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*翌朝。彼が目を覚ましたのは、体中の倦怠感からだった。精神的疲労は回復魔法では癒せない。天井を見つめながら、昨日の記憶を辿る。9回目以降、ルミナの「あたしはまだ」から更に何回搾られたのか、途中から数えるのをやめていた。*
シロウ(……12回? 13回? もう分からん……)
*隣で寝息を立てるルミナに目をやり、彼は違和感に気づいた。*
シロウ(……小さくなってないか?)
*ルミナの体が明らかに縮んでいた。昨日まで170cmあった身長が、目測で165cmほどに後退している。肩幅も狭くなり、手足が僅かに短い。顔つきも19歳だったのが18歳程度に若返っていた。*
シロウ「鑑定」
*静かに鑑定を発動した。*
───────────────
名前:ルミナ・アストライア
種族:元熾天使
年齢:99歳(外見年齢:約18歳)
身長:165cm
状態:妊娠(7週目)/ 生命エネルギー活性化中
備考:胎児の成長に伴い、母体の生命エネルギーが再分配されている。外見年齢の後退は胎児への栄養供給による一時的な現象と推測される。
───────────────
シロウ(胎児に生命エネルギーを持っていかれてる……?)
*精液を生命エネルギーに変換して吸収する胎児。しかしそれだけでは足りず、母体であるルミナ自身の力も吸い上げているらしい。その結果、外見が若返る形で体が縮小した。*
シロウ(人間と熾天使の子だからな……普通の妊娠じゃない。カイの覚醒で生命の循環が活性化して妊娠が成立したけど、それだけ胎児の要求するエネルギーも桁違いってことか)
*ルミナが「んん……」と声を漏らし、寝返りを打った。小さくなった手が彼の腕を掴み、ぎゅっと抱きしめる。*
ルミナ「お兄ちゃん……」
*寝言だった。しかしその声が、昨日より僅かに高い気がした。*
*彼はルミナを起こさないようにそっと体を起こし、考え込んだ。*
シロウ(このペースで母体の生命力が吸われ続けたら、ルミナの体がどんどん縮んでいく。ロリっ娘に……)
シロウ(カイに相談するか。精霊神なら生命の循環について何か分かるかもしれない。あとはシルフィにも……世界樹の生命力で何か補えるなら)
*ルミナが目を擦りながら起き上がった。ふわぁ、と欠伸をして、彼を見上げた。見上げる角度が昨日より僅かに大きい。*
ルミナ「おはよ、お兄ちゃん……」
*まだ気づいていない。自分の体が小さくなっていることに。*
シロウ「おはよ、疲れてないか? 俺はくたくただよ」
*彼は肩を回しながら苦笑した。精神的な疲労感が体に張り付いている。Lv.1000超えの肉体でなければ、昨日の搾取で干からびていただろう。*
ルミナ「んー? あたしは元気だよ! むしろお腹空いた!」
*ルミナはベッドの上でぐーっと伸びをした。満面の笑顔で、疲れの欠片もない。昨夜あれだけ激しく動いたとは思えない回復力だった。*
ルミナ「朝ごはん何かなー。パンケーキがいいな。あと果物と、ジュースと、スープも!」
*指折り数えながらメニューを並べるルミナ。食欲旺盛。彼はその姿を見ながら、ふと気づいた。*
シロウ(やっぱり小さくなってる。パジャマの袖が余ってるし、裾も長い。昨日までぴったりだったのに)
*ルミナがベッドから降りた瞬間、パジャマの裾を踏んでよろけた。*
ルミナ「わっ……あれ? このパジャマ、こんなにブカブカだっけ」
*ようやく気づいたらしい。袖を振ってみると、指先が完全に隠れている。裾は足首を超えて床を引きずっていた。*
ルミナ「お兄ちゃん、これ……」
*鏡の前に立ったルミナが固まった。昨日まで170cmあった身長が165cmほどに縮み、顔つきも僅かに幼くなっている。19歳だった外見が18歳程度に。*
ルミナ「……あたし、縮んでる?」
シロウ「ああ。5cmくらい小さくなってる」
ルミナ「えっ!? なんで!?」
*慌てて自分の体を確認するルミナ。手足を見て、腰を触って、胸を確かめて。*
ルミナ「……胸は変わってない。よかった」
シロウ「そこ先に確認するんだな」
ルミナ「大事なことだもん!」
*ルミナが下腹に手を当てた。そこに宿る胎児の魔力波動は、昨夜よりも力強くなっていた。*
