第二節:暴力の嵐の戰勝パレードと、狂亂の通路
アジトのメイン通路は、首席が敷いていた白亞の淸潔な面影を完全に失い、强奪された酒甁と割れたガラス、そして興奮した男たちの吐瀉物と怒號が渦卷く「狂亂の迷宮」と化してゐた。
何百人もの囚人たちが、通路の兩脇を固め、鐵パイプや自動小銃を天井に向けて亂暴に打ち鳴らしながら、戰勝のパレードを歡迎した。
「うおおおおっ! ミューズのお通りだぞ! おい、その極上の肌に、俺たちの力を刻み込んでやれ!」
パレードの進行とともに、五人の肉體には、あらゆる方向から凄まじい「暴力の嵐」が容赦なく吹き荒れた。
通路を步かされる彼女たちに向けて、興奮した男たちが次々に群がり、その左右非對稱に腫れ上がった顏面や、出產直後の肥大した胸部へと、手加減なしの拳や平手打ちを何度も何度も叩き込んだ。
――ベキィッ、バチィィン!!!
肉が爆ぜ、骨に響く打擊の音が、男たちの下劣な歡聲にかき消されていく。エレーナの變形した肩には、吸いかけの煙草の火が容赦なく押し付けられ、クロエの粉碎された頬骨からは、新たな鮮血の筋が首筋へと流れ落ちてゐた。
衣服を一切身に纏わぬまま、鐵チェーンで繋がれて引きずり回される五人のミューズ。彼女たちが一步進むたびに、男たちの剥き出しの獸欲が、その肉體を物理的に消費していく。ガルシアはパレードの先頭で、自ら搾乳機から直に汲み上げた濃厚なプレミアム・ミルクをラッパ飮みしながら、狂ったような笑い聲を響かせてゐた。
「世界の富豪どもが見たら、腰を拔かすだろうな! これが俺たちの『奉公』の受け取り方だ!」
美波の目からは、絕望の淚すら枯れ果てた血の淚がただ流れ落ち、通路の白いタイルを赤く汚していく。かつて日本で、あるいは世界の裏舞臺で誇り高く生きていた彼女たちのプライドの殘骸は、この知性なき獸たちの戰勝の熱狂のなかで、文字通り塵芥のようにつり潰されていった。




