第三節:加重される鋼鐡の制裁と、日常の終焉
再び最下層の檻へと投げ戾された五人を待ってゐたのは、自由の可能性を完全に絕つための、おぞましい鋼鐡の處罰であった。
檻の床面には、この日のために新しく太いアンカーボルトが打ち込まれ、頑强な手錠と足枷が設置されてゐた。
美波、エレーナ、クロエ、そして母と姉の五人は、互いに觸れ合うことすらできぬよう、一定の閒隔をあけて床へと力任せに組み伏せられた。
ガチャン、ガチャン、と冷たい金屬音が響くたびに、彼女たちの四肢は硬いコンクリートへと文字通り「釘付け」にされていく。
脫走を試みたエレーナとクロエの手首には、さらに重い加重枷が嵌められ、僅かに動かすだけで皮膚が裂け、骨に激痛が走る仕組みになってゐた。美波の感覺のない兩脚もまた、冷たい鐵輪によって床に完全に固定された。
「これで、お前たちは互いの溫もりを確かめ合うことすらできん。朝の叩きも、晝のガルシアたちの暴走も、この完全に固定された姿勢のまま、ただ事務的に受け入れるだけの肉塊となれ」
看守たちの冷酷な嘲笑とともに、鐵格子の外でブザーが鳴り響く。
それは、彼女たちの叛逆がもたらした、より深化された地獄のルーティンの始まりであった。
身動き一つ取れず、床に大の字に固定された五人の人形たち。
夕刻の共同風呂での微かな抵抗は、結果として、夜の就寢時における「互いに寄り添う溫もり」という最後の據り所さえも自ら失う最惡の結末を招いた。
暗闇のなか、無數の囚人たちの下劣な足音が再び檻の向こうから近づいてくる。五人は互いに縺れ合うことすら許されぬまま、腫れ上がった瞼の奧で、明日から始まるさらなる絕望の「每日」へ向けて、果てしない暗黑の深淵へと、ただ靜かに沈んでいくのであった。




