第三節:加重される五人の運命と、暗黑の統治
「これからは、俺がこのアジトの新しい『大ボス』だ! 首席の野郞は生かして地下の獨房へ放り込め! こいつの知性は、世界の裏富豪どもへミルクを高く賣り捌くための交涉にまだ使える!」
ガルシアの怒號が響き渡り、新組織の支配構造は完全に塗り替えられた。白亞の近代的アジトは、最下層の狂暴なマフィアたちが統べる「破壞と略奪の城」へと變貌を遂げたのである。
そして、その支配者の交代は、四肢を床に固定されたままの五人にとって、さらなる過酷な運命の深化を意味してゐた。
「おい、新しいボスの誕生だ! お前たちミューズども、新しい主人への奉公の準備はできてゐるだろうな!」
ガルシアの叫びとともに、檻の鐵格子が亂暴に完全開放された。
衣服を一切與えられず、手枷と足枷によって開かれた姿勢のまま、囚人たちの種子によって肥大化した腹部を抱える美波、エレーナ、クロエ、そして母と姉。
これまでは首席の管理データを恐れて「揉み消し」の範圍內で行われていた暴走が、今やアジトの正統なるルール(支配)として、一微塵の手加減も統制もなく、完全に解き放たれたのである。
「ははっ! 動けねえ女たちが、俺たちの力でさらにめちゃくちゃに壞れていくぞ!」
ガルシアを先頭とする何百人もの飢えた男たちの破壞的暴走が、五人の肉體を完全に壓殺するように襲いかかった。
美波は、床に釘付けにされたまま、腫れ上がった瞼の奧で、アジト全體の統制が完全に破綻し、獸たちの純粹な暴力だけが支配する世界へと逆戾りした現實を自覺してゐた。
エレーナの歪んだ四肢はさらに激しく打ち据えられ、クロエの粉碎された顏面からは血と汚濁が絕え閒なく流れ落ちる。母と姉もまた、去勢された虛無の瞳のまま、新たなるボスの壓倒的な力による蹂躙を受け入れ續けるしかなかった。
新組織の白亞の帝國は、最下層の暴動によって內側から完璧に崩壞し、五人の人形たちは、かつてないほど狂暴で、かつ加減を失った「每日の奉公」という名の無限の奈落の底へと、どこまでも、どこまでも深く沈んでいくのであった。