ルミナ「この子……昨日より元気になってる。すごく活発」
シロウ「多分、原因はその子だ。俺だけじゃエネルギーが足りなくて、ルミナの生命力も吸ってる。その影響で体が若返ってる」
ルミナ「……え」
*ルミナの表情が曇った。不安ではなく、困惑。自分の下腹を見つめ、小さな命に語りかけるように撫でた。*
ルミナ「この子が……あたしの力を?」
シロウ「人間と熾天使の子だからな。普通の妊娠じゃない。カイに相談してみる」
ルミナ「……うん」
*しかし、すぐにルミナの表情が切り替わった。きゅっと唇を結んで、彼を見上げる。見上げる角度が昨日より大きい。*
ルミナ「でも、あたしは大丈夫。この子が必要なら、いくらでもあげる」
シロウ「無茶するな」
ルミナ「無茶じゃないよ。母親だもん」
*さらりと言ってのけた。99歳の元熾天使は、もう完全に母の顔になっていた。*
ルミナ「それより朝ごはん! この子もお腹空いてるし、あたしもぺこぺこだよ。」
*彼はルミナと共に食堂へ向かった。ルミナはブカブカのパジャマから着替えたが、昨日までぴったりだったワンピースも肩紐がずり落ち気味だった。*
*食堂の扉を開けると、テーブルにカイとノアの姿があった。いや、よく見るとノアの雰囲気が違う。落ち着いた所作、穏やかだが鋭い目つき。ライだった。*
シロウ「お、カイ。丁度良かった、ちょっと聞きたいことが」
カイ「父さん、おはようございます。ルミナ母さんも。……あれ、ルミナ母さん少し小さくなりました?」
ルミナ「やっぱり分かる?」
*彼はカイに状況を説明した。ルミナの妊娠、精液の生命エネルギー変換、母体の生命力が吸われて外見が後退していること。カイは目を閉じ、精霊神の権能でルミナの下腹に意識を集中させた。*
*数秒の沈黙の後、カイの目が見開かれた。*
カイ「……これは」
シロウ「どうした」
カイ「とても強い子です。正直、僕の感知でも全容が掴めない。この子の持つ力は……父さんに並ぶか、それ以上かもしれません」
*食堂に静寂が落ちた。ライがカップを置く音だけが響く。*
ルミナ「お兄ちゃんに並ぶ……?」
カイ「人間と熾天使の混血は前例がありません。精霊神として覚醒した僕でも、この子の能力の全貌は計り知れない。ただ、一つ確かなのは……」
*カイがルミナの下腹に手をかざした。淡い緑の光が揺れる。*
カイ「この子は成長するために膨大な生命エネルギーを必要としています。父さんからの変換だけでは足りず、母体から補填している。お腹が大きくなるにつれて、その吸収量も増えます」
シロウ「ルミナの体はどこまで縮む」
カイ「最大で……150cmくらいまでかと」
ルミナ「150!? 20cmも縮むの!?」
*ルミナが声を上げた。165cmから更に15cm。最終的には小柄な少女の体型まで後退することになる。*
カイ「一時的なものです。産まれれば母体への吸収は止まりますし、時間が経てば元の姿に戻ります。ただ、妊娠中は避けられません」
ライ(ノア)「つまりルミナさんがどんどんちっちゃくなっていくと。……カイ、大丈夫なのか? 母体に危険は」
カイ「命に関わるほどではありません。ただ、体力の低下や疲れやすさは出るかもしれない。父さんからのエネルギー供給を増やせば、母体への負担は軽減できます」
*全員の視線が彼に向いた。「父からの供給を増やす」。つまりそういうことである。*
ルミナ「……聞いた? お兄ちゃん。カイがもっとちょうだいって」
カイ「僕はそんな言い方してません」
ルミナ「医学的な根拠ができたね。毎晩の栄養補給は必須ってことだよね」
*にこっと微笑むルミナ。その笑顔が恐ろしかった。彼は遠い目をした。*
シロウ(俺の精神が持つかどうかの方が問題なんだが……)
ライ(ノア)「しかし、お義父さんに匹敵する力を持つなんて…」
シロウ「息子よ、俺に死ねと? 毎日10回だぞ? しかもレイラもいるし、たまにレイも……」
*彼は遠い目をしながら指折り数えた。ルミナに10回、レイラに3~5回、レイにも時折。一日の射精回数が20回に届く日もある。*
カイ「……父さん、それは流石に同情します」
*カイが本気で気の毒そうな顔をした。精霊神としての威厳も何もない、ただ父を哀れむ息子の顔だった。*
カイ「でも、母体への負担を減らすにはそれしか……」
