第二節:泥の配給と、日中の狂宴(晝の暴走)
打擊の時閒が終わると、床にばら撒かれるのは、囚人たちの殘飯を混ぜ合わせたような泥狀の榮養劑だけであった。
五人は互いに視線を交わすことも許されず、ただ生きながらえるためだけに、血と汚濁の混じった床に這いつくばり、犬のようにその泥を啜る。パリのランウェイを步いたエレーナも、東京のガラスの檻で守られていたクロエも、今やその顏面を左右非對稱に腫らし、泥に塗れながら咀嚼を繰り返すしかなかった。
そして、晝のブザーが鳴る。それこそが、この檻の生活の核心である「囚人たちの暴走」の時閒であった。
「ほら、お前らの每日の奉公だ! 存分に遊んでやるぞ!」
鐵格子のロックが解除され、檻の中に雪崩れ込んできたのは、飢えた獸の如き何十人もの囚人たちであった。
「いや……あ、うあぁぁっ……!」
クロエの短い悲鳴も、男たちの荒い鼻息と下劣な歡聲にかき消されていく。
美波、エレーナ、クロエ、そして母と姉。五名の肉體は一箇所に固められ、無數の汚れた手によって同時に引き裂かれ、組み伏せられていく。代わる代わる襲いかかる男たちの容赦のない肉的結合のピストンが、檻の中に猥雜な水音と狂った怒號を響かせた。
かつてそれぞれが世界の異なる頂點で誇り高く生きていたその過去は、每日のように繰り返されるこの晝の集團蹂躙によって、完全に、跡形もなくすり潰されていった。五人の胎內は、常に男たちの汚濁によって容赦なく滿たされ、痙攣を繰り返すことしかできなかった。




