第二節:狂氣の「拂い下げ」と破壞のルーティン
「前ボスのケチなビジネスは終わりだ! 今日は記念會だ、この場にいる全員に、この奉公人どもの肉體を解放してやる!」
ジャックの殘虐な宣吿とともに、ステージの上に現れたのは、現地の治安維持や警備を擔う、體格のいい若い現地人構成員たちだった。彼らの瞳には、原型を失いつつある三人のトップアイコンに對する、剥き出しの飢えと殘虐な好奇心がギラギラと漲っている。
「おい、あのパリのトップモデルたちの顏を、もっとめちゃくちゃにしてやれ!」
「極道の女のプライドごと、その尻を叩き潰せ!」
男たちの手が、三人の身體へと一齊に伸びる。
すでに度重なる折檻でザクロのように裂け、どす黑く變色していた美波とエレーナの尻に向けて、構成員たちの太い平手や革ベルトが、容赦のない連打となって浴びせられた。バチィィン、バチィィンと肉が爆ぜる音が、觀客たちの野蠻なコールとともに會場に響き渡る。
「あ、がぁっ……! ああぁっ……!」
車椅子すら奪われ、十字架に固定された美波は、逃げることもできず激痛の波にのたうち回る。
その鄰では、無傷のブランド價値を剥ぎ取られたクロエの顏面にも、容赦のない拳や木ベラが幾度となく叩き込まれていた。ベキィィン、と骨の軋む音が響くたび、クロエの端正だった頬は非對稱に膨れ上がり、鼻腔と唇から鮮血が噴き出す。
エレーナもまた、變形した手首を鎖に擦り付けながら、親友の崩壞していく姿に血の淚を流して絕叫した。しかし、彼女たちの細い悲鳴など、手下二人が主導する大衆の「暴力の祭典」の前には、ただの心地よい餘興に過ぎなかった。




