第十九章:内力
アルベールは目を覚ました。
暗い木の天井。溶けた雪と汗の匂い。体中が痛んだ。まるで熊に組み伏せられた後のように。
彼は横を向いた。
ダリウスがそこに座っていた。木の椅子に腰かけ、酒杯を手に、面白そうな顔で彼を見ている。
「怖かったか?」
アルベールは歯を食いしばった。あの戦いを思い出す。炎。糸の網。そして、二本の筋肉質な腕が彼を締め付けた。カンニブは、彼が反応するより先に、すぐ後ろにいた。炎をかいくぐり、網を破り、一瞬で接近してきた。
あの理不尽な体質。まるで岩。いや、山のように。
「ここで学びたいんです。」アルベールは言った。「丸一週間。」
ダリウスは酒杯を置いた。
「魔法使いが抗魔の者に師事するのは、難しいぞ。」
「なぜですか?」
「空気中の精霊が、いつも邪魔をするからだ。」
アルベールはまばたきした。
「精霊?」
ダリウスは頷いた。彼は立ち上がり、窓辺に歩み寄った。外では、雪がまだ降っている。白い雪の結晶が、風に舞い、まるで小さな魂が踊っているかのようだった。
「空気中の魔力。それはどこにでもある。それは目に見えない精霊だ。お前が抗魔の者と修行する時、お前は内力の制御を学ばなければならない。だが、周囲の魔力が絶えず干渉してくる。それはお前の内力の流れを乱す。お前の集中を妨げる。お前を失敗させる。」
アルベールはしばらく黙っていた。
「これはただの体力のことだと思ってました。抗魔の者の力とは関係ないと。」
ダリウスは考え直した。そして頷いた。
「ああ。お前の言う通りでもある。だがな……」
彼はアルベールの隣に座った。手の中の酒杯がわずかに回され、液体が小さな川のように揺れる。
「体力の要求は非常に大きい。だが、抗魔の力――すなわち内力――はとても重要だ。」
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ダリウスは説明を始めた。
「魔法とは、空気中に存在する魔力を操作し、形作ることだ。お前は魔力を吸収し、それを操り、魔法を生み出す。それが魔法使いのやり方だ。」
アルベールは頷いた。それは理解している。何千回もやってきたことだ。
「だが、抗魔の者は違う。」
ダリウスは酒杯を置いた。彼は手のひらを上げ、指を花のように広げた。
「彼らは自分の周りに障壁を持っている。その障壁は、触れた魔力をすべて吸い込む。彼らが魔法に触れ、操作することを不可能にする。」
「では、彼らは魔法を使えないんですか?」
「そうだ。だがな……」
ダリウスは拳を握った。指がきつく絡み合う。
「その魔力は、彼らの体内に留まる。徐々に。体内で十分な時間を経た時、それは内力へと変わる。」
アルベールは目を細めた。
「内力?」
「ああ。内力とは、抗魔の者の体内で精錬された魔力だ。それは外に出ることはできない。魔法として使うこともできない。だが、それは肉体を強化する。肉体を鋼のように硬くする。力を何倍にも高める。そして意識を失った時、高度な訓練を受けずとも、巨大なエネルギーを解放することができる。」
アルベールは黙った。理解しようとしていた。想像しようとしていた。
「だがな……」ダリウスは続けた。「空気中の魔力は、吸収されても使われずにそのままにされると、自然と空気中に戻ってしまう。だから彼らは、内力を最適化する修行法を編み出した。それによって、体内の多くの空間を解放し、内力を魔力へと変換するのだ。」
「内力を魔力に変換する?」アルベールは驚いた。「では、彼らは魔法を使えるんですか?」
「そうとも限らない。彼らは魔法使いのように魔法を使うことはできない。だが、内力を純粋なエネルギーとして解放することはできる。それが彼らの戦い方だ。」
アルベールは頷いた。理解した。
「では、俺は抗魔の者の魔法を学べないんですか?」
「ほぼ、そうだ。」
アルベールはベッドに倒れ込み、顔を枕に埋めた。
「退屈だ……」
ダリウスは笑った。
「だがな……」
アルベールは顔を上げた。
「ん?」
「彼らのように修行することはできる。例えば……」
ダリウスは手を上げた。目に見えないエネルギーの流れが、彼の手のひらから放たれた。アルベールはそれを感じた。それは魔法ではなかった。魔力でもなかった。それは何か別のもの。もっと重いもの。もっと濃密なもの。まるで地下を流れる川のように。
「波だ。」ダリウスは言った。「これが内力だ。俺は抗魔の者たちからこれを学んだ。」
アルベールは目を見開いた。
「師匠……内力が使えるんですか?」
「ああ。誰にでもできることじゃない。だが、俺はやった。俺にできたのなら、お前にもできる。」
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## カンニブの道場
翌日、アルベールはカンニブの道場を訪れた。
それは巨大な建物だった。彼が想像していたよりもはるかに大きい。高さ数十メートルの石の壁。門のような大きな窓。そして中では、何百人もの武術家が稽古に励んでいた。拳の音、蹴りの音、叫び声が響き渡り、力と努力の交響曲を奏でていた。
