第三節:統制の破綻と、深淵の每日
看守たちが銃口を向けて制止しようとしたが、長年の監禁によって飢え狂い、ガルシアという壓倒的な「力」に煽動された囚人たちの暴走は、もはや新組織の近代的なセキュリティシステムすらも容易に突破しかけてゐた。
「おい、下層の連中のバイタルがおかしい! 暴動の手前だ!」
監視室の警吿音がけたたましく鳴り響くなか、檻の中では、五名の人形たちが、ただ男たちの欲望と暴力を事務的に處理するための「血塗れの苗床」として、固定された姿勢のまま果てしなく消費され續けてゐた。
エレーナの變形した四肢はさらに歪み、クロエの氣品は完全に男たちの汚濁の下に埋沒し、美波の目からは、絕望の淚すら枯れ果てたドロリとした血の淚がただ流れ落ちる。
精神を完全に去勢されてゐた母と姉も、このガルシアらの壓倒的な物理的破壞の前には、ただ肉人形のように無言で痙攣を繰り返すことしかできなかった。
蹂躙の狂宴が定時を過ぎても終わらぬほどに暴走し、最下層の檻は、首席の冷徹な管理データなど一瞬で燒き盡くす、剥き出しの地獄そのものへと變貌してゐた。
四肢を固定され、脫走の代償としてさらなる過酷な「每日」の暴力をその骨の芯まで刻み込まれる五人。南アフリカの乾いた大地の最深部で、彼女たちの誇りの殘骸は、囚人たちの狂った怒號とガルシアの壓倒的な力によって、完全に、そして殘酷にすり潰されていくのであった。




