8、神獣の眷属、初陣の夜
今回も短いんで、自己紹介書こうと思います!
では本編へ!
夕闇が完全に世界を包み込んだ街道。
松明の赤い炎を大きく揺らしながら、十数人の重装騎士たちが慎重に馬を進めていた。
彼らの頑丈な鉄の甲冑に刻まれているのは、アルテミス王国の『第二王立騎士団』の紋章。夜闇のなかでも、その紋章だけが鈍く光っている。
「おい、本当にこの先に『天災級の魔物』なんてバケモノがいるのか? 昏き森の周辺はすでに第一騎士団が調査して、何も出なかったはずだろう」
「馬鹿を言うな。あの一撃で森を数百メートルにわたって消滅させた化け物だぞ。今はまだ目撃情報がないが、いつ王都へ襲ってくるかわからん。だから我々偵察隊が、周辺の魔物の集落を片っ端から『潰して』、情報を集めるんだ」
「そうだな。言葉の通じない亜人どもだ、少し痛めつければ九尾の居場所くらいすぐに吐くだろう」
騎士たちの傲慢で、冷酷な会話。
それが、私の鋭い狐耳にすべて、鮮明な情報として届いていた。
「(……集落を、潰す? あの一生懸命に生きている魔物たちの村を、ただの八つ当たりのように蹂躙するって言ったの?)」
私の胸の奥で、ドクン、と心臓が冷たく跳ねた。その瞬間、私の頭の芯から、女子高生としての生温い感情が一時に消え去った。
恐ろしいほど冷徹に、視界がクリアに冴え渡っていく。
私は街道の真ん中に、音もなく降り立った。
深く被ったフードの隙間から、黄金の瞳が夜闇の中で怪しく発光する。
私の体内にある、世界を滅ぼせるほどの【闇】と【光】の魔力が、目に見えるほどのオーラとなってドレスの周囲を渦巻いた。
「な、なんだ!? 誰かいるぞ!」
「おい、お前は何者だ! ここは王国の規制区域だぞ!」
先頭の騎士が馬を止め、ギラギラとした剣を抜いて叫ぶ。
私は何も答えない。
ただ、腰の漆黒の刀の柄に、そっと右手をかけた。ネフィから教わった、魔物の絶対のルールが頭をよぎる。
魔法をそのまま放てば、体内の魔力――つまり私の『命の残高』をそのまま削り、最悪の場合は消滅して死ぬ。
だからこそ、この刀を使う。肉体の圧倒的な身体能力の質量を、刃の先端に一点集中させるんだ。
「ちっ、無視か! 獣人の回し者か、あるいはあのバケモノの眷属か! 構わん、まとめて斬り捨てろ!」
隊長の冷酷な命令と共に、三人の重装騎士が馬を走らせ、私めがけて一斉に鋭い槍を突き出してきた。
重い鉄の塊が、物凄い速度と質量で私を圧殺しようと迫る。
「ガオ、ミャオ。左右を頼む」
私の、低く、有無を言わせない短い命令。
「――応ッ!」
ガオの短い叫びが響いた瞬間、彼の体から強烈な風の刃が放たれ、左側の騎士の馬の足を完璧にすくい上げて激しく落馬させた。
「あたしの闇を喰らうにゃ! 『影の侵食』!」
ミャオが両手から放った黒い霧が街道の地面を侵食し、右側の騎士たちの足元の影が瞬時に盛り上がって、馬の脚を強引に地面へ縫い付ける。
「な、なんだこの魔物どもは!? 動きが止められた……!?」
パニックに陥る騎士たちの中心で、私は静かに、一歩、前へと踏み込んだ。
ネフィに教わった通り、腕の力は完全に抜く。
後ろの一本の白銀の尻尾を、突進の回転軸を制御するために対角線上へと鋭く一閃。体幹の超高速回転のすべてを、腰の刀の抜刀へと乗せる――。
(抜刀――『闇光の一閃』)
キィィィィィィンッ!!!!!
闇の炎と光の雷をほんの僅かだけ乗せたブレードが、夜闇を真一文字に切り裂いた。
それは、ただの斬撃ではない。私の規格外の身体能力と、ネフィの『一点集中』の技術が合わさった、空間そのものを断ち切るような絶対の鋭さ。
ドガァァァン!!!
