第二節:最下層の奈落と、飢えた獸たちの檻
「彼女たちには、自分がどのような場所に囚われ、いかに無力な存在であるかを、身體の芯まで理解させる必要がある。一度日本へ逃げ歸ったことで、生半可なプライドを取り戾してゐるのが調敎の邪魔だ。あの最下層の檻へ投入しろ」
首席の冷徹な命令により、衣服をすべて剥ぎ取られた母と姉は、濕ったコンクリートと鐵錆の臭氣が充滿するアジトの最暗部、「囚人たちの監獄」へと亂暴に放り込まれた。
「ひっ……! 嫌、嫌よ、出してください!」
姉が裂けたような悲鳴を上げ、鐵格子の隙閒から見える無數の汚れた男たちの影に、恐怖で身體を激しく震わせた。
檻の周圍に集まってきたのは、新組織の暗部で罪を犯し、肉體勞働と監禁に處されてゐる粗暴な男たちであった。彼らは長年の飢餓感から、突如として目の前に現れた「高貴な日本の極道の血を引く女たち」の無防備な肉體を見つめ、濁った瞳に下劣な欲望をぎらぎらと滾らせた。
「おい、首席からの配給だぞ! 存分に奉公させろ!」
見張りの兵士が冷酷に鐵格子の鍵を開放すると同時に、飢えた獸たちが一齊に檻の中へと雪崩れ込んできた。
「嫌ぁぁぁっ! お母さん、お母さんっ!」
一度は日本で手に入れたはずの平穩な日常は、男たちの壓倒的な暴力性の前には一瞬ですり潰された。何十人もの汚れた手が二人の頭髮を掴み、冷たい床へと無理やり押し伏せる。何の統治ルールも存在しない純粹な「集團蹂躙」が、母と姉の肉體へと容赦なく襲いかかった。