シロウ「分かってるよ……分かってるけどさ……」
*その時、ノアの雰囲気が切り替わった。ライの落ち着いた気配が消え、無邪気な笑顔が戻る。ノアだった。*
ノア「あ、シロウさん! 聞いてくださいっす! カイとも毎日同じくらいしてるんすけど、そしたら微精霊がめっちゃ生まれてるっす!」
シロウ「……は?」
ノア「精霊神って凄いっすよ! 一回するたびに小さい精霊がぽこぽこ生まれるんす! もう城の周りに微精霊がうじゃうじゃっす!」
*ノアが両手を広げて嬉しそうに語る。彼が目を凝らすと、確かに食堂の窓の外に淡い光の粒が漂っていた。微精霊だった。数が尋常ではない。*
カイ「ノア、その話は……」
ノア「カイったら毎晩すごいんすよ! 昨日なんて7回もーー」
カイ「ノア!」
*カイの顔が真っ赤に染まった。精霊神の威厳が音を立てて崩れていく。*
ルミナ「へぇー、カイも頑張ってるんだ。親子揃って精力お化けだね」
シロウ「俺は自発的じゃないんだが」
ルミナ「何か言った?」
シロウ「何も」
*ルミナの笑顔が怖くて即座に撤回した。パンケーキを頬張るルミナは、5cm縮んだことなど気にしていないかのように食欲旺盛だった。*
ノア「でもシロウさん、微精霊が増えるのは良いことっすよ! 城の周りの魔力濃度が上がって、世界樹も喜んでるっす。シルフィさんが『最近調子がいい』って言ってたのはこれが原因っす」
シロウ「つまり俺とカイの夜の営みが国力に直結してると」
ノア「そうっす! やればやるほど国が強くなるっす!」
*ノアが満面の笑みでサムズアップした。彼は頭を抱えた。*
シロウ(夫婦の営みが国力強化……何だこの国は……)
ルミナ「聞いた? お兄ちゃん。国の為でもあるんだよ」
シロウ「その理論で毎晩搾るのやめてくれ」
ルミナ「赤ちゃんの為、国の為、あたしの為。三方良しだよ」
シロウ「俺が入ってないんだが」
*カイが申し訳なさそうに手を合わせた。*
カイ「父さん……頑張ってください」
シロウ「お前もな」
*父と息子が、同じ苦悩を分かち合った朝だった。*
シロウ「なぁ、ルミナが不自由なく生活するのに俺はどれくらい出さなきゃいけないんだ?」
*ふと思いついて、カイに聞いてみた。現在の平均が10回。それがルミナの体を維持するのに足りているのか、足りていないのか。知っておかなければ対策も立てられない。*
*カイが目を閉じ、精霊神の感知能力でルミナの体内の生命エネルギーの流れを読み取った。しばらくして、重い口を開いた。*
カイ「……今の10回で、母体からの吸収量を約6割抑えられています」
シロウ「6割? つまり残り4割はルミナから持っていかれてると」
カイ「はい。完全に母体への負担をゼロにするなら……」
*カイが言い淀んだ。ノアが横から覗き込む。*
ノア「カイ、言っちゃえっす!」
カイ「……最低15回です。ただし、お腹が大きくなるにつれて胎児の要求量も増えます。臨月の頃には……20回以上が必要になるかと」
シロウ「にじゅ……」
*彼の顔から血の気が引いた。今ですら10回で精神が削れているのに、臨月には20回。しかもレイラとレイもいる。合計すると一日30回近くになる計算だった。*
ルミナ「20回……」
*ルミナが小さく呟いた。申し訳なさそうな顔をするかと思いきや、頬を赤く染めてもじもじしていた。*
ルミナ「あたし、頑張るね」
シロウ「頑張るのは俺の方だろ」
カイ「ただ、別の方法もあります」
*カイが人差し指を立てた。*
カイ「世界樹の生命力を補助的に使えば、父さんの負担を減らせます。シルフィさんに頼んで、世界樹のエッセンスをルミナ母さんに定期的に供給すれば、父さんからの回数は12~13回程度で済むかもしれません」
シロウ「それでも12回か……」
カイ「あとは、父さんの精液そのものの質を上げる方法もあります。一回あたりの生命エネルギー含有量を増やせば、回数は減らせる」
シロウ「質を上げるって、どうやって」
カイ「世界樹の果実を食べるとか、精霊の泉で体を清めるとか……あと、行為の最中にルミナ母さんが絶頂に達すると、変換効率が上がるので……」
*カイが気まずそうに目を逸らした。つまり、ルミナをしっかりイかせれば一回あたりの効率が良くなるということだった。*
