撃を避ける。

 すかさず副砲が火を噴き、さんまの雨が降るのだがそれを避けるように二つに分かれて側面へ回り込む。

「小癪な!」

 サンマッチャーが身を乗り出し秋刀魚大銃を構えるが、どうやら俺は意識の外らしい。

 物陰から村正刀魚を向け、腕を引くと踏み込むと同時に振り抜くと投げつける。

 村正刀魚が宙を駆け、一条の矢と化してサンマッチャーの右腕を斬り裂くと、その先にあった工場の壁に突き刺さった。

「ぐっほぉう…!!お前ら…右腕ばかり!!」

 肘より先を斬り落とされた右腕を押さえてサンマッチャーが痛々しげに吠える。

 構えていた秋刀魚大銃を落とし、拾いあげようと屈む。

「余所見をしていいのか?」

 サンマーベリックがサンマウスに駆け上がると、サンマッチャーに刀を向け問う。

「くっそ!!」

 サンマッチャーが叫ぶと同時に、サンマウスが急速発進し呆気に取られたサンマーベリックが振り落とされる。

「油断したな馬鹿め!!サンマの科学力は人間よりも数段上なのだ!!サンマイクロエレクトロニクスを搭載したこのサンマウスは自立行動も可能なのだァ!!」

 サンマッチャーの高笑いと共に、機体が遠ざかっていく。

「あれがサンマの科学力…!!」

 恐るべき科学力の前に、固唾を呑んで気を張るとその後を追いかける。

「くっはは!追いつけるものなら追いついてみろ!!」

 帯状の車輪を猛回転させサンマウスが工場の敷地内を駆け回る。

 後を追う俺たちに対し、体を乗り出して銃撃を行い牽制、埒が明かない。

「どうする?あのバカンマどうやって処理する?」

 達が俺の横に並び問いかけてくる。

「あの装甲…一発強烈なやつを浴びせる他ないだろう」

「あてはあるのか?」

「恐らくだがな…。俺が隙をつくる」

「お前がか?」

「ああ…。サンマーベリック、任せたぞ」

 振り返り、後ろを走っていたサンマーベリックに声をかける。

「………」

 無言で頷くサンマーベリック。

「先ずは先回りするぞ」

 方向転換し、真っ直ぐにサンマウスを追いかけていた道を逸れる。

 サンマウスは先程から敷地内をグルグルと回るだけで、動きを読みやすい。

「どこに行った!?」

 視界から外れた俺達を探すように声を荒らげるが、サンマの意地なのか決してルートを外れようとはしない。

 おかげで容易く正面に回り込むことが出来た。

「そこか!!轢き殺してくれるわ!!」

 俺たちを再び視界に収めたサンマッチャーが吠えたて、サンマウスの速度を上げる。

 だが。

「読み通りだよ、能無し」

 構えていた村正刀魚にサン魔力を集める。

 切っ先を天に向け、上段に。

 好きを逃すまいと放たれるさんまだが、達がその尽くを切り落す。

 集まったサン魔力が冷気に変わり、大気が畝る。

零刀・散魔(れいとう・さんま)

 その一説と共に、村正刀魚を走らせる。

「届くわけあるまい!間抜けめっ……!?」

 高らかに笑うサンマッチャーの声は一転驚きに変わり、サンマウスが大きく逸れると俺たちに側面を見せた。

 地面が凍りつき、滑ったのだ。

「今だ!」

 サンマーベリックに向かって叫ぶ。

「応とも!」

 応えたサンマーベリックの手元で刀が光始め、秋刀正宗が姿を現す。

 凍った地面をものともせずにサンマウスと距離を詰める。

日魔ノ絶堕亞華(さんまのたつたあげ)

 秋刀正宗に集束した光が刃と化してサンマウスを襲う。

 太陽のごとき輝く刃に斬り付けられ、サンマウスは音を立てて崩れていく。

「なーにぃぃぃぃぃ!!!??」

 サンマッチャーの雄叫び共に、サンマウスが崩れさりなまくらと化す。

「こんなものか」

 秋刀正宗を納刀しサンマーベリックが呟く。

「まだまだだぁぁぁ!!」

 なまくらとなったサンマウスの中から雄叫びが響き、サンマッチャーが現れる。

「お前らなどこの左腕があれば十分よ!!」

 サンマウスの上から宣言するサンマッチャー。

 だが。

秋刀魚ノ弐衝華(さんまのにつけ)

 達が二刀を合わせ、両刃の秋刀魚を作るとそれを投擲する。

 風に乗り共に、烈風の刃と化した両刃がサンマッチャーへ迫り、左腕を斬り落とした。

「なぁぁぁぁぁ!!!???」

 両腕を斬り落とされ、足があるだけの普通のさんまと何なら変わりない姿となったサンマッチャーが絶叫する。

「ふっ、無様だな。まるでさんまだ」

 達が挑発する。

「さんまだとぉ!??」

 吠えたてサンマッチャーがサンマウスから飛び降り俺たちへ向かってくる。

 サンマが二足歩行で駆けてくるだけなど滑稽すぎて笑いが込み上げてくる。

 迫ってくるサンマッチャーをサンマーベリックが一閃する。

 右足を斬り落とされたサンマッチャーが無様に地を這う。

「奴の居場所について話してもらおうか」

 秋刀正宗を向け、脅すように声をかける。

「誰が答えるものか!!」

 サンマッチャーがサンマーベリックを睨みつけながら答える。

「そうか。知らないのではなく答えないのだな」

 サンマッチャーの首を刎ねる。

 それから、俺たちの方へ向き構える。

「助けられたが…随分タイミングよく現れたものだな」

「そうだろ?ほら、コート見てみろよ」

 達が笑いながらサンマーベリックのコート指さす。

 サンマーベリックが手を伸ばすとそこには。

「なんだ…この気持ち悪いものは?」

対三魔用探知機(サンマウオジラミ)さ」

「…このような子供騙しで…!!」

 対三魔用探知機を握りつぶし、再びサンマーベリックが秋刀正宗を向けてくる。

「して…どうする?」

「そうだな…」

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