28話 もしかしてデート?③
僕と美波さんはカフェにやって来た。
「ここのカフェも新しくできたのよ。まぁ新築なのだから当然ね」
美波さんはそう僕に説明する。
「そうなんですか。でもすごくおしゃれそうな店ですね!」
カフェはモールの中でも特に異彩を放っていた。店の前には可愛らしいキャラクターもいて僕たちに微笑みかけている。店に入ると美波さんはこう言った。
「この店は主にカップル向けなのよね」
「カ、カップル?!僕と……美波さんが?」
これはとんでもないことだ。僕と美波さんがカップルだなんて……そんなことが知れたらきっと嫉妬するものが多いだろう。美波さんは気にしていないかもしれないけど美波さんは皆にとって高嶺の花、僕なんかではいけない。そもそもこんな所を誰かに見られたら……
「お、お前は!淳志やないか!」
居たよ……武史先輩だ。フラッペを飲んでいる。
「た、武史先輩…こんにちはお一人で、カフェ巡りですか?」
「ま、まぁそうやな。ったくもうこの店はけったいなもんや。あちこちにカップルだらけで居心地悪いわ。お前も一人か?」
武史先輩はそう僕に不満を垂れるが……
「あら、そういうものかしらね?」
「か、会長?!何で会長が淳志とサ店おんねん!気になるわぁ」
「ぐ、偶然ですよ!」
「ほんまかいなぁ?」
武史先輩は意地悪い笑みを浮かべる。しかしその顔は一瞬で消え去った。
「どうしたんだい武史……って淳志君じゃないか!」
この声は優香さんだ。なるほど武史先輩と優香さんは二人でデートかぁ……
武史先輩が近づく。
「あ、淳志よ……ここは契約、男の約束や……互いにここで見た内容は秘密にするってことでどうや。互いに損ないやろ?」
「そ、そうですね……」
こうして僕と武史先輩の秘密の約束ができた。
「これがご注文のパンケーキです!」
ウェイトレスが運んできたのは大きなパンケーキだった。でも一つだけだ。
「あの……これ二つなのでは?」
するとウェイトレスは笑顔で。
「これはカップルで分け合って食べるものになります。こちらのメロンソーダもそうです。ストローで吸いあってください」
えぇ!!!!そんな公開処刑イベントがあるの?!
「カップル割を使いたいのだけれど?」
「それならばここでハグをしてください。そうすれば10パーセントオフです。キスすれば20パーセントオフです」
やっぱり公開処刑じゃん!
「み、美波さん……これはダメですよね」
僕がそう言おうとすると美波さんは両手を広げた。
「ほら、早くハグするわよ?」
「えっ……」
僕はすかさず隣を見る。すると……
武史先輩は優香さんにあやされていた……
「よしよし……武史は頑張ってるよ」
「あ、淳志……こっちを見るな!これはアカン条件やぞ!」
「武史が悪いんじゃないか。『キスで20パーセントオフなら****したら30パーセントオフになるんか?』と言うお下品な質問をしたから」
えぇ……武史先輩そういうところあるの?
「ちゃうわ!確かにワイは***したら25パーセントオフなんか?とは聞いた、うぐ!」
どっちみち聞いてんじゃん!何で伏字が必要な割引条件があるのさ……武史先輩はまぁガキっぽいところがあるからなぁ……
そんなことを思っていると美波さんが思いっきり抱きしめてくるのでそのまま抱きしめられる。柔らかい……いい匂いする……
全く武史先輩とは盟約を結んでいるとはいえこんなの他の人に見られたら……特に光士郎とかも来てるみたいだし……ぐるぐる見ていると……
「さ、佐竹さん?!」
「あ、淳志君じゃん……」
奥のテーブルにひっそりと同級生の佐竹さんがいたのが見えた。手にはスマホを持っている。
すかさず武史先輩と優香先輩が飛んで行って。
「なぁお前まさかワイのさっきの言葉……」
「全部聞きましたよ。正直仙石中央学園の副会長と書記なのにドン引きです。類は友を呼ぶやっぱりこの彼氏にしてこの彼女ありとしか……」
「むぐぅ……」
武史先輩と優香さんは卒倒した。