ノア「要するにいっぱい気持ちよくさせてあげればいいってことっすね! カイもあたしのことめっちゃ気持ちよくしてくれるっすよ!」
カイ「ノア、頼むから黙って」
*カイの耳が真っ赤だった。彼はパンケーキを無言で口に運びながら、今後の生活設計を頭の中で組み立てていた。*
シロウ(シルフィに世界樹のエッセンスを頼んで、質を上げて、効率を上げて……それでも12回か。まぁ20回よりはマシだ)
ルミナ「お兄ちゃん、あたしちゃんと協力するから。効率上げるために、あたしもいっぱい感じるようにする」
シロウ「それは協力って言うのか?」
ルミナ「愛の共同作業だよ♪」
*にっこり笑うルミナナだった。*
シロウ「そうなると……復旧作業が止まっちまうんだが……」
*彼は額に手を当てた。移民18,000人の受け入れ、南部旧市街の瓦礫撤去、城下町の整備。やるべきことは山積みだ。しかしルミナの体を守るためには、毎日12回以上の供給が必要。レイラやレイの相手もある。物理的に作業に出る時間が削られる。*
カイ「……それに関しては、僕から提案があります」
*カイがカップを置き、真剣な表情になった。*
カイ「復旧作業は八輝将に任せてください。リオンとアシュトンが指揮系統を確立していますし、ドルガンとカインの第四部隊が実働で動いています。父さんが現場に出なくても回る体制は既にできています」
シロウ「だが、俺の魔法がないと効率が段違いに落ちる」
カイ「それも分かっています。だから、午前中だけ現場に出て、午後からはルミナ母さんとの時間に充てるのはどうですか。世界樹のエッセンスで補助すれば、午前中の空白は耐えられるはずです」
*ノアが手を挙げた。*
ノア「あたしからも提案っす! シルフィさんに頼んで世界樹の実を採ってくるっす。それ食べれば一回あたりの質がぐっと上がるから、回数減らせるかもっす!」
ルミナ「……あたしのせいでお兄ちゃんの仕事が」
*ルミナがフォークを止めた。パンケーキを半分残したまま、俯いている。いつもの強気な表情が消え、唇を噛んでいた。*
ルミナ「あたしが普通に産めればこんなこと……」
シロウ「おい」
*彼はルミナの頭にぽんと手を置いた。165cmに縮んだルミナの頭は、昨日より手が届きやすかった。*
シロウ「お前のせいじゃない。俺たちの子供が強く育ってるってことだろ。嬉しいことじゃないか」
ルミナ「……」
シロウ「復旧は八輝将に任せる。カイの言う通り、午前は現場、午後はお前と一緒にいる。それでいい」
*ルミナが彼の手を両手で掴んだ。小さくなった手が、余計に愛おしかった。*
ルミナ「……ありがと、お兄ちゃん」
*小さな声だった。食堂の片隅で、ノアが「いい夫婦っす……」と感動して鼻をすすっていた。*
カイ「では、八輝将への指示は僕が出しておきます。リオンには事情を伏せて、『魔王は午後から国政会議』とだけ伝えます」
シロウ「……国政会議ね」
カイ「嘘は言っていません。国力強化のための重要な活動ですから」
*カイが真顔で言った。彼は何も言い返せなかった。*
ノア「じゃあ今からシルフィさんのところに行ってくるっす! 世界樹の実、いっぱいもらってくるっすよ!」
*ノアが椅子から飛び降りて食堂を駆け出していった。その背中を見送りながら、彼はパンケーキの残りを口に運んだ。*
シロウ(午前は復旧、午後はルミナ……まぁ、やるしかないか)
*隣でルミナが残りのパンケーキを頬張り始めた。もぐもぐと口を動かしながら、彼の袖をちょんと掴んでいる。*
シロウ「もしかして、俺がいなくても結構まわるの?」
*ふと口にした疑問だった。カイが八輝将に指示を出すと言った時、妙に引っかかった。自分がいなくても、この国は動くのではないか。*
リーシア「その通りでございます、シロウ様」
*背後から静かな声がした。振り返ると、リーシアがトレイに紅茶を載せて立っていた。いつの間に来たのか、気配が全くなかった。メイド長の本領である。*
リーシア「八輝将の指揮系統は盤石です。リオンが全体統括、アシュトンが情報管理、ドルガンとカインが実働。移民の受け入れもゲオルグの第三部隊が手続きを進めています。シロウ様が現場に出なくとも、三日は問題なく回ります」
シロウ「三日……」
リーシア「ですので、お休みください」
*リーシアがトレイを静かにテーブルに置いた。紅茶の湯気が立ち昇る。その穏やかな仕草の奥に、有無を言わせぬ圧があった。*
