第二十四章の第一節:固定された肉體と、充ち滿ちる獸欲
首席の冷徹な命令によって、最下層の檻の床へと四肢を完全に固定された美波、エレーナ、クロエ、そして母と姉の五人。
彼女たちの手首と足首を締め付ける鋼鐡のリングは、アンカーボルトによってコンクリートの奧深くへと打ち込まれてゐた。僅かに身をよじるだけで、冷たい鐵輪が皮膚を削り、骨をきしませる激痛が走る。
夕刻の脫走未遂が招いたこの加重制裁は、彼女たちから「互いに身を寄せ合って體溫を分かち合う」という最後の權利すらも完璧に剥奪してゐた。
しかし、この「一切の身動きが取れない完全な固定狀態」こそが、檻の向こうで息を潛めてゐた囚人たちの獸欲を、制御不能な領域へと爆發させる決定的な因果となった。
定時を吿げる晝のブザーが地下室に鳴り響くと同時に、鐵格子が開放される。
「おい……見ろよ、今日の女どもをよ……!」
雪崩れ込んできた囚人たちの群れの先頭で、巨軀の首領ガルシアが、濁った瞳に狂暴な歡喜の光をぎらぎらと滾らせてゐた。
これまでは、どれほど原型を留めぬほど損壞してゐようとも、女たちは僅かに身を縮め、本能的な拒絕の姿勢を取ってゐた。だが今の彼女たちは、衣服を一切與えられぬまま、大の字で床に釘付けにされてゐる。
「首席の氣取り屋の野郞、最高の仕込みをしてくれやがった。これなら、一微塵の手加減も、容赦も必要ねえな!」
ガルシアの太い腕が歡喜に震え、最下層の暗部を支配する彼の「力」が、破壞的な暴走へと一氣に舵を切った。




