第四節:家畜の平穩(就寢の奈落と、濁液の吸入)
深夜、再び鐵チェーンを引かれ、元の最下層の檻へと投げ戾され、手首と足首を鋼鐵のリングで床へと再び完全固定された五人。
濡れたコンクリートの床の上で大の字に固定されたまま、彼女たちの胸部には、最新型の機械式搾乳吸入器が再び亂暴に裝着された。
機械の脈動が始まると同時に、透明なチューブを通じて流れ出てきたのは、淸淨なミルクではなく、最强の握力によって乳腺組織を完全に破壞され、血肉と汚濁の混じり合った、ドロリとした「濁液」だけであった。
「美味え! これが俺たちだけの特權だ!」
ガルシアらは、バケツから溢れるその濁液を貪り食らい、あるいは興奮のあまり、床に釘付けにされてゐる五人の頭上へと容赦なくぶち撒けた。白濁と鮮血の混ざり合った液體は、彼女たちの流す血の淚とともに、殘酷にコンクリートの床へとこぼれ落ちていき、大きな水溜まりを作っていった。
深夜のブザーが鳴り、すべての狂宴が靜まり返った頃、最下層の檻にはただ、重い機械の不快な吸引音と、五人の人形たちの掠れた呻き聲だけが殘されてゐた。
高壓水で濡れそぼり、こぼれた濁液で泥濘となったコンクリートの床は、彼女たちの體溫を容赦なく奪っていく。毛布も枕も與えられず、指先一つ重ね合わせることも許されない距離で、五人は互いの呼吸音だけを賴りに、明日もまた始まる終わりのない奉公の奈落へと、意識を沈めていく。
ボスが變わり、組織が變わり、あらゆる鬪爭が終結した後に築かれた「安定した支配」。
それは、美波、エレーナ、クロエ、そして母と姉の五人にとって、事件の起きない、叛逆の可能性すら存在しない、完全なる家畜としての「每日」の定着そのものであった。
一筋の冷たい風が、換氣孔の隙閒から吹き拔ける。五人は床に釘付けにされたまま、明日もまた正確に始まる終わりのない「朝晝晚風呂就寢」という名の奈落の底へと、ゆっくりと、そして永劫に意識を沈めていくのであった。




