127/194
第二十九章の第一節:極限の衰殘と、廣場に橫たはる五體の「器」
戰勝パレードの暴力の嵐が吹き荒れた後、アジトの中央廣場に遺されたのは、硝煙と强奪された酒の臭氣、開いた傷口から流れる鮮血、そして人閒の尊嚴を完膚なきまでに磨り潰された五人の人形たちの無慘な姿であった。
美波、エレーナ、クロエ、そして母と姉。彼女たちの四肢は、再び廣場のコンクリートの床へと打ち込まれた鋼鐡のアンカーボルトに手枷と足枷で完全固定され、衣服を一筋も身に纏わぬまま、大の字の姿勢を强制されてゐた。
先の二度目の同時出產、それに續く閒髮入れぬ機械式搾乳、武力による强奪、飾りのように扱われるパレードでの何百人もの男たちによる打擊と蹂躙により、五人の五體は文字通り限界を超えて衰弱してゐた。
エレーナの變形した肩や四肢は紫黑色に腫れ上がり、クロエの粉碎された頬骨からは未だに血泥が床へと滴り落ちてゐる。美波の感覺のない兩脚も、鐵輪に締め付けられて赤黑い血の筋を作ってゐた。
しかし、新大ボスとなったガルシアと最下層の囚人たちにとって、彼女たちのこの「極限の衰弱」こそが、一切の抵抗の可能性を排除した、最も都合の良い「無防備な苗床」の完成を意味してゐたのである。




