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005 問題だらけの入学試験 その1

あらすじの所にも書きましたように、この話から1000〜1500文字程度で書いていこうと思います。その分多く投稿出来るように頑張りますので宜しくお願いします!


※表題を変更しまし、旧題をサブタイトルに回しました。



 

学院の方面を眺めれば、空に無数の信号雷が上がっているのが遠目でも分かる。


祭りなどでなく、入学試験でわざわざ上げると言う事は、それだけ国では大きなイベントの一つである事を指し示す。


それを遠くから見詰めているのは、一人の落ちぶれた少年、カイ=ヴェルナー。


4か月前、カイはドン底に落ちた。


『剣士等級試験』で、モンスターを()()()()前代未聞の大失態を犯した。


あまつさえ『玩具剣士』と言う不名誉なあだ名まで冠せられて―――


それから4か月、『剣術学院入学試験』当日を迎えた。


カイが試験を受験する噂は、瞬く間に広がり大きな波紋を呼び、それに反感を買う者も当然のように出て来た。


「何をしに来るんだ」とか「受験をなめているのか」とか……


だがカイはそれらの言葉を一切受け付けなかった。


カイは知っていた、以前のようにはなら無いと、カイは信じていた、相棒(〈木の枝〉)のことを。


「俺はこいつ(〈木の枝〉)で見返してやるんだ、俺を嘲笑った奴らを……」


カイは決意を顕わに、信号雷が上がる方へ歩き出した。



 ◇◇


「おいっ、あいつって……」


「あぁ噂の『玩具剣士』だな、間違い無い」


「やっぱりか、本当何の為に来ているんだ?」


「さぁな俺にはさっぱりだ」


流石に噂が広まっているだけあってカイに集まる視線や会話が多く目立つ。


「カイ、あんなの気にしなくて良いぞ」


「あぁ、別に気にして無いよ」


カイは臆さず堂々と道の真ん中を歩いていくと、一人の人物が前に立ち塞がった。


「よぉ、お前入学試験受けるんだなぁ」


目の前に立ち塞がるのは、整った髪の毛に、若干ふっくらした体型、何よりも目立つのは胸に付けた豪華な装飾をあしらった『伯爵家の紋章』。


名前はアルベール=ジェラン、ジェラン伯爵家の一人息子にして跡取り息子。


その見た目からは予想外な剣の腕の持ち主で、その実力はヘスより上だとまで言われているが、その性格は歪んでおり、その点が残念と言える。


そして、『玩具剣士』のあだ名をカイに付け、その噂を流したのは他でも無いこのアルベールだった。


そのお陰で今や【所有者】ティナ=キストに次ぐ実力者となっていた。


「あぁ……」


カイは怒気を織り交ぜて受け答える。その迫力にアルベールは若干気圧されるもそのまま話を続ける。


「剣を持って何も斬れなかったやつが、他に何で斬れるって言うんだ!?」


カイは小さく溜め息をつき、〈木の枝〉専用の鞘を取り出し、そっと引き抜く。


「ぷっ……あはははははははは!!お前本気か?頭可笑しいんじゃねぇの?良くそれで受験しようと思ったな?」


カイは黙って、見せた〈木の枝〉を鞘に仕舞い、腰に差した。


そして無言で会場の方へ突き進む。アルベールと肩がぶつかる、そんな事はお構い無しに……


その背中にアルベールが叫ぶ。


「お前の結果、楽しみにしてるぜー!」


そう、嫌味たっぷりの悪人面で会話を締め括った。


それを遠巻きで見届ける少女、【所有者】ティナ=キスト。


その顔には若干の笑みを浮かべていた。


こうして短いようで長い、一日限りのビッグイベントが幕を開けた。





ブックマーク、評価をして頂いた方、そして読者の皆様、本当にありがとうございます!


これを励みに更新を続けていきたいと思います!


これからも私の拙作を宜しくお願いします!



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