第二十五章の第一節:隱蔽された奈落と、看守たちの共謀
最下層の檻の床へと四肢を完全に釘付けにされた美波、エレーナ、クロエ、そして母と姉の五人。彼女たちの無防備な肉體に對して、囚人頭ガルシアとその配下たちが引き起こした「破壞的暴走」は、本來であれば、アジト首席の冷徹な逆鱗に觸れ、卽座に全員が銃殺處刑されるべき重大な統制違反であった。
しかし、この最暗部で行われた狂暴な蹂躙が、上層の白亞の監視室へと報吿されることは決してなかった。
「おい、ガルシア。首席の耳にこの件が一口でも漏れてみろ。お前らだけでなく、俺たちの首も飛ぶんだよ」
見張りの看守が、ガルシアから握らされた密輸品の束と裏金を受け取りながら、冷酷に、そして低い聲で囁いた。
ガルシアもまた、自らの壓倒的な「力」を誇示し續けるためには、首席の管理システムの枠組みを表面上だけは維持し續ける必要があることを、狡猾に理解してゐた。
「分かってゐるさ。データの上では、女たちは『加重制裁の最中にあり、ホルモン劑の副作用によるバイタルの亂れ』とでも處理しておけ。俺たちは、每日の配給(奉公)を、誰にも見つからぬよう靜かに消費し盡くすだけだ」
こうして、首席の目から完全に「揉み消された」最下層の檻は、いかなる組織のルールも屆かない、純粹な肉欲と暴力の永久機關へと變貌を遂げた。五人の人形たちは、アンカーボルトに固定された姿勢のまま、上層では「順調に制裁中」と處理されながら、每日のように繰り返される囚人たちの暴走を、ただ默々と受け入れるだけの肉塊へと落とされていった。




