第三節:胎內の異變と、去せられた人形たちの變貌
數ヶ月におよぶ「揉み消された暴走」の日々は、彼女たちの肉體に、避けることのできない「二度目の異變」をもたらした。
高榮養の泥狀榮養劑を無理やり流し込まれ、囚人たちの種子を每日のように注ぎ込まれ續けた結果、五人の下腹部は、再びあの忌まわしい「胎動」の兆候を示し始めたのである。
特に、エレーナとクロエの瘦せ細った五體において、强制的に肥大化していく腹部の輪郭は、誰の目にも明らかであった。
「おい、見ろよ。女たちの腹が完全に膨らんできやがったぞ。これは、俺たちの種が確實に根付いた證據だ」
ガルシアは、床に固定されてゐるクロエの大きく膨らんだ腹部を、汚れた手で亂暴に撫で回し、下劣な滿足感に浸ってゐた。
精神を完全に去勢されてゐた母と姉も、自らの胎內で育つ新たなる異物の存在を自覺してゐたが、もはや絕望の悲鳴を上げることもなかった。ただ、機械人形のように虛無の瞳で、每日の暴走と、自らの肉體の奇形的な變貌を受け入れるだけであった。
美波は、床に釘付けにされたまま、自らの腹部の奧底で蠢く新たなる命の拍動を感じてゐた。
國家のスパイとして、かつて誇り高く生きていた彼女の腦髓は、この「囚人たちの種子による强制的な妊娠」という、首席の計算すらも超えた泥濘の現實によって、完全に白濁しかけてゐた。しかし、彼女たちはまだ氣づいてゐなかった。この妊娠の數値が、アジトの自動バイタル管理システムを通じて、上層の首席の元へと確實に送信されつつあることを。




