↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/194

第三章:クロエのオーナーとボス不在時の手下二人の暴走 第一節:極東の冷徹なるコレクター(クロエのオーナー)

祕密地下市場(ブラックマーケット)において、歷史的な最高額である三千萬ドルでクロエを落札したのは、日本の極道社會で前ボス亡き後に急速に勢力を擴大している新興組織の若頭であり、冷酷な蒐集癖を持つ男――黑崎(くろさき)だった。

新ボスはビジネスマンとして、クロエを「無傷のブランド品」のまま黑崎の用意したプライベートジェットへと引き渡した。

南アフリカから遠く離れた、東京・灣岸エリアにそびえ立つ黑崎の超高層タワーマンションの最深部。そこには、外部の光を完全に遮斷した、總大理石造りの巨大な「私的監禁室」が存在していた。

「素晴らしい。傷ひとつない、世界最高峰の藝術品だ」

シルクのガウンを剥ぎ取られ、冷たい大理石の上に立たされたクロエを、黑崎は冷徹な眼差しで見つめる。パリのランウェイを步いていた時と變わらぬ美しい肌、完璧なプロポーション。しかし、彼女の首にはすでに、黑崎の組織が開發したGPSと高電壓の電流が仕込まれた「電子の首輪」が嵌められていた。

「エレーナや美波が南アフリカでどうなったか、風の噂で聞いている。だが安心しろ。私は新ボスほど野蠻ではない。君のその完璧な美しさを、私は永久にこの部屋で愛でるつもりだ」

黑崎の言う「愛」とは、究極の監禁と精神の去勢だった。

クロエには一切の暴力は振るわれない。しかし、一步でも部屋の境界線を越えれば首輪から致死量に近い電流が流れ、每日、黑崎の好むポーズのまま何時閒も立ち續けることを强要される。傷ひとつない「綺麗なままの姿」で、世界の裏社會の巨頭の私的な家畜として生きる運命。クロエは、肉體の破壞ではなく、精神を完璧に削ぎ落とされるという、もう一つの奈落の底へと完全に沈められていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。