カンニブは世界中で有名だった。彼の弟子たちは大陸中から集まってくる。遠い王国から。氷の大地から。熱帯の島から。過酷な砂漠から。皆、この伝説の男から武術を学ぶためにやってくる。
そしてカンニブは、道場で最も強い二十人にしか教えない。
アルベールには入り込む隙間もなかった。
彼は受付に立ち、弟子の名簿を見つめた。見慣れない名前ばかり。何年もここで修行してきた者ばかり。強い内力を持つ者ばかり。
「登録したいんです。」アルベールは言った。
受付の男は彼を頭のてっぺんからつま先まで見た。
「内力はあるのか?」
「ないです。」
「なら、カンニブ師範に習うことはできない。だが……」
受付の男は名簿を見下ろした。
「カンニブ師範の従弟がいる。彼もここで教えている。彼は新弟子を取っている。希望するなら、彼のクラスに登録してやれる。」
アルベールは迷った。カンニブに習いたかった。だが、自分にその資格がないことはわかっていた。
「お願いします。登録してください。」
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カンニブの従弟の名は**ラグナル**。
彼はカンニブほど大きくはなかった。だが体は鍛え上げられ、その目はナイフのように鋭かった。彼はアルベールを、あまり好意的でない目で見た。
「お前が、従兄に挑んだガキか?」
「はい。」
「そして負けた。」
「はい。」
「なら、ここに何をしに来た?」
「学びたいんです。」
ラグナルはしばらくアルベールを見つめた。そして、彼に紙の束を投げつけた。
「これが指導案だ。お前は体力を学ぶ。相手を逃がさない組み伏せ方を学ぶ。最も必要な時に内力を爆発させる方法を学ぶ。そしてそれを最適化する方法を学ぶ。」
アルベールは紙の束を受け取った。分厚い。過酷な体力トレーニングの数々。複雑な物理技術の数々。
「明日から始める。」
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## 一週間が過ぎた
アルベールは休みなく修行を続けた。
走った。跳んだ。組み伏せた。組み伏せられた。関節技を学んだ。関節技から逃れる方法を学んだ。内力の爆発を学んだ。
だが、彼には内力がなかった。
内力を爆発させようとするたびに、何も起こらなかった。彼の体には爆発させる内力がない。彼にあるのは魔法だけ。そして魔法は、内力の修行には何の役にも立たなかった。
クラスの他の弟子たちが、彼を嘲笑い始めた。
「あのガキ、内力がないんだぜ。」
「それで学ぼうなんてな。」
「時間の無駄だ。」
アルベールは歯を食いしばった。修行を続けた。諦めなかった。
だが、体がついていかなかった。彼らのように速く走れない。彼らのように強く組み伏せられない。彼らのように過酷なトレーニングに耐えられない。
そして七日目……
ラグナルが彼を呼んだ。
「アルベール。」
「はい。」
「お前はついてこれていない。」
アルベールは黙った。
「お前を観察した。努力はしている。だが、お前には内力がない。そして内力がなければ、ここで学ぶことはできない。」
「もっと頑張れます――」
「いいや。」ラグナルは遮った。「できない。ここは抗魔の者の道場だ。我々は魔法を教えない。我々は内力を教える。そしてお前には内力がない。」
アルベールはうつむいた。
「では……俺は追い出されるんですか?」
「ああ。追い出される。」
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## 道場の外
アルベールは道場を出た。
雪が降っていた。白く。冷たく。
彼はそこに立ち、雪の結晶の中で、やりきれない失望を感じていた。
努力した。本当に努力した。それでも失敗した。
内力がないから。
自分は魔法使いだから。
そして魔法使いは内力を持てないから。
だが、その時、背後から声がした。
「そんなに簡単に諦めるのか?」
アルベールは振り返った。
カンニブがそこに立っていた。彼はシャツを着ていなかった。日焼けした肌の下に筋肉が盛り上がっている。胸と肩には無数の傷跡。鋭い目が彼を見つめる。
「お前を観察していた。一週間ずっと。」
アルベールは黙っていた。
「お前には内力がない。確かだ。だが、お前には別のものがある。」
「別のもの?」
カンニブが近づいた。彼はアルベールの胸に手を置いた。
「お前には魔法がある。そして魔法は……内力になり得る。」
アルベールは目を見開いた。
「普通の方法ではない。お前は我々のように空気中の魔力を吸収できない。だが、お前は自分の魔法を内力に変換できる。それはより難しい。より苦痛だ。より時間がかかる。だが、可能だ。」
カンニブは手を引いた。
「俺はクラスでは教えない。だが、個人的に教えてやる。毎朝。日の出の前に。」
アルベールは彼を見た。希望の光が目に灯った。
「なぜ……なぜ助けてくれるんですか?」
カンニブは笑った。その岩のような顔に、珍しい笑みが浮かんだ。
「お前の父、ジェラルドのためだ。彼はかつて俺を助けてくれた。何度も。これはその恩返しだ。」