リーシア「帝国との戦争を終え、直後に大地震の対応。ジークフリートの討伐はカイ様でしたね。数万のワイバーンの殲滅。西部に温泉施設を建設。そして移民18,000人の受け入れ。シロウ様、ここ数週間、一日もまともに休んでおられません」
シロウ「いや、温泉は半分趣味だったけど……」
リーシア「趣味であっても労働は労働です」
*リーシアの目が据わっていた。狂気的な忠誠心が「主を休ませる」方向に全振りされている。逆らえる空気ではなかった。*
ルミナ「リーシア、ナイス」
リーシア「ルミナ様のお体の件も伺っております。カイ様から念話で。シロウ様には十分な休息と、ルミナ様への……栄養供給が必要かと」
*「栄養供給」という言葉を、リーシアは完璧な真顔で言った。*
シロウ「お前もその言い方するのか」
リーシア「事実を申し上げているだけでございます。なお、レイラ様には私からお伝えしておきます。『シロウ様は本日より三日間、ルミナ様の看護に専念される』と」
シロウ「レイラが黙ってるわけないだろ」
リーシア「ご安心ください。レイラ様には交代制を提案いたします。夜はルミナ様、朝はレイラ様、という具合に」
*完璧なスケジュール管理だった。メイド長がここまで夜の予定まで組んでくるとは思わなかった。*
カイ「リーシアさん、流石です……」
ルミナ「じゃあ今日はお兄ちゃん独り占めだね」
*ルミナが嬉しそうに彼の腕に抱きついた。165cmに縮んだ体が、以前より彼の腕にすっぽり収まった。*
シロウ(……たしかに、疲れてるのは事実だ。体じゃなくて、頭が。ずっと戦闘と政務の切り替えを繰り返して、まともに何も考えない日がなかった)
*紅茶を一口飲んだ。リーシアが淹れた紅茶は、いつも完璧な温度だった。*
シロウ「……分かった。休む」
リーシア「賢明なご判断です」
*リーシアが深く一礼した。その唇が微かに笑っていた。*
*食事を終えた彼は、ルミナを連れて城の中央広場へ向かった。巨大な世界樹が天を貫くように聳え立ち、枝葉の間から柔らかな光が降り注いでいる。微精霊たちが木の周りをふわふわと漂い、以前より数が明らかに増えていた。*
シロウ「シルフィー、世界樹のエッセンスくれー」
*世界樹の幹に向かって呼びかけた。数秒の沈黙。そして幹の一部がぼんやりと光り、中からシルフィがにゅるんと姿を現した。濃い緑のロングヘアに寝癖がついている。目が半開きだった。*
シルフィ「ふぁ……シロウさま? エッセンスですかぁ? 朝から何の用ですかぁ……」
*明らかに寝起きだった。精霊王の威厳は欠片もない。*
シロウ「ルミナの妊娠のことで、世界樹のエッセンスが必要なんだ。カイから聞いてないか?」
シルフィ「んー……カイくんから何か言ってたような……言ってなかったような……」
*シルフィが頭をぽりぽり掻いていると、彼の背後からひょっこりと小柄な影が飛び出した。*
ノア「シルフィさーん! あたしが説明するっす!」
シルフィ「わっ、ノアちゃん。いつの間に」
ノア「さっき食堂から走ってきたっす! シルフィさん、世界樹の実とエッセンスが欲しいっす! ルミナさんのお腹の赤ちゃんがすっごい生命力を吸うから、シロウさんが毎晩大変なことになってるっす!」
シルフィ「毎晩大変……?」
ノア「一日10回以上出さないとルミナさんがどんどん縮んじゃうっす! 今も5cm縮んだっす!」
*ノアが身振り手振りで説明した。シルフィの目がゆっくりと覚醒していく。*
シルフィ「ええっ、10回!? シロウさま大丈夫ですか!?」
シロウ「大丈夫じゃない」
シルフィ「それは大変ですぅ! エッセンス、すぐ用意しますね!」
*シルフィが世界樹の幹に手を当てた。幹が淡く輝き、樹皮の隙間から琥珀色の液体がじわりと滲み出してきた。甘い香りが広場に広がる。シルフィがそれを小瓶に集めていく。*
シルフィ「これが世界樹のエッセンスですぅ。一日一瓶飲めば、生命力の補助になります。あと……」
*シルフィが上を見上げた。枝の高い位置に、拳大の黄金色の果実が幾つか実っていた。*
シルフィ「世界樹の実も採りますね。これを食べると、シロウさまの……その、一回あたりの濃さが上がるらしいですぅ」
