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第三十七章の第一節:冷徹なる計算と、世界へ放たれた漆黑の爪牙
最下層の檻を埋め盡くす白濁の利權と鮮血の泥濘。その最深部で行われた「最恐パーティー」の餘熱が冷めやらぬなか、新大ボス・ガルシアの視線は、すでにこの南アフリカのアジトを越え、世界の裏舞臺へと向けられてゐた。
首席の殘した國際データベースから彈き出された「次の獲物ども」のカルテ。それは、美波たちの極道の血統、エレーナやクロエが君臨してゐたパリの社交界、そして東京の裏ルートに連なる、未だこの地獄の洗禮を受けてゐない氣高き女たちの記錄であった。
「この出涸らしの五人だけでは、いずれ供給の限界がくる。俺たちの眞の『搾乳帝國』を未來永劫に維持し、每日の狂宴をさらに贅澤なものにするためには、新鮮な苗床を常に補給し續ける必要があるのだ」
ガルシアの剥き出しの野心と狂暴な知性は、組織の「回收部隊」へと冷酷な指令を下した。
看守の座を奪い取った、かつて前ボスや新ボスすらも恐れさせた新ボスレベルの怪物たち。その中から選りすぐられた冷徹な獵犬たちが、最新銳の兵器と僞造パスポートを手に、夜の闇に紛れて世界各地へと音もなく飛び立っていった。パリ、東京、ニューヨーク――彼女たちがどれほど高い地位にあり、誇り高く生きてゐようとも、新帝國の漆黑の爪牙からは決して逃れられぬという、最惡のカウントダウンがここに開始されたのである。