凄まじい衝撃波が 街道を真っ直ぐに駆け抜け、正面にいた騎士たちの頑丈な鉄の盾と魔導甲冑が、まるで紙細工のように一瞬で真っ二つに叩き割られた。刀身は一切、彼らの肉体には触れていない。ただの『剣圧』だけで、騎士たちは十数メートル後方へと一気に吹き飛ばされ、地面に転がってそのまま気絶した。
「ば、バカな……! 剣圧だけで、我らの最高級の魔導甲冑が……割れただと……!?」
生き残った偵察隊の隊長が、恐怖で歯をガタガタと鳴らしながら、馬の上で完全に腰を抜かしている。
私は、ゆっくりと刀を鞘に収めた。
カチン、と静かな金属音が夜の街道に響き渡る。
そして、気絶した騎士たちの中心を歩き、恐怖に怯える隊長の目の前へと、一瞬で姿を消すほどの速度で移動した。
隊長の鼻先に、私の発光する黄金の瞳が迫る。
「ねぇ、アルテミス王国の騎士さん」
私の声は、冷たく、そして絶対の強者の威圧感に満ちていた。
フードの中から、隠しきれない白銀の狐耳がピコピコと静かに動く。
「あなたたちの国が、三日前に『大きな荷物』を積んで、この森の集落へ向かわせた馬車があるはず。……その馬車が、今どこに消えたのか、知っていることを全部吐きなさい」
「ひ、ひぃぃぃっ……! 九、九尾の……化け物……ッ!」
隊長は、私の圧倒的な神獣の気圧に耐えかねて、そのまま白目を剥いて馬から転げ落ち、気絶してしまった。
「あ、あれ……? また気絶しちゃった」
戦闘モードが解け、私はいつもの女子高生の困り顔に戻って、狐耳をパタパタと動かした。
「サユキ、強すぎるにゃ! これじゃ尋問ができないにゃ!」
ミャオが呆れたようにツッコミを入れて、ガオも「……(コクコク)」と静かに頷いた。
ネフィは闇の中からゆらりと現れ、気絶した隊長の胸元を探り、一通の『書状』を抜き取った。
「ボス、こいつは気絶したけど、いいものを持っていたよ。アルテミス王国の王都から、この偵察隊に宛てられた密令だ。……どうやら、あの消えた馬車の謎を解く手がかりが、ここに書かれているみたいだね」
ネフィが書状を掲げて不敵に笑う。
馬車は消え、手がかりは一度ゼロになった。
だけど、自分たちの力で、新しい手がかりを力ずくで毟り取ったのだ。[INDEX]四人になった『神獣の眷属』は、親友・結衣を救い出すため、大国の陰謀が渦巻く王都へ向けて、ついに本格的な反撃の一歩を踏み出すのだった――。
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《自己紹介》
桜雪
種族: 天災級・神獣【九尾の狐】擬態の不完全な部分: 白銀の狐耳(ぴこぴこ動く)と、立派な一本の白銀尻尾
属性・能力: 【闇】と【光】/ 圧倒的な神獣の身体能力、ネフィ直伝の抜刀術
本人のコメント:「普段は普通の女子高生だし、タピオカとかコンビニスイーツが恋しいだけなんだけど……戦うって決めた時は本気でいくよ。あたしの邪魔をする国なら、喜んでその敵になってあげる。あ、あと仲間のネーミングセンスには、毎日心の中で盛大にツッコミを入れてます」
ガオ
種族: 【黒狼】の魔物擬態の不完全な部分: ツンツンした黒髪の隙間から出る狼耳と、感情が丸出しの黒い狼尻尾
属性・能力: 【風】/ 風を纏った超高速の格闘戦、隠密索敵
本人のコメント:「……(コクッ)。俺の名前はガオ。狼だから、ガオ。……喋るの、苦手。ボスのことは、全力で守る。……飯、楽しみ」
ミャオ
種族: 【黒猫】の魔物(自称・闇魔法の天才)擬態の不完全な部分: ピンと立った黒い猫耳と、新体操のリボンみたいに動く二本の猫尻尾
属性・能力: 【闇】/ 『影の侵食』などの足止め・嫌がらせ魔法
本人のコメント:「あたしの名前はミャオ! 猫だからミャオにゃ! 文句あるにゃ!? サユキは最初、消滅させられるかと思うくらい怖かったけど、実はちょっとチョロくて可愛いボスのことが大好きにゃ! 人間の街に行って、お肉に甘い蜜をかけたやつをたらふく奢って貰うにゃ!」
ネフィ種族: 【深淵の毒蛇】擬態の不完全な部分: 首元から腕に残るサファイア色の綺麗な鱗と、縦に割れた蛇の目
属性・能力: 【深淵・幻術】/ 空間の違和感を見破る幻術、毒、そして切れ味の鋭い『刀』の技術
本人のコメント:「あたしはネフィ。スネークだからネフィ。手がかりがなくても、あたしたち『神獣の眷属』の4人が集まれば、人間の国のまやかしなんて一刀両断だよ。よろしくなボス。」
えーと。ガオの自己紹介がめっちゃむずいです。
そういえば少し気になったから質問するんですけど小学生 中学生 高校 大学 社会人 みなさんはどれですか?コメントでぜひ教えてください!
後もう一つ作品書くつもりなんですけどどういうのがいいですか?