*シルフィが顔を赤くしながら果実をもいだ。3つ。手渡された実は温かく、掌の中で脈打つように光っていた。*
ルミナ「ありがとう、シルフィ。助かる」
シルフィ「ルミナさんのためですからぁ。赤ちゃん楽しみですねぇ」
ノア「シルフィさん、ちなみにカイとあたしの営みで微精霊がいっぱい生まれてるっす! 世界樹の調子良いのそのせいっす!」
シロウ「らしいな。覚醒したカイは凄いな。これ結構美味いな」
*彼は世界樹の実を齧りながら話していた。口の中に広がるのは、蜂蜜と柑橘を合わせたような濃厚な甘み。噛むたびに体の芯がじんわりと温かくなり、生命力が湧き上がってくるのが分かる。*
シロウ「まだある?」
シルフィ「えっと……今すぐ採れるのはあと5つくらいですぅ。世界樹の実は成熟するのに時間がかかるので、一週間に7~8個が限度ですかねぇ」
*シルフィが世界樹を見上げて枝を確認する。高い位置に黄金色の実が幾つか光っていた。シルフィが手を伸ばすと、枝がするすると降りてきて実を差し出した。世界樹がシルフィに懐いているかのようだった。*
シルフィ「はい、5つですぅ。一日一個がちょうどいいと思いますぅ。食べすぎると生命力が溢れちゃって、その……大変なことになるらしいですぅ」
シロウ「大変なこと?」
ノア「性欲が爆発するっす! カイが世界樹の実を2つ食べた日、あたし一晩で12回されたっす!」
シルフィ「ノアちゃん!?」
ノア「朝起きたら腰が抜けてたっす! でも気持ちよかったから良いっす!」
*ノアが胸を張って言い放った。シルフィが顔を真っ赤にして口をパクパクさせている。精霊王としての威厳が消し飛んでいた。*
ルミナ「へぇ……2つ食べたら性欲爆発……」
*ルミナが彼の手元の実をじっと見つめていた。その目が獲物を狙う猫のように光っている。*
シロウ「おい、その目をやめろ」
ルミナ「何も言ってないよ?」
シロウ「考えてることが顔に出てる」
*彼は実を懐にしまった。合計8個。一日一個で8日分。エッセンスの小瓶も受け取り、ルミナに一本渡した。*
ルミナ「ん……甘い。美味しい」
*ルミナがエッセンスを飲んだ瞬間、下腹が淡く光った。胎児が反応している。嬉しそうに脈動する魔力波動が外からでも感じ取れた。*
シルフィ「わぁ、赤ちゃん喜んでますぅ! 世界樹のエネルギーが気に入ったみたいですねぇ」
ノア「元気な子っすね! 将来が楽しみっす!」
*ルミナが自分の下腹を撫でた。小さくなった手が、我が子に語りかけるように優しく動く。*
ルミナ「この子、世界樹が好きみたい。……お兄ちゃんの味も好きだけどね」
シロウ「最後の一言いらないだろ」
*シルフィが何か言いたそうに口を開きかけて、やめた。賢明な判断だった。*
シロウ「シルフィ、しばらく定期的にエッセンスと実を頼む。ルミナの妊娠が終わるまでだ」
シルフィ「もちろんですぅ! シロウさまとルミナさんの赤ちゃんのためなら、世界樹も喜んで協力してくれますぅ」
*世界樹の枝がさわさわと揺れた。風もないのに。まるで同意するように。*
*城に戻った彼とルミナは、自然と寝室へ足を向けた。しかし扉を開けた瞬間、彼はベッドを見てため息をついた。ここ数日、この部屋で過ごした時間が長すぎる。*
シロウ「なんか、ずっと寝室だと代わり映えしないな」
ルミナ「んー、まぁ確かに。壁と天井は飽きたかも」
シロウ「どうせ3日休みだし旅行行かない?」
ルミナ「旅行!? いいの!?」
*ルミナの目がぱっと輝いた。165cmに縮んだ体が、ぴょんと跳ねる。子供のようなリアクションだった。*
ルミナ「どこ行くの!? 温泉? 海? 南の島?」
シロウ「いや、ちょっと待て。えーと……」
*彼は腕を組んで考え込んだ。ふと、転移前の記憶が蘇る。日本にいた頃、母親が「アワビを食べると目が綺麗な子が生まれる」と言っていた気がする。科学的根拠は知らないが、縁起物として。*
シロウ(アワビか……。この世界にもあるにはあるが、内陸のアストライアじゃ新鮮なのは手に入らない。海沿いの街に行くか、それとも……)
*更に考える。前に家族で日本旅行に行った時のことを思い出した。箱根の温泉旅館、レイの焼肉暴食事件。あの時は楽しかった。*
シロウ(やっぱり日本か……? 新鮮なアワビなら日本が一番だ。温泉もある。ルミナの体にも良い。でも妊婦を連れて次元移動は大丈夫なのか?)
