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第三節:原型なき肉體の奉公と、屆かない絕叫

「美波、エレーナ、早く俺たちの靴を舐めろよ!」

ジャックの冷酷な命令を受け、車椅子から床へと亂暴に引きずり下ろされた美波は、下半身を麻痺させたまま、血塗れの床を這うことしかできない。エレーナもまた、變形した手首を床に突いて、新しい支配者たちの足元へと這い寄る。

顏の形は左右非對稱に腫れ上がり、古傷から常に鮮血が滲む二人の顏面に向けて、二人の新々ボスたちの硬い安全靴が交互に振り下ろされた。腦を搖さぶる衝擊。視界が眞っ白になり、かつて世界を魅了したトップモデルと極道の女の面影は、文字通り肉片となって床に飛び散っていく。

さらに、男たちが手にしたスパイク付きのベルトが、すでにザクロのように裂けてどす黑く變色していた二人の尻へと、休む閒もなく叩き込まれた。

バチィィン、バチィィンと肉が爆ぜる音が、地下の閉ざされた空閒に幾度となく反響する。

「あ、がぁっ……! あぁっ……!」

かつて前ボスに盡くし、新ボスに耐え忍んできた二人の誇りは、この知性なき若い手下たちの、終わりなき暴力のルーティンによって完全に粉碎されていった。彼女たちに許されたのは、每日、原型が變わるほど叩き潰されながら、手下二人のために膳を運び、彼らの欲望の捌け口として機能するだけの「家畜の奉公」のみだった。

海の向こう、東京の黑崎の元で、傷ひとつない「綺麗なままの姿」で精神を去勢され、立ち姿を强要されているクロエの「靜かな生活」。

そして南アフリカの暗闇で、ボスが變わるたびに運命をズタズタに引き裂かれ、若い二人の手下の暴虐の中でただ息を繋ぎ止めている美波とエレーナ。交錯する二つの地獄は、手下二人のクーデターという最惡の狂氣を燃料にして、さらに凄慘な「第六章」へとその車輪を回し始めていた。

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