第二節:次元の違う「力」の顯現と、最强の囚人ガルシア
「ははっ! 面白い、面白いぞ首席の野郞! 極上の玩具どもに火器を持たせて、この俺の帝國へ反旗を飜すか!」
硝煙の向こうから響いたのは、新大ボスとなったガルシアの、地鳴りのような狂暴な笑い聲であった。
この最下層に幽閉されてゐた男たちは、前ボスや新ボスすらも一時期は手を燒いた末に捕虜とした、世界各地の紛爭地帶を壞滅させてきた「新ボスレベルの怪物たち」の集團であった。その頂點に君臨するガルシアという男の「力」の次元は、美波たちが培ってきた常識的な戰鬪技術を遙かに超越してゐたのである。
ガルシアは、正面から飛來する美波と首席の自動小銃の彈丸の雨を、避けることすらせず、丸太のような太い腕と分厚い筋肉で强引に彈き飛ばしながら、一氣に距離を詰めてきた。
「なっ……彈丸が、通じない……!?」
首席の冷徹な瞳が、初めて本物の驚愕と戰慄に染まる。美波が次彈を裝填し、その眉閒へと銃口を固定した瞬閒、ガルシアの規格外の怪力が、自動小銃の銃身を素手でガシィィンと掴み取った。
そして、男がその太い指先に僅かに力を込めた瞬閒、新組織の最新銳の鋼鐵で作られた銃身が、まるで飴細工のように容易く、歪に捻じ曲げられてしまったのである。
「無念だな、極道の女! レベルが違うんだよ、俺たちとは!」
ガルシアの最强の握力。それは、首席の科學技術や五人の誇りの銃彈など一瞬でへし折る、剥き出しの質量の暴力そのものであった。男は捻じ曲げた自動小銃を美波の手から毟り取ると、それを廣場のコンクリートの床へと亂暴に投げ捨てた。




