第41話
アンデッドナイトが滅茶苦茶ヤベー件について。
(ドローンで追跡させていたけど、あんな問題しか無い映像が撮れちゃてどうすればいいのよ・・・)
撮影していた映像は生配信には乗せてはいない。しかし手元に出した通信用のタブレットには映してソレを私たちは見ていた。
と言うか、まだアンデッドナイトの件でのアレやコレの解除連絡は受けておらず、それらの撮影された映像などは研究用として協会に後で提出しなければならないんだけども。
「あんた等、これ見てどう思う?もうこれ、付いて行くだけで危険がヤバいんだが?」
ヒジリ、エミコ、マリエにそう聞いてはみたが。
「うん~ん?別にアンちゃんはアタシらに一切敵意は持ってないみたいだしぃ?あの黒い魔法がこっちに向けられる何てことは無いでしょ?このまま付いて行くけど?」
「まあ良いんじゃないかしら?さっきのもここらじゃ出てこないハズのキラービーだったわね。こうして私らに被害が出ずに無事だったのだし?大丈夫なのではないかしら。」
「付いて行けば楽チンで魔石回収めっちゃ出来るじゃん。労力無しに稼げるし、行くしか選択肢無くね?目指せ!おっ金持ち!アンデッドナイトは魔石に興味無さそうだったからね!儲け儲け!」
「・・・もう、嫌。ほんと、何こいつら・・・危機意識を何処に落っことして来た?」
これまで四人で順調にやって来ていたのにここに来てコレ。私は頭が痛くなってきそうだった。
言葉で止められない奴らだとは最初から分かっていたはず。
説得は無駄なのだと、私は遠い目をして諦めるしか無かった。
(命の危険が迫って来たら真っ先に私だけでも逃げる宣言はしてある。これまで四人でやって来た義理人情ってのもあるから、ギリギリまで付き合うしかないわね・・・)
痛い目を見ても多分懲りない奴等なのだと思う。
だけども曲がりなりにも今日まで一緒に楽しくやって来ていた仲だ。ここで見限るにしても最後の最後まで見届ける覚悟を私はここに来て持つ。
「で、どうするの?映像を見るにもう終わった感あるし、追い駆けるの?」
この問いかけに三人は当然と言わんばかりに。
「早く行こ!アンちゃんマジパネェ!」
「今後も珍しいモノが見れそうで期待値高いわ。」
「あのでっかい魔石売ったら幾らになるのかなぁ~。うひょー。」
「呑気過ぎんか?・・・取り合えず道順は記録してあるからソレ確認しながら行くか・・・」
タブレットに視線を落とせばアンデッドナイトが移動せずにずっとその部屋に居続けていて。
「こいつもコイツで何考えてるか分からんよ・・・確実に「中の人」が居るのは絶対だとして。何がしたいの?ホントにもう訳が分からない・・・」
アンデッドナイトが私たちの到着を待つ理由が無い。
だってこっちが勝手に付いて行っているだけだから。
キラービーを撃退時にはアンデッドナイトがまるで私たちに「ここで待て」と言わんばかりに手の平を向けて来ていた。
アンデッドナイトからすれば私たちは只の足手纏い。いや、足手纏いとすら感じているのか、どうなのか。
と言うか、私等の事をアンデッドナイトが守る義理も義務も無い。
まるでソレが「使命」と言わんばかりにアンデッドナイトが私等を庇う様にして動いていた事はここまで来る間に流石に気づいている。そこに気付か無い程に鈍くは無い。
「誰かさ、アンデッドナイトが何が目的なのか予想付く?」
「え~?何でも良くない?」
「大穴としては、ダンジョンを攻略?」
「もしかして、有名人になりたいとかぁ?」
「私が真面目に聞いたのが馬鹿だった・・・」
そんな話をしている間にアンデッドナイトに追い付いた。
そこでヒジリが真っ先にアンデッドナイトに抱き着く。
「わーい!早く次の階層に行こうヨ!」
次にはエミコが首を少し傾げつつ雑に疑問を口に出し。
「こっちのルートって下層の方に繋がっていたかしら?忘れたわ。」
続けてマリエがどうにも聞き捨てならない言葉を吐き出して。
「アレ?この階ってこんな所にそもそもここまでの広さの部屋ってあったっけ?」
だから私はドローンのここまでに撮影してあった映像とこの階層のマップデータを引っ張り出した。
そして確認し直して気付く。
「まさか・・・ねえ、ダンジョン変動始まって無いコレ?」
流石にこの問題にヒジリもエミコもマリエも焦りを滲ませ。
「あ、直ぐに脱出しないとマズ・・・でも、イケそう?」
「あー・・・イチカ、何でもっと早く気づいてくれなかったの?って、無理ねソレは流石に。」
「んへ?でもでも、アンデッドナイトが守ってくれるんじゃない?ダイジョブでしょ。それよりも魔石だ!お金だ!」
コレに私たちの動揺を見ているアンデッドナイトは全く反応無し。
(本当に何を考えてるのかサッパリよ。さて、下手に動かない方が良いわよね。救助を待つしか道は無さそう)
と私が思った矢先にアンデッドナイトが移動し始めて。
「ちょぉぉぉっと、待ったぁぁぁぁ!アンタねぇ!?って!行くなってば!ここで暫し待て!ステイ!すてェェェい!」
部屋を出て行こうとするアンデッドナイトの腕を私は慌てて掴んで引き止めた。




