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探偵外装

私の名は工藤優菜。

降下探偵事務所所属の探偵にして新人研修部隊隊長代理(仮)である。

ひょんな事から新人研修の任を負ったものの、その新人が心底面倒臭いと思っていた。


というか働くのが面倒くさい。


働きたくない。


働きたくない、、


それでも何かしらの理由で働かなければならないであろう私は、今日も今日とて思考を回す。


で〜〜〜、、なんだっけ?


Q.新人研修の内容を考えよ

・新人は実践経験が無いらしい

・免許は持っている

・人格や行動原理の類いは未知

・違法行為をチクる可能性有り


適当に他の調査に参加して来いはアウト、足手纏い。

適当な通過人を尾行して来いも危ない、バレて通報されたら俺に責任が飛ぶ。

だったら、バレても通報しない奴を対象者(ターゲット)にすればいい。


「これから行う研修内容を伝える」


A

「俺を尾行しろ」



『工藤優菜に人権は無ぇよ!』とは、誰が言ったか。

事実として工藤優菜に基本的人権は与えていないので、暴行、盗撮、尾行、殺害、並びに名誉毀損。

工藤優菜を対象とした害的行為は全て合法、神が許す。

俺は新宿の西らへんを適当にほっつき歩きながら背後から刺す気配を鬱陶しく思っていた。

隠せよ、


鍛え上げてきたのだろう、もし今 新人と素手の喧嘩で戦ったら十回中半数は負けるだろう。なんとなく解る


だが隠密に限ってはそうで無いのか、浮き出る様にその存在が感知出来る。

呼吸がうるさい。


これでは試験にすらならないと踏んだ私は適当な場所に身体を止め、右手を挙げ『集まれ』とする。


------

「何が良くなかったか解るか?」


「距離感、ですか?」

そう言う新人の口振りからは探偵学校(どこかしら)でソレを口酸っぱく指導された匂いがした。

、、そう言えば、俺も良く言われたな。


「この際距離感はどうでもいい、お前には尾行者(ストーカー)として大事なモノが欠けている」


「大事なモノ?」


「『影の薄さ』だ。わかるか?」


「、、相手に尾行を認知されてしまうと 調査活動の難化 並びに依頼者へ疑いの目が行きます」

恐らく、教科書通りの文言なのだろう。一言一句違わずと言った所か、


「そうだ、距離を取るのは一つの手段に過ぎん、お前は先ず服を着ろ」

新人の服装は黒のタンクトップにカーボパンツ、下はともかく上は目立つわ服着ろ。


「、、、、」無言で俺を見る新人。


「なんだ、駅に隣接したユニクロがあるぞ。」


「、、、、」無言で俺を見る新人。


「何だ、言え。」


「、、人を全裸みたいに言わないで下さい」

「全裸みたいなモノだろ上着着ろ上着」

「着てます」

「無ぇよ、そんなモン『着てる』にカウントされねぇ」

向こうが何かを言うのを続けざまの台詞で防ぐー

「おめぇのその服装は目立つんだよ、さっきからチラチラ目線が集まってんのがわかんねぇか?」

「わかりますよ、、」


そう言って少しの間新人は無言になった。


「、、ユニクロ行って来いよ」GUもいいぞ。


「、服を買うのに少々お時間をいただきますが、」

「何分?」 「一時間。」

「いちじかんっ?!」

はぁァァあっ?!

「お、おめぇ舐めてんのか?」

「 だって折角服を買うならちゃんと選んで買いたいじゃ無いですか」

「熟考するな、マネキンが着てるのを買え」そうすれば失敗はしない。

「そのコートもマネキンのですか?」俺が着ているベージュの事を言っている。目で指している。

「ああ」軽く身体を捻ってコートの裾を揺らす、数年前衝動買いしてしまった。俺のお気に入りのコートだ。


学生時代。何色のコートを着たいかという話題で語らった事があった、

冬になり俺が黒コートを着てきたのがきっかけだった。


余談だが、当時俺が居た家のにゃんにゃんちゃんもそのコートが気に入ったのか戯れついて来てくれて本当に、、良かった。ついた毛がなかなか離れなかったが微細事と思って気にしなかった。


話を戻そう、俺の前の席に座る知人は「やっぱ黒色がかっけーよなぁ」と言っていたが当時の俺は断然ベージュコートを強く推していた。

大人の男にこそベージュコート、気取らない柔らかな印象でありながら、それでいて『渋い』。当時の俺はそう言うのが好きだった、憧れすら抱いた。

なんとなくドラマの刑事さんだったりが着てるイメージがある。

ベージュ色のコートに合わせたいアイテムと言ったらやはり『刀』光沢を放つ漆の鞘をコートの奥から覗かせてみたい、日下部(くさかべ)篤也(アツヤ)みたいで超カッケーだろ。


「さっきからずっと気になってたんですけど、、

 なんでレディースなんですか?」


「、、、、、」

、、、、、、、

「そりゃお前、、アレだよ、この俺が着ることによって、(こう、)ふぇみにんな印象を与える、最先端の流行でな、」

「その流行とっくに過ぎてますよ、」

えっ、、

マジで、、、、、

「、、、というか、レディースとか、そういうのねーだろ、、」このかっちぇえコートに。


「ウエストが縛られてますよね」

「俺は肩周りがデカくて腰が細いんだよ」

はぁ、そうなんですね。と聞き流された。

「、、ボタンが左側についてますよね」

「ああそうだな」

「レディースですよね」

「違います。」

「貴方が決める事じゃ─/「いいやこの服は着る俺自身が定める事だ、大体何だ?例えレディースとか何とかとしても俺に着こなせない道理は無いっ、、俺は工藤優菜だっっ!!」

「、、急に、叫ばないで下さいよ、、目立つじゃ無いですか、、」

「、、ごめん、。」

「いいですよ、私もいじめすぎちゃいました。」

、、、

別にいじめられてねーけど、、

「、でも、」と覗き込む様に俺を見て新人(ソイツ)は言った。


「服を買う時はしっかり考えた方がいいですよ、」

、、、、、、


「うるせぇ、」

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