↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
94/108

オリバーを寄越した者の意図

 「父上が、いや父上とグレイ侯爵と、その長男だったか?とにかくお前の父親と兄弟が、全てはアリシアに非があったことにして、ブラウン家の面子を保つって作戦にしたらしい。

それで、アリシアが最近調子に乗って五月蝿いから、俺が黙らせたら、ウッド男爵から何か新しい身分がもらえるって……。ほら、話したぞ!早くロープを解けよ!」

オリバーがロープを解こうとへの字になってピコピコ跳ねる。


「いつ私が、ロープを解いてやるなんて言ったことになってんのよ。それで?アリシア様を黙らせるっていうのはどういう戦略だったの?」

エリスは話の通じなさに苛立ち、青筋を太く立てながら詰問した。


「逃げられないんなら話したって意味ないじゃないか!この嘘つきの売女が!!」


 エリスを罵るオリバーの口を、アリシアの拳が正面から塞いだ。そのまま腕が素早く突き出され、オリバーの顎は後方にぐりんっと押し出されると、身体も引っ張られてバランスを崩し、再び床に頭を打ちつけた。


「痛ああああ!暴力だ!訴えてやる!」

オリバーは拳の端が当たったためか鼻血を流しながら、それより勢いよく涙を流しながら、涎を振り撒いて泣き叫んだ。


「やってみなさいよ、アンタに同意があったって言ってやるわ」

アリシアは汚物を見下すような目でオリバーを見ながら、言葉を掛けるのも勿体無いような心境で言った。


 「お前を◼️◼️◼️◼️して、誰でも×××出来るようにしたって、男爵が言うように国外で売れるか怪しいもんだ!

そうなったって、その五月蝿い『口は残ってる』から、男たちが萎えちまうだろう!

どうせお前なんかボロボロになるまで闇魔法実験の『方の』奴隷でしか使えならないからな!」


「……そう、院長の姿で外出に誘って誘拐し、国外で人身売買をするつもりでしたか。ウッド男爵はそういうネットワークがあるとのことでしたものね……」

エリスはオリバーの言葉を噛み砕くと、こんなに不味いものはないというほど顔中を歪めて、不愉快を露わにした。


 とんでもなく酷い言葉が出てきて、看護師の中には失神しそうな者までいるが、アリシアはその表現には割と冷静だった。


 実の親兄弟がアリシアを切り捨てるだけでなく、そういう対象として、拷問以上の非道い目に遭わせることに同意していた。


その事実が、ほんの欠片も残っていなかった筈の、家族への期待を粉々に打ち砕いた。


「……そんなに、嫌われていたのね」


アリシアの震える呟きに、オリバーが反射的に答える。


 「当たり前だろう。お前を好きな奴なんて誰もいないさ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。