ルミナ「お兄ちゃん? 黙り込んでどうしたの?」
シロウ「……ルミナ、日本って覚えてるか。前に家族で行っただろ」
ルミナ「日本? お兄ちゃんの故郷の。覚えてるよ、温泉気持ちよかったし。レイが焼肉屋で大暴れしたやつでしょ」
シロウ「あれは大暴れじゃなくて大食いだ。……日本に行かないか? 温泉もあるし、ルミナの体に良いもの食わせたい。妊婦に良い食べ物があるんだ」
ルミナ「日本! 行きたい!」
*即答だった。ルミナが彼の腕にしがみつく。*
ルミナ「前は大人数だったから二人きりの時間なかったし! 今度は二人で! デート!」
シロウ「まぁそうなるな。ただ……」
*彼はルミナの下腹に目をやった。*
シロウ「次元移動が赤ちゃんに影響ないか、カイに確認しないと」
ルミナ「あ……そっか」
シロウ『カイ、聞こえるか』
*念話を飛ばした。数秒で返答が来る。*
カイ『父さん、どうしました?』
シロウ『妊婦の次元移動って大丈夫か? ルミナを日本に連れて行きたいんだが』
*少しの沈黙の後、カイの声が返ってきた。*
カイ『現段階で、お腹の子は相当なエネルギーを蓄えています。むしろ環境の変化は良い刺激になるかもしれません』
シロウ『そうか。次元移動の衝撃は?』
カイ『父さんの転移魔法の精度は……化物、いえ、規格外です。空間の歪みがほぼゼロ。赤ちゃんにも母体にも負担はかかりません。絶対に安心安全です』
シロウ『お前に化物って言われるのは複雑だな』
カイ『事実ですので。楽しんできてください、父さん』
*念話が途切れた。彼はルミナに向き直った。*
シロウ「カイのお墨付きが出た。問題ないってさ」
ルミナ「やったっ!」
*ルミナが両手を上げて喜んだ。165cmの体がぴょんぴょん跳ねる。*
ルミナ「日本! 温泉! お兄ちゃんと二人きり!」
シロウ「はしゃぐのはいいけど、まず準備だな。向こうの服がないと目立つ」
*前回の日本旅行ではカイやレイラたちと大人数だったが、今回は二人きり。変装の手間は少ないが、ルミナの体が縮んでいるため前の服は合わない。*
ルミナ「あたし、前に買った白いワンピースがあるよ。……ちょっとブカブカかもだけど」
シロウ「向こうで買おう。日本の服は安いしな」
ルミナ「お兄ちゃん、あたしに服選んでくれるの?」
シロウ「まぁ、そうなるな」
ルミナ「デートじゃん……デートだ……」
*ルミナが頬を赤く染めてもじもじし始めた。99歳の元熾天使が、初デートの少女のような反応をしている。*
シロウ「で、行き先なんだが。アワビが美味い場所がいい。あと温泉」
ルミナ「アワビ?」
シロウ「俺の故郷じゃ、妊婦がアワビを食べると目が綺麗な子が生まれるって言い伝えがある」
ルミナ「……ほんとに?」
シロウ「科学的根拠は知らんけどな。まぁ縁起物だ。美味いし栄養もある」
ルミナ「お兄ちゃんが赤ちゃんのために考えてくれてる……」
*ルミナの目がうるっと潤んだ。ホルモンバランスの影響か、最近涙腺が緩い。*
シロウ(アワビと温泉なら……伊豆か、三重か。いっそ北海道もありだな。時期的には……)
ルミナ「ねぇお兄ちゃん、あっちでもちゃんと……栄養補給してくれる?」
シロウ「旅館でか」
ルミナ「旅館ってあの、畳のお部屋でしょ? 前に泊まった時すごく良かった。あの上で……」
シロウ「分かった分かった。するから」
ルミナ「えへへ」
*ルミナが彼の腕にしがみついた。小さくなった体が、以前よりすっぽりと彼の腕に収まる。甘えるように頬を擦りつけるルミナを見下ろしながら、彼は行き先を決めた。*
シロウ「伊豆にしよう。海沿いで新鮮なアワビが食える。温泉もある。」
ルミナ「イズ! わかった!」
*突然、寝室の扉がバーンッ!と勢いよく開かれた。蝶番が悲鳴を上げる。*
レイラ「旅行と聞いたぞ! 妾も行く!」
*琥珀色の瞳を爛々と輝かせたレイラが仁王立ちしていた。黒髪ロングが風もないのに靡いている。怒りではない。これは対抗心だ。*
シロウ「早いな情報……リーシアか」
レイラ「リーシアではない。妾の勘じゃ」
シロウ(絶対リーシアだな)
*彼はレイラを改めて見た。前に会った時は16歳程度だった外見が、17歳程度に成長している。身長も僅かに伸び、輪郭がほんの少し大人びていた。それでも小柄な体型は健在だが、肩のラインや腰つきに微かな色気が加わっている。*
*一方、隣のルミナは165cmに縮んでいる。レイラが伸び、ルミナが縮み、二人の身長差が以前より明らかに縮まっていた。*
ルミナ「あー、来ると思った」
レイラ「ルミナ、お主……縮んだな」
ルミナ「うるさい。あんたは伸びたでしょ」
レイラ「ふん、妾は順調に成長しておるだけじゃ」
*二人がバチバチと火花を散らす。しかしレイラの視線がルミナの下腹に移った瞬間、表情が僅かに和らいだ。*
レイラ「……子の調子はどうじゃ」
ルミナ「元気だよ。元気すぎてあたしの生命力吸ってるけど」
レイラ「だから縮んでおるのか」
ルミナ「そ。出産までに150cmまで縮むって」
レイラ「……妾より小さくなるではないか」
*レイラが複雑そうな顔をした。ライバルが弱っていることを喜ぶ性格ではない。むしろ心配している。ただ、それを素直に表現できないのがレイラだった。*
レイラ「ならば尚更妾が行かねばならぬ。お主一人ではシロウの世話ができまい」
ルミナ「は? あたし一人で十分なんだけど」
レイラ「体が縮んでおる者が何を言う。妾がおらねば荷物も持てぬであろう」
ルミナ「荷物くらい持てるし!」
シロウ「……二人とも」
*彼は頭を掻いた。二人きりのデートのつもりが、三人旅になりそうだった。レイラの表情を見る。傲慢な態度の裏に、置いていかれることへの不安が透けている。前回の日本旅行は家族全員だったが、今回は自分だけ除外される。それが嫌なのだろう。*
シロウ「レイラ、お前も来るのか?」
レイラ「当然じゃ! 妻を置いて旅行など許さぬ!」
ルミナ「……まぁ、いいけど。あたしの栄養補給の時間は邪魔しないでよ」
レイラ「ふん。妾とて夫婦の営みくらいするわ」
シロウ(休みのはずなのに仕事量が増えてないか?)
