第三節:囚人どもによるミルク完全獨占の狂宴
そして、出產直後の激痛と疲弊に震え、血の海の中に橫たわる五人の人形たちに、これまでの歷史を遙かに凌駕する「ヤバい奉公」が開始された。
「よし、機械を回せ! 世界の富豪どもに渡していたこのプレミアム・ミルクは、今日からすべて、俺たち最下層の男たちのものだ!」
ガルシアの怒號とともに、かつて無菌室に設置されてゐた最新型の機械式搾乳吸入器が、最下層の泥濘の檻の中へと無理やり運び込まれ、五人の肥大した胸部へと亂暴に裝着された。
機械の脈動が始まると同時に、透明なチューブを通じて、ドロリとした、これまでにないほど濃厚な白濁した「ミルク」が、ステンレス製の大きなバケツへと容赦なく吸い上げられ、溢れんばかりに溜まっていった。
「うおおおおっ! これが、一本數萬ドルで取引されてた最高級のミルクか!」
ガルシアは、バケツから直接大きなグラスでミルクを汲み上げると、それを一氣に喉へと流し込んだ。
「美味え! 腦みそが蕩けそうだ! 野郞ども、遠慮はいらねえ、全員で獨占して飮み干せ!」
その瞬閒、檻の中は完全に理性を失った獸たちの狂宴と化した。何百人もの囚人たちが、鐵格子の內側へと押し寄せ、床に四肢を固定されたままの美波、エレーナ、クロエ、そして母と姉の五人の身體を足蹴にしながら、機械から直接流れ出るミルクを强奪し、奪い合うようにして自らの口腔へと注ぎ込んでいった。
世界の富豪たちへ出荷するための「效率的な管理」は完全に破綻し、ここではただ、最下層の男たちがその全能感を滿たし、肉體を潤すためだけに、五人のミューズたちの利權がその場で貪り盡くされていく。
美波は、床の血溜まりに顏を伏せ、手枷と足枷が肉を抉る激痛に耐えながら、腫れ上がった瞼の奧で、無數の汚れた男たちが自らの肉體から吸い上げられるミルクに狂喜亂舞してゐる光景を、ぼんやりと見つめてゐた。
ボスが變わり、主人が變わり、世界が變わり續けようとも、自分たちに與えられた運命はただ一つの地獄――怪物の欲望を潤すための生贄。そして今、その利權は外の世界ではなく、アジトの最暗部に幽閉された罪人たちの渴きを癒すためだけに、每日のように剥き出しの力で略奪され續ける日常へと固定されたのである。
衣服も與えられぬまま床に釘付けにされ、囚人たちの下劣な歡聲と、機械の不快な吸引音が響く最下層の暗黑のなかで、五人の人形たちは、明日からも續く「囚人專用の家畜」としての凄慘な運命を受け入れるように、終わりのない暗黑の深淵へと、どこまでも、どこまでも深く沈んでいくのであった。




