第49話 お茶会準備
筒抜けの内緒話を終えた唯人とリュートは再び『彼女』の元への戻ってきた。
そこには唯人が作った無骨なイスとテーブル、そして新たに3人分のティーセットが並べられていた。
そのティーセットは唯人の作ったテーブルとは不釣り合いなほど細かく作りこまれており、テーブルと同じく無色透明であるにもかかわらず細かな細工が施され作った者のセンスがわかりやすすぎるほどに対照的であった。
「うわ~、かわいい~~!手に取っても?」
「あ、ああ、構わない」
そのティーセットを一目見たリュートが勢いに戸惑う『彼女』に許可を得ると手に取ってじっくりと鑑賞する。
「きれ~ですね~。実家の人族を招く用の屋敷にもこんな綺麗なティーセットありませんよ~。あ、こういう時は『いい仕事してますね~』って言うんでしたっけ?!」
リュートはティーセットが気に入った様で様々な角度で見ながらはしゃいでいる。
「え~、っと、リュート、殿、で良いのかな?初めて作った物だからそう言われるとこそばゆいが…嬉しいよ。ありがとう」
「いえいえ~。実際凄いですよ、コレ!見てくださいよこのご主人様のイスとテーブル!機能性以外すべて捨て去ってますもん。それに比べてこのティーセットの美しいこと…。あっ、私のことはリュート、と呼び捨てで結構ですよ。たまにリュウトの時もあるんですけど…」
そう言ってリュートは唯人の方へと目を向ける。
「センスがなくて悪かったな。…はぁ、まあいい、せっかくだしそのセットを使ってお茶でも入れて話をしよう。いいかな?」
「ああ。唯人、殿」
「俺も唯人でいいよ」
そう言って唯人は空間に手を伸ばす。
すると空間が割れるように砕けるとその先には別の空間が広がっていた。
「っ!?」
驚く『彼女』をよそに唯人は無造作にその中へ手を突っ込むと、
「お茶を入れてるやつはこのあたりだったか…」
などと呟きながら一つの袋を取り出した。
「あったあった」
そう言って取り出したのは何の変哲もない皮袋…の様に見える何か。
「あ、今回はすぐ見つけられたんですね」
「まぁ、比較的よく使うものだしな」
「あ、ああ。これがさっき言っていた『匠』というものか」
「そうだ。ものすごく簡単に言うとどこからでも開けられる倉庫って感じだな」
「それだけ聞くと便利そうに聞こえるが…」
そう言いつつリュートに目をやると意を得たり、とリュートは語る。
「こんなことできるのご主人様だけですよ!私も挑戦しましたけどどれだけやっての針の穴一つ空きませんでしたよ!それは良いとして中が全っ然整理されてないんですよ!「大体の場所はわかる~」とか言って。あれを見ちゃうとどうしても整理したくなっちゃうんですけど許可してくれないし!」
そう捲し立てるリュート。
「まあ、こんな風に?マジックバッグに小分けしてるのだけは褒めてあげてもいいですけどね!茶葉が入ってるってことは時間停止機能もついてるやつなんでしょう?」
「ああ、ついでにお茶に合った水を適温のお湯にしたものも入ってるし、劣化や温度変化しないように時間停止機能付きのものをちゃんと使ってる」
「時間停止機能!?マジックバッグも希少な方だと聞くが時間停止機能まであるとは…。その口ぶりだと他にも持っているんだろう?秘密もまだまだありそうだ」
事も無げにそう口にする唯人とリュートの発言からまだまだ驚くことがありそうだと悟った『彼女』はそう言ってティーセットのポットを唯人の方へ置くと
「早速そのお茶をいただこうか」
そう言って唯人たちに初めて笑顔を見せた。
体調不良のため短め&予約投稿ミスでこの時間。
投稿時間はより見てもらえる時間を探し中。
『匠』の空間割れるのは怪獣を超えた獣やそれを操る異次元人が登場するときみたいなイメージです。