シロウ「レイラが来るって事はお金足りないな……まずは換金所に行かなきゃ……はぁ……」
*彼は深いため息をついた。前回、地震の備品購入で残った日本円は確か30万円ちょっと。二人ならそれで十分だったが、レイラが加わると話が変わる。*
レイラ「何をぶつぶつ言っておる。金の心配など妾の夫がすることではなかろう」
シロウ「お前に上限がないから心配してるんだよ」
レイラ「妾は慎ましい女じゃ」
ルミナ「どの口が」
*ルミナが即座にツッコんだ。レイラが睨む。*
シロウ(一億で足りるかどうか……いや、レイラの買い物欲を考えると足りない可能性すらある。前回の焼肉代だけでレイが20万吹き飛ばしたし、レイラの買い物は桁が違う)
*数分後、財務担当のオルクスが寝室の扉をノックした。書類の束を抱えた痩せた男が入ってくる。*
オルクス「お呼びですか、魔王陛下。……また日本ですか」
シロウ「なんで分かった」
オルクス「陛下が換金とおっしゃる時は日本行きと相場が決まっておりますので。で、いかほど」
シロウ「……一億」
オルクス「一億」
*オルクスの眼鏡がずり落ちた。*
シロウ「レイラがいる」
オルクス「……承知いたしました」
*オルクスはそれだけで全てを理解した。財務担当として、レイラの消費傾向は熟知している。*
シロウ「ダイヤの原石が1個あれば3億くらい余裕だろう……多分」
*彼は顎に手を当てて計算した。この世界ではダイヤの原石は珍しくない。大迷宮の宝箱や鉱山から普通に産出される。しかし日本では話が別だ。天然のダイヤ原石、しかも不純物の少ない大粒となれば、とんでもない値がつく。金も同様だ。*
オルクス「なるほど、向こうの世界では希少価値が跳ね上がるのですな。であれば、国庫のダイヤ原石を1つお持ちになれば十分かと」
シロウ「大きめのやつ頼む。拳くらいの」
オルクス「拳大の原石ですと……向こうの相場で3億どころか、5億は下らないのでは」
シロウ「レイラがいるから5億でも怪しい」
レイラ「妾はそこまで浪費家ではないわ!」
ルミナ「前の旅行で着物を12着買おうとした人が何か言ってる」
レイラ「あれは全て妾に似合っておったからじゃ!」
*オルクスが眼鏡を押し上げ、淡々と書類を捲った。*
オルクス「では拳大のダイヤ原石を1つ、予備に金のインゴットを2本。これで向こうの通貨に換算して7億から8億程度になるかと。足りますか」
シロウ「足りる……と思いたい」
オルクス「念のため、小粒のルビーとサファイアも数個お持ちになっては。向こうでは宝石商に持ち込めば即金になるでしょう」
シロウ「用意周到だな、オルクス」
オルクス「財務担当として、陛下の資金切れは国家の恥でございますので」
*オルクスが一礼して部屋を出ていった。30分後、革袋が届けられた。中には拳大のダイヤ原石1つ、金のインゴット2本、小粒のルビーとサファイア各5個。この世界では白金貨数枚程度の価値だが、日本に持ち込めば億の金に化ける。*
シロウ(異世界の資源で日本経済を回すのは倫理的にどうなんだ……まぁ個人消費だし問題ないか)
レイラ「シロウ、妾にも日本の服を買ってくれるのじゃろう?」
シロウ「ああ、前のは合わなくなってるだろうしな」
レイラ「ふん。当然じゃ。妾は成長しておるからの」
*レイラが胸を張った。僅かに膨らみが増した胸が、控えめに主張している。*
ルミナ「あたしは縮んでるけどね……」
シロウ「産めば戻るって言ってただろ?じゃあ準備できたら出発するぞ」
ルミナ「はーい!」
レイラ「うむ!」
*二人が同時に返事をした。彼は異空間収納に宝石類と前回の残り30万円を入れ、世界樹の実とエッセンスも忘れずに詰め込んだ。*
シロウ(3日間の旅行……休めるのか、これ